ロウソク
ろうそく
蝋や獣脂を固め芯を埋め込み、芯に火を点して照明として利用する道具。
歴史
古代エジプト・ツタンカーメンの時代にはすでに使用されていたとされる。
ヨーロッパにおいては、ガス灯の登場する19世紀まで、室内の主な照明として用いられた。
日本では奈良時代に中国から輸入されたとされる。当時輸入されていたのは蜜蝋のロウソクだった。やがて平安時代になり遣唐使が廃止されると、中国との交易が減り、国内で蜜ロウソクに代わる松脂ロウソクの製造が始まったと考えられる。
その後、和ロウソクと呼ばれるはぜのロウや漆のロウなどを使ったものに変わっていく。江戸時代頃まで蝋燭は貴重でぜいたくな品物だったため、庶民は日常の照明として魚油や菜種油を燃料とする行灯を利用していた。地方の農村漁村までロウソクが行き渡ったのは、明治時代になって西洋ロウソクの製造が行われてからのことである。( → 参考)
現在も、ヨーロッパではキリスト教の典礼で、アジアでは線香に火をともす仏具として、また緊急時の光源として、誕生日を演出するアイテムとして、果てはSMプレイ用具としても今に至るまで使用され続けている。