特定の国や地域、仕事・職業にそれぞれ担当の聖人をつけたもの。
聖人が生前にしていた仕事や、エピソードをもとに関連のある分野に守護聖人として当てはめられる。
シチリアの聖アガタは拷問にあっておっぱいを切り取られ、癒されたのち殉教したので、その捧げ持つ乳房の形状からパン、鐘楼の、とか、聖カタリナはスパイク付の車輪で殺されたので車の、ドラゴンに呑まれたあと一回でてきた(のち斬首)アンティオキアの聖マルガレーテは出産(マルガレーテのようにぽんと出ますようにと言う)、という感じで延々。
ミュラの聖ニコラウスが水関係とロシアとスコットランドと泥棒と学問と商売を司るといったように、複数の分野をカバーする聖人もいる。
守護聖人はそれぞれ担当する分野を守護・援護しているとされる。ときどき聖クララ(後つけでTVも担当)、聖アガタ(後つけで乳がんも担当)など、職種が増える者もいる。
「守護聖人」には人間だけでなくミカエルのような天使もいる。さらにもともと普通の巨人だった「カナン人の聖なるクリストフォルス(クリストファー)」は、後カナン人と紛らわしいカネアン(犬人)と間違われ、「犬頭の聖人」として描かれるようになった。なお、ちゃんと人として描かれるどこぞの聖クリストフォルスを描いた聖画の、脇に「どう見てもアメリカの有名な鼠」のようなもの(隣にアヒル付)が描いてあるものが発見され(イタチだとする説がある)、話題になった。
聖マルガレーテ、聖カタリーナ、聖バルバラ、聖ドロテア(ドロシー)がセットで拝まれるなどの信仰がある。
絵画において、持つものや一緒に描くべきものが決まっており、メイドの守護聖人ツィタは花束と鍵の束を持つとか、フランスでドラゴンをやっつけたおかんの守護聖人聖マルタはレードルか洗礼の時に水かける道具もって後ろで龍が死んでる、など、みただけで「ああ、大砲があって塔に三つの窓があるからこのお姉さんは聖バルバラ」と言うのが判りやすくなっている。
聖書の時代や古代、中世には無かったものにも、
守護聖人は当てはめられており、血液バンクやインターネットにも
担当の守護聖人がいる。聖書には直接記載の無い概念のため、
「聖書のみ」を掲げるプロテスタント諸派に守護聖人という考え方はない。が「冬至に神の子が生まれるのでお祝いする」と言う信仰を否定すると民衆に立ち上がられてカルト呼ばわりされるので、一応クリスマスには、ナザレのイエスが生まれたて(幼子イエスなのでクリストキントと言う)で各家を回ると言うことにしたところ、いつの間にか「クリストキントと称する美少女」が回ることになり、それを決めるミスコンみたいなものまで開催されるようになった。どうしてこうなった。ていうかwikipediaに「ルーテル教会で拝まれる聖人」(聖ゲオルギオスとか)のカテゴリーがあるぞ、わけがわからないよ。
なおクリストキントは、20世紀の後半から、カトリックの家を回り、プロテスタントの良い子たちへはサンタクロースがプレゼントを配っている。