「俺は許さない…!融合次元を…アカデミアを!!」
「ああ、分かるよ。分かる、けど……」
概要
榊遊矢が謎の力によって暴走した状態の、ファンからの呼称。
由来は遊矢が初めてこの状態となった回のサブタイトル「逆鱗の覚醒」から。単純に闇遊矢と呼ばれることもあり、ネタ的な呼び方としては「キラー・トマト」「ヘルダーリン」(方中ミエルが遊矢をダーリンと呼んでいることから)などがある。
通常時と比べて目つきが鋭くなり、瞳が赤く発光する。元々特徴的な髪は軽く逆立っており、全身に赤黒いオーラを纏っている。性格も冷酷かつ苛烈なものに変化し、敵とみなした相手を容赦なくたたき伏せるそのデュエルスタイルは、本来の遊矢がめざすエンタメデュエルとは遠くかけ離れたものになってしまっている。その上、オベリスク・フォースとのデュエルでは主人公にあるまじき凶悪な笑みも見せている。
尚、初めて発現した勝鬨勇雄とのデュエルの後「どうして俺はあんなことを…」と落胆していたことから、この状態でも遊矢の意識はある程度残っている様子。
現状では詳しいことはわかっていないものの、いずれも融合召喚を用いるデュエリストとダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴンの2つが鍵となって発現している。また、この状態になる前後で遊矢とユートのビジョンが重なり合う演出がある。実際この演出は2期EDの中で既に流れているので、伏線であったとも考えられる。
これらから察するに、この現象はダーク・リベリオンに宿ったユートの融合次元への憎しみが暴走し、遊矢を乗っ取っている状態であると推測される。実際、オベリスク・フォースのデュエリストがナイト・オブ・デュエルズをカードに封印しているのを遊矢が目撃した際、彼の脳裏に本来ユートの記憶である融合次元がエクシーズ次元を侵略する映像が流れ、これが逆鱗発現に繋がっている。
また、遊矢が暴走した状態のみでダーク・リベリオンを召喚すると、胸や角にある赤い模様が発光しており、それらに関係があると思われる。仮にこれが事実だとすれば、ユートが「デュエルでみんなに笑顔を与えてほしい」と願って託したダーク・リベリオンが遊矢を正反対の状態に引き込んでいるという、とんでもなく皮肉な話になってしまう。
ちなみに、融合次元とは現状無縁の梁山泊塾の塾生相手には感情を出す事はなく、周囲からの支えでこの現象を抑えられるようだが、融合次元から来たオベリスク・フォースには溢れんばかりのドス黒いオーラを纏い、時には怯えを見せ始めた彼等に対して冷たい笑みを零している。
この状態ではダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴンのエクシーズ召喚をする事が多く、ペンデュラム召喚からエクシーズ召喚に繋げる「ペンデュラムエクシーズ」が基本となっており、後にペンデュラムとエクシーズが1つになった覇王黒竜オッドアイズ・リベリオン・ドラゴンをエクシーズ召喚している。
シンクロ次元編
怒りの感情を制御できているようであり、フレンドシップカップにおけるデュエルチェイサー227戦での観客からの罵倒に一瞬片鱗を見せていたものの、直ぐに抑える事で治まる程。しかし、デニスがその正体と行ってきた所業を暴露した際にユートの憎悪が爆発で意識を保ったままこの姿になっている。
フレンドシップカップ準決勝におけるクロウ戦ではロジェの仕掛けた脳への電気ショックによって人為的かつ強引に引き出されている。この状態が起きた際にはユーゴやユーリ達の意識も強制的に同じ状態でリンクし、柊柚子とセレナのブレスレットが発光を起こした。
裏に潜む存在
ユートもかつて同様の状態になったことがあるようで、「俺はもう誰も傷つけたくない…!」と語っている。
この暴走の原因について、方中ミエルが水晶で調べた結果、遊矢の心の中に「二つの心と、その奥にそれらを覆い尽くす様な恐ろしい存在」が潜んでいると告げている。
つまり現状の所、遊矢の身体には遊矢自身、ユートの他に謎の存在が潜んでいる事になり、これの影響によってユートの融合次元やアカデミアへの憎しみが意図的に過剰反応させられている可能性も否定できない。
第37話でのユートとユーゴの暴走の様子から、この謎の存在は遊矢シリーズの中全員に潜んでいる、もしくは関係しているようである。第87話では、暴走状態の遊矢からユーゴとユーリが影響を受けており、デュエルをしている遊矢と同じ台詞・行動を取るという現象を起こしている。
この暴走状態を見たロジェは「榊遊矢が持つ本性・本能」と分析しており、これを利用しようと画策している。ただし、この状態を呼び起こされた際の遊矢の瞳に「謎の開眼によって滅び行く都市」の光景が描写されている。
なお、第1話の時点で遊矢の中に別の存在が確認されており、この存在が好む特徴的な言い回しを暴走状態の遊矢も使用している。