ガンダムトライオン3
がんだむとらいおんすりー
概要
大阪の天大寺学園チーム「ビルドバスターズ」の一員となったサカイ・ミナトが、「打倒トライ・ファイターズ」を掲げ、ガンプラ心形流の門下生として持てる技術の全てを注ぎ込んで完成させたガンプラ。
心形流の極意をミナトなりに形にした機体でもあり、既存のガンダム作品の垣根を超えた自由さはメイジン・カワグチすら言葉を失った程。
ミナトの兄弟子であるヤサカ・マオが「魔王」の名を冠したガンプラを用いていたのに対して「勇者」を彷彿とさせる外見を持ち、その出で立ちから「最強機動トライオン3」とも呼ばれる。
ZZガンダムをベースにしたガンダムトライゼータを更に改修・発展させたガンプラであり、「ガンダムトライゼータに続編が存在していたら」という設定で制作された。
スーパーロボット然としたガンダムトライゼータのスタイリングはそのままに、トライゼータではオミットされていたZZガンダムの分離・変形機構を復活させており、3機のトライマシンが「レッツ・トライ・オン」のコールと共に合体する事で完成する。
その性質上、合体状態に於いては3人一組での操作が基本となり、ミナトがメインパイロットを務め、チームメンバーのイサカ・ヒデオおよびサトウ・ハルトがミナトの操縦のサポートを行う。
トライオン3を構成するトライマシンは、運用時にコア・ファイターが必至となっていたΖΖガンダムの各メカニックとは違ってそれぞれが独立したメカニックとして活動可能であり、分離状態であっても高い戦闘能力を発揮する。
しかし本機の真髄は三機のガンプラが合体する事にあり、ガンプラ3機分の出力を1機に集約する事による高出力はガンプラバトルでも有利に働き、チーム戦に於ける三対一というハンデも物ともしない。
ガンプラバトル選手権の公式ルールではモビルアーマーに近い考え方ができるが、あえて機体の大型化はせず、ファイターの操縦技術を加味した機体単独での性能向上に充てており、これによって高い潜在能力を発揮する。
ガンプラ同士の合体を前提にするという、チーム戦に於いて異質とも取れるコンセプトを持つ機体であるが、これは各々が別々の進路へ進む事になったチームメンバー達の「一日でも長くガンプラバトルを続けたい」という願い、そしてミナトに後を託して自らチームの補欠となったコデラ・マサミの思いを形にした結果であり、その想いの強さがガンプラバトルでの強さに直結している。
なお、変形・合体ギミックを有するその性質上、合体時には大きな隙が生じるが、合体時に放出される余剰粒子で形成されたエンブレムをバリアにする事で合体中に敵の攻撃に晒されるデメリットを軽減している。
このバリアと同様の効果は合体後もトライオン3の装甲表面に定着され、合体ガンプラ特有の防御力の低さをカバーしているが、機体の粒子貯蔵量が低下するとそれに比例してバリアの効果が薄れていく為、長期戦には向かないという欠点を持つ。
メカニックデザインはガンダムトライゼータと同じく大河原邦男。トライゼータが勇者寄りのデザインだったのに対し、トライオンには無敵ロボシリーズのエッセンスが加えられている。
ガンダムトライエイジのテキスト制作等を手がけた関西リョウジも設定協力として関わっており、合体変形シーン及びプラモデルパッケージアートはロボットアニメの大御所大張正己が手がけた。
大張氏は宿敵・ライトニングガンダムとの決戦回でも作画監督を担当しており、トライオン3を支えた仕事ぶりに敬意を表してか、合体BGMには「浪花のバリBARI最強合体」と、彼のサイン・BARIが冠された。
また、トライエイジオリジナル機体のバリエーション機と言う事もあり、その存在はトライエイジ公式サイトに於いても大々的に取り上げられている。
トライマシン
ソラトライオン
チームリーダーのイサカ・ヒデオが操縦するイヌワシ型の空戦トライマシン。
口から発せられる破壊光線「ビークルショッカー」や両足の爪で相手を粉砕する「スカイグラップル」に加えて、飛行時に展開する光の翼を広域に放つ「フェザーストーム」が武器。
トライオン3に合体する際には下半身を構成し、頭部は超咆剣のパーツになる。
ウミトライオン
サトウ・ハルトが操縦するマンタ型のトライマシン。海戦を想定した機体だが単独での飛行も可能。
武装としてヒレ部分に備わった「マリンブレード」、尾部パーツを伸縮させ鞭のように振るう「オーシャンウィップ」の他、頭部から発射される「サークルウェイブ」を有する。
合体時にはトライオン3の上半身となり、合体時にパージされた尻尾は超咆剣の持ち手となる。
リクトライオン
トライオン3の製作者であるサカイ・ミナト本人が操縦するライガー型の陸戦トライマシン。
「サベージファング」や両脚の「ランドクロー」による格闘戦を得意とする他、髭部分のスリットには「ウィスカーバルカン」を備え、背部には「ツインキャノン」を装備する。
合体時にはトライオン3の胸部と背部を構成する。
武装
アームドブースター
両腕を射出するロケットパンチ。
ZZガンダムのバリエーション機の中で腕を飛ばす機体は機動戦士VS伝説巨神 逆襲のギガンティスに登場するメガゼータの存在が知られるが、トライオン3のそれはウイングシールドが安定飛行用のスタビライザーとして機能し、これによって高速飛行している敵に攻撃を命中させるだけの正確な遠隔操作が可能となっている。攻撃中の隙はライガーグレア、ブーメランスタッガー等で補う。
ブーメランスタッガー
頭部アンテナを投げつけるブーメラン。ブーメラン部分にハイメガキャノンは含まれない。
投げても戻ってくるブーメランの性質上、一度避けられても背後からの再度の攻撃が敵を襲う。
ハイメガキャノン
ベースとなったZZガンダムから引き継がれた高出力メガ粒子砲。
その威力はバトルフィールドの山をも削る程であり、更にダブルキャノネード、ライガーグレアとの同時発射も可能となっているが、その性質上連射は効かない。
ダブルキャノネード
背中に装備されているビーム砲。
ZZガンダムのダブルビームライフルの砲身とハイパービームサーベルを流用しており、ハイメガキャノンと比較して連射性に優れる。
また、ハイパービームサーベルはそのまま格闘用装備として手に持っての使用が可能。
分離時にはリクトライオンの背中にマウントされる。
ライガーグレア
胸部にあるリクトライオンの両目から発射される高エネルギービーム砲。
螺旋状の軌道を描く赤青2色のビームを発射し、その高い貫通力を以って目標を貫く。
リクトライオン、ソラトライオン、ウミトライオンの3機分のプラフスキー粒子を収束して発射する為、使用は合体時のみに限られる。
ヒートウイング
両腕のウイングシールドのエッジ部分を赤熱化して敵を切り裂く近接武器。その切断能力は高く、対戦相手のガンプラを一撃で両断出来る程である。
当初のプランにはなかった武装であるが、製作中にミナトがシールドをいじっていた際に思いついた為、追加された経緯を持つ。
ラプターブレイカー
脚部に備えられたソラトライオンのクロー。
打撃の他、対象をクローで圧壊させる事も可能であり、バトルでは蹴りと同時に繰り出す事で敵機を掴み捕り、バーニアによる加速と回転のエネルギーを加えて投げ飛ばす芸当を見せている。
超咆剣ハイパーミノフスキー
ソラトライオンの頭部とウミトライオンの尾、そしてハイパービームサーベルがドッキングして完成する大型ビームサーベル。
ガンプラ心形流のヤサカ・マオのガンダムX魔王の「魔王剣」が月と太陽からエネルギーを得ていたのに対して、地球の力を利用するイメージで制作されており、放出されるビーム刃は機体全長すら超える。
ハイパーミノフスキー・トライザン
超咆剣ハイパーミノフスキーから放たれる必殺剣。
胸部にあるリクトライオンの頭部から放たれる超咆プレッシャーによって敵の動きを封じ、そこから超咆剣を振って「G」の文字を描くように斬撃を放つことで敵を爆砕する、一刀両断ならぬ三刀G断の必殺技である。
ガンダムドライオンⅢ(ドライ)
ガンダムトライエイジの開発ミッション「砕け!漆黒のトライオン」より登場するバリエーション機。
ティターンズ復活を目論むサイボーグガンダム博士Mk-Ⅱが、何処からか盗みだしたガンダムトライオン3の設計図を基に開発した。
外見上の差異は黒を基調に彩られた装甲と頭部アンテナ程度であるが、その性能はトライオン3をも上回るとされる。
サイボーグガンダム博士Mk-Ⅱは人間であった頃の記憶を頼りに、過去の戦いで心に大きな傷を負った息子をこのドライオンⅢのパイロットにし、機体から発せられる黒ミノフスキー力による治療を目論んでいる。
また、模型雑誌「HOBBY HOBBY イメージングビルダーズ」に於いてサカイ・ミナトが制作した機体が掲載されている。
サカイが見た夢からアイデアが生まれた機体であり、それによると「悪いやつらに盗まれたトライオン3の設計図から誕生し、圧倒的なパワーでトライオン3を窮地に陥れるが、最後は改心して兄さん(トライオン3)を守るために自爆した」という熱い内容であったらしい。
武装はトライオン3を踏襲しつつ武装の頭に「ブラック」が付いている他、本機の超咆剣はトライオン3のそれと比較して粒子圧縮率が高く、必殺剣で切り結べば競り勝つとされている。