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概要編集

『少女』は、湊かなえによる日本の小説。湊にとっては『告白』に次ぐ著者の第2作目にして書き下ろし作品となる。

『告白』に比べ台詞が多く、ユーモラスな箇所とブラックな箇所が混在している。基本的に由紀視点、敦子視点のエピソードが交代で書かれている。本作は「由紀と敦子のヒューマンドラマ」で、ミステリー要素は少ないと思われるが、最後の最後で衝撃的な事実が判明することから「ヒューマンミステリー」と位置づけられる。

2010年に『告白』と同じく漫画化された。

2016年に映画化。本田翼山本美月がW主演を務めた。


あらすじ編集

高校2年の夏休み前、由紀と敦子はある話を聞いた。親友の自殺を目撃したことがあるという転入生の紫織からの告白を、ある種の自慢のように感じた由紀は「自分なら死体ではなく、人が死ぬ瞬間を見てみたい」と思うようになる。自殺を試みたことがある敦子は、死体を見たら、死を悟ることができ、強い自分になれるのではないかと考える。二人とも相手には告げずに由紀は病院へボランティアに行き重病の少年の死を、敦子は老人ホームで手伝いをし入居者の死を目撃しようとする。


—死の瞬間に立ち会うために。—


高校2年の少女たちの衝撃的な夏休みを描く長編ミステリー。


登場人物編集

桜宮高等学校2年の女子高生。ニヒルで冷静な性格で、親友の敦子からは何を考えているか分からないと思われている。認知症の祖母を両親と共に介護していた。一つ年上の牧瀬と交際している。

敦子をモデルに書いた小説を、元担任の小倉に盗作される。ある事情から左手が不自由になり、握力が3kgしかない。


桜宮高等学校2年の女子高生。天真爛漫で、少々空気が読めない性格。

元剣道部で、有名私立への推薦も決まっていたが、中学最後の県大会で2勝2敗のところを惜敗して以来、学校裏サイトに自分の悪口が書かれていないか見に行くのが日課になっている。

過度の不安症で、神経質でもあり、過呼吸で倒れることがある。


本名は「高雄孝夫」。敦子には「おっさん」と呼ばれている。

特別養護老人ホーム、シルバーシャトーに勤務する中肉中背の中年男性。敦子曰く、外国の映画に出てきそうな日本人代表。

必要最低限のことしか喋らず、地面ばかり見ていて暗い性格。文学愛好家で、バツイチ。


このあたりで一番偏差値の高い男子校に通う、由紀の交際相手。

電車のホームで投身自殺を目撃して以来、由紀たちと同じように死を目の当たりにしたいと思っている。

高3の夏に数Ⅰ基礎をやっているなどあまり成績は良くなく、会話の内容も程度が低いため、調子のいいバカと思われている。

実際は、サイコパス的な凶暴さや反社会的性格を持っている。


関連タグ編集

湊かなえ

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