概要
神奈川県西部に位置する、人口20万人弱の城下町である。
東海道新幹線、JR東日本(東海道線、御殿場線)、小田急電鉄(小田原線)、箱根登山鉄道、大雄山線の鉄道5社が交わる、交通の要所。道路交通も国道一号、255号、135号、小田原厚木道路、西湘バイパスがそれぞれ接続している。
交通の利を背景に、国内でも有名な大手企業系列の工場・研究所が設置されている。
お正月の箱根駅伝の第4区→第5区および第6区→第7区の中継地点としてもお馴染みになっている。
歴史・産業
小規模な古墳群や出土した土器類等から、かなり古い時代より栄えていたと思われている。
有名になったのは戦国時代、北条早雲(いわゆる『後北条氏』の祖)が小田原に居を構えて、5代に渡り南関東を統治し、戦国時代最後の戦いの舞台にもなった。この北条5代の活躍を元にした『北条五代祭り』は市の最大のイベントとして、毎年5月3日にメインイベントの大名行列を行っている。
シンボルの小田原城は一度解体されたが、昭和時代に復元され観光名所となっている。また、豊臣秀吉が小田原攻めに際して築城した『石垣山一夜城』は小田原城の西、早川という所に歴史公園として跡地を見学できる。またこの早川の山中には、江戸城の石垣に使用された石切場がある。
平安末期には、源頼朝が挙兵後に戦った『石橋山古戦場』があり、そのすぐ近くには『佐奈田霊社』がある。
源頼朝が鎌倉幕府を開いた翌年の『日本三大仇討ち』の一つ、曽我兄弟(五郎・十郎)の悲話(曽我物語)の舞台となるのもこの小田原である。この物語に因んだ『傘焼き祭り』が毎年5月中旬に行われ、相撲関係者も参加している。また、兄弟の名を冠する、この「曽我」という地(小田原市北東部)は梅の名所であり、「五郎」「十郎」という名前の品種も生産され、毎年2月上旬から3月上旬にかけて「梅祭り」が開催されている。
市の南西部の江之浦の海岸地帯は『東洋のリビエラ』と呼ばれ、風光明媚な観光地であり、また柑橘類の生産地となっている。ここで生産されたミカンやレモンの一部はワインやサイダーとしても加工される。
この他、江戸時代から続く蒲鉾等の練り物を含めた海産物や、先述の梅(こちらもワインやサイダーがあります)、緑茶の『足柄茶』等が有名である。
明治時代には、政府官僚や著名人の別荘地として賑わい、南町・板橋には現在もその居構が一部、残っていて観光用に公開されている。
縁のある著名人
阿藤快(阿藤海)、柳沢慎吾、夢枕獏、富野由悠季、二宮尊徳(二宮金次郎)など
軍艦・艦隊これくしょん
現在、大流行中の艦隊これくしょんの艦娘(元ネタは実在の軍艦)にも、小田原に関する名前の
のものがある。確認されているのは酒匂(市内中央を流れる『酒匂川』に由来)と足柄(神奈川県西部一帯の名称で「足柄平野」「足柄上郡」「足柄下郡」など)の2つである。
また、直接の関係はないが、『矢作』(矢矧)という地名もある。