概要
- 古代イスラエルの魔神『ソロモン72柱』に列する悪魔の一人、地獄の大公爵アイムの別名。
- リアルタイムシミュレーションRPG『タクティクスオウガ』に登場する固有ユニットタイプのソードマスター。
- ライトノベル作品『灼眼のシャナ』に登場する紅世の徒の1人。
- 上記以外にハボリムを冠する人物の名称。
以下は、一般的にハボリムの名称で広く認知されている概要2について説明を記述するものである。
人物
フルネームは『ハボリム・ヴァンダム』。光竜の月9日生まれ。31歳。想像を絶する過酷な修行の末に心眼を会得して剣の奥義を極め、ソードマスターの最高位『剣聖』の称号を持つ盲目の剣客。元々は仕える者を持たず異国を渡り歩く放浪の身であったが、ヴァレリア大陸の内紛にローディス教国が介入した噂を耳にして単身渡来し、自らの思惑に従って独自の活動を展開する。
その正体は、ランスロット・タルタロスの腹心として暗躍するバールゼフォン・ヴァン・ラームズの実弟『ハボリム・ヴァン・ラームズ』であり、ローディス教国で絶大な影響力を有した武官のヴォグラス・ヴァン・ラームズ准将の実子。
過去に暗黒騎士団ロスローリアンに所属した経歴を持つコマンド級の騎士であり、教皇派の後押しで強大な勢力となりつつあった暗黒騎士団の弱体化を画策したヴォグラスの勅命を受けて密偵として潜入するも、教皇派に呼応したバールゼフォンの裏切りによってヴォグラスが殺害され、その濡れ衣を着せられて両目を潰された上に国外追放となり、さらに反教皇派であった母親もバールゼフォン一派の手によって毒殺される。この一件を発端としてバールゼフォンへの復讐を固く誓い、それを支えに厳しい修行を経た末に剣聖の称号を得るに至る。
なお、暗黒騎士団に所属するオズマ・モー・グラシャスとはかつて婚約を誓った深い恋愛関係にあり、PSPで発表されたリメイク版『運命の輪』ではその経緯が詳細に描かれている。
特徴
仲間への勧誘が可能な固有ユニットのうち、L(ロウ)・N(ニュートラル)・C(カオス)の3ルート全てに登場する数少ない1人。クラスチェンジ不可という厳しい制約がある反面、加入直後の能力値は一般クラスから育てたソードマスターが同じレベルに到達する、または説得によって仲間に迎え入れた同じレベルのソードマスターをしても超えられない高さを有する。ただし、Cルートで迎えるバハンナ高原でのハボリム救出作戦は作中屈指の難易度を誇り、プレイヤーの前に大きく立ちはだかる初見殺しの一戦として非常に有名である。
ソードマスターのクラス特性自体が最前線での戦闘に不向きなものの、ルートによっては加入するアーチャーのアロセール・ダーニャに匹敵する高いDEX(命中率)とAGI(素早さ)を兼ね備える唯一の男性ユニットであり、得意武器の剣ではなく弓による一撃離脱戦法を得意とする。しかし、「1つだけ補助魔法を扱える」という特徴を含めてその運用方法が追求された結果、石化による行動不能状態とする大地系補助魔法『ペトロクラウド』を行使するに最も適したユニットであると位置付けられる。
また、盲目という設定が石化効果を持つゴーゴンの特殊技能『邪眼』を無効化する隠し要素となっており、さらにレベルアップごとにDEXが1ポイント加算される上に25%の確率で睡眠効果をもたらす投射攻撃武器『ゲルゲの吹き矢』の使い手として認知され、これに加えてブリガンテス王家十大秘技の1つでDEXの値がそのままダメージに反映される『神鳴明王剣』(しんめいみょうおうけん)の継承者となって以降は『ペトロクラウダー』『先生』『石工』『師匠』などの数々の異名を欲しいままにし、展開によってはヴァレリア王家の正当な王位継承者として戦線に復帰するカチュア・パウエルと共に、主人公であるデニム・パウエルの存在感を脅かすほどの主力戦闘要員の座を確立する。
ところが、欠点を補って余りあるほどに恵まれたペトロクラウダーの出現は、一部の竜言語魔法と共に著しいゲームバランスの破綻に繋がる要因の1つでもあるため、上級者は縛りプレイの最優先事項としてハボリム、ペトロクラウドのどちらか一方、または両方の使用を封印する動きが通例となっており、『運命の輪』ではこれを踏まえてソードマスターに従来の補助魔法が使えないように設定の変更が成される運びとなる。