概要
角のように頭の上半分を前髪だけ残して高く高く結い上げた髪に、派手な造花の装飾を配している。
とある雑誌にて、いわゆる「盛り髪」の一つのスタイルとして提案されたものである。
「昇天」はおそらくその天を衝くような高さを出したことに由来し、「Mix」は下側の髪のセット方法(細いロッドと太いロッド両方を混ぜてボリュームを出す「mixパーマ」、もしくはコテの内巻きと外巻きを交互にしてふんわりさせる「mix巻き」のこと)、「盛り」は「ボリュームを出して固めるスタイル」という意味である。
「ペガサス」のような翼を想起させるような要素はないが、なんとなく語感や字面の面白さだけでつけた、もしくは同じく想像上の馬であるユニコーンと混同した可能性が考えられる。
2009年5月5日に発行された『盛り髪セットサロンバイブル/SAKURA・MOOK38』に掲載された企画「メガ盛り」の一つとして紹介された。よく間違われるが『小悪魔ageha』やその関連雑誌ではない(※本誌を発売していたのはチャンプロードなどで有名な笠倉出版社。『小悪魔ageha』は当時インフォレスト株式会社から発売)。
この雑誌はおもにキャバ嬢や、ギャルのイベント向けにサロンでのセットを提案しており、「メガ盛り」以外のスタイルは一般人の感覚からすると派手だが奇抜なものではない。
この「メガ盛り」企画ではほかにも、同じように高さを出した後ろ髪で、サイドを日本髪のようにボリューミーに結い上げ、顔ほどの大きい花飾りをつけた「トルネード花魁アップ」や、巻いてアップにした髪に複数の携帯電話をデコレーションした「いつでも着信OKよ!!盛り」や、セットした頭の上に毛(エクステ)で作った鳥かごを載せた「鳥かごのせちゃいました!巻き」など衝撃的すぎるスタイルが複数掲載されている。
なお、ねとらぼが2017年9月に歌舞伎町のキャバ嬢・ホステス向けのヘアサロンに取材したところ、当時は高さを出した「盛り髪」こそ流行していたものの、このような奇抜なセットはほとんど見ず、周りのスタイリストたちを含めて「メガ盛り」に相当するセットを依頼されたことは一度もないという。このため、おそらく雑誌の方でも「参考」として企画の一環で掲載したものであり、実際に流行していたというわけではないと考えられる。
ちなみに、取材に応じた美容師によれば、「昇天ペガサスmix盛り」に限らずメガ盛りのセットには(髪型をキープするための)針金と装飾品の持込み等で準備が整っており、かつ美容師側に相当時間的な余裕がある場合でないと、オーダーを引き受けることは難しいとのことである。