歴史上の人物に関してはラインハルト・ハイドリヒを参照。
概要
CV:諏訪部順一(CS版)/トム・クノレーズ(PC版)
身長:?cm 体重:?kg 血液型:A型 階級:大将
親しい人物 :メルクリウス。
嫌いな人物 :いない。彼は総てを愛している。
聖槍十三騎士団・黒円卓第一位・首領。
魔名は「愛すべからざる光(メフィストフェレス)」。
フルネームは、ラインハルト・トリスタン・オイゲン・ハイドリヒ(Reinhard Tristan Eugen Heydrich) 。
部下からは「ハイドリヒ卿」、副首領カール・クラフトからは「獣殿」と呼ばれる。
元々は第三帝国の高官であり、ゲシュタポ長官にして階級はSS大将。
金髪金眼のイケメンであり、作中では「人体の黄金比」とまで言われている。かつては短髪だったが、現在は腰まで伸びるほどの長髪。
テーマ曲はモーツァルトのレクイエムのアレンジである「Dies irae "Mephistopheles"」
全てを見下すような傲岸不遜な態度をとるが、自分の不徳を素直に認めたり、強敵には賛辞を送るなど謙虚な面もある。しかし、裏を返せば遥か高みから見下ろした王者の目線であり、やはり傲岸不遜には変わり無い。
その言動は実力も相まって高いカリスマ性を持ち、黒円卓の面々も殆どが彼に心酔もしくは畏怖している。
なお一応既婚ではあるが、ラインハルト曰く「女は駄菓子」らしく、特別視している訳では無い。
座右の銘は「死を想え(メメント・モリ)」。
来歴
史実通り、あの高官の下で出世し、ついには総統閣下の信厚きゲシュタポ長官となる。
そんなラインハルトはどんな事も容易く出来てしまうが故に、達成感が無い「餓え」にも似た物足りなさを感じていた。
ある時、ラインハルト・ハイドリヒSS中将(当時)は、総統暗殺未遂事件に関わったらしい、とある容疑者への尋問を直接行う機会があった。
その容疑者の名は占星術師(詐欺師)カール・クラフト。
本来ならば自分を通さずに即処刑されるであろう人間。なのにどういう訳かラインハルトは彼に会いに行ってしまった。
最初はただの詐欺師と侮ってみていたラインハルトだったが、その男はラインハルトの「餓え」をいとも容易く看破し、「貴方は本気を出していない」と諭してきた。
この物足りない世界に心底飽いていたラインハルトは、カール・クラフトの言葉に耳を貸す。ラインハルトは永劫破壊(エイヴィヒカイト)を教授されて人を超越した存在となり、この世界の残酷なまでの真実、すなわち「既知感」という名の牢獄(ゲットー)の存在を知らされる。
そうして彼らは「自分を満足させる機会(未知)を与える」という約束と固い友情を交わす。
メルクリウスとラインハルトによる既知感談議
カール・クラフトとの出会い以後、1942年に自らの死を偽装して身を隠し、聖槍十三騎士団を魔人の集団に作り変える。大戦の裏で「既知感に囚われた世界法則(ゲットー)」を超越すべく、団員に自国敵国の人間問わず殺戮を行わせ、魂を集めていった。
そして、大戦末期のベルリンで市民を生贄にイザークを核とした創造の永久展開の法を行い、三騎士と共にこの世界から姿を消す。
半世紀後、日本の諏訪原市で現世組の団員に黄金練成の法を実行させ、現世へと帰還しようとしている。
思想
「全てのものを平等に愛しているが、破壊でしか愛を表現できない」というかなり破綻した価値観を持っている。
とはいえ、彼の根底にあるものは「総てを全力で愛したい」という考えのみなのだが、本人にとっても周りにとっても迷惑な事に、強大すぎる彼の手で愛されたものはみな壊れてしまう。
故に、ラインハルトは愛しい万象を傷付けないように、この世のあらゆるものに「下らない物」というレッテルを貼り付ける事で、自らの愛から遠ざけていた。
自らの渇望を無理やり封じ込めている状態なので常に「飢え」を感じて生きていたが、カール・クラフトとの出会いを期に「破壊する事を恐れて愛さないのは、愛し子らをないがしろにしていることではないか?」と考えを改め、ある意味開き直って壊してでも愛する事を誓う。
ちなみにラインハルトの根本にあるのは「愛」なのだが、ラインハルト自身が「この世が下らないから全力を出す機会が無くて退屈している」という風に誤認しており、作中では「全力を出したい」という部分だけが語られることが多い。
なお、この思想は抱きしめたがりのマリィとよく似たものとなっており、あちらも触れれば首を刎ねるという呪いを帯びており、全力で愛する事ができない。ただし、「次こそは幸せに」と未来に願ったマリィに対して、「壊したいけど壊れないでほしい」と現状維持を願ったラインハルトではやはり大きく違う。
また、藤井蓮からすればラインハルトは死に比重を置き過ぎている(すなわち生を大事にしてない。なくならないので価値は無い)為、相いれない存在である。
とはいえ、互いに「この好きな一瞬で時間が止まればいい」「壊したいけど壊れないでほしい」と現状維持する願いを持っている為、ある意味似た者同士である。
能力
聖遺物は武装具現型の「聖約・運命の神槍(ロンギヌスランゼ・テスタメント)」。
伝説に伝わるロンギヌスの槍その物であり、位階はエイヴィヒカイトの最上位である「流出」。聖遺物を全て操れる藤井蓮ですら、この規格外の聖遺物を動かす事はできない。
「殺した相手の魂を吸収し、不死の奴隷として自身の軍団(レギオン)に加える」「聖痕を刻むことで刻んだ相手が殺した者も自身の軍団(レギオン)とし、自身と同化させる」という能力を持つ。
吸収した魂全ての経験を共有し、聖痕を刻んだ者であればその者の創造を使用する事も可能である。また、一振りで都市一つを吹き飛ばす事も可能な凄まじい攻撃力を持つ一方、ラインハルト本体は数百万の魂を内包してる事でヴァレリア・トリファ同様の破格の防御力も有している。
聖槍がラインハルトの聖遺物である理由は、正体の項目を参照。
創造は覇道型の 『至高天・黄金冠す第五宇宙(グラズヘイム・グランカムビ・フュンフト・ヴェルトール)』。
「全力を出す機会が欲しい」 という渇望を具現化し、ラインハルトが全力を出すための場である「城」を創造する。武装親衛隊を中心とした兵員を召喚する事が可能となり、城の中で死んだ者を戦奴に加える事ができる。
ちなみに、武装親衛隊はその体に付けた血液型の入れ墨がカール・クラフトの術式だった為に戦奴として取り込まれてしまった。
以下特大ネタバレ
流出は『混沌より溢れよ怒りの日(ドゥゾルスト・ディエスイレ)』。
「全力を出したい」「総てを愛したい」という渇望を元にした「死者の軍勢を率いる」 能力。
破壊と愛を切り離せないラインハルトが、総てを全力で壊(アイ)す為に、 永劫の闘争によって天地万物を破壊しつつ、破壊しても喪わないように死者(破壊した者)を蘇生させ、己の軍勢として率いる法である。
世界を修羅道の理で染め上げる事になるのだが、絶えず戦争が続く気の休まらない世界で何回死んでも何回でも蘇らされるという地獄になるので、(一部の戦闘狂を除けば)一般人にとって迷惑極まりない。
なお、この恩恵を受ける者は疑似的な神格(疑似的な流出位階)を有し、ラインハルトが健在な限りは不死の戦力となる。
作中で召喚された武装親衛隊は「第8SS騎兵師団(フロリアン・ガイエル)」、「第9SS装甲師団(ホーエンシュタウフェン)」、「第10SS装甲師団(フルンツベルク)」、「第12SS装甲師団(ヒトラーユーゲント)」、「第24SS山岳猟兵師団(カルストイェーガー)」、「第36SS武装擲弾兵師団(ディルレヴァンガー)」等。
プロローグに登場したヴァルター・ゲルリッツ曹長も螢ルートでちゃっかり指揮官として登場してたりする。
なお、武装親衛隊以外にもマルセイユ等が城に取り込まれている。
正体
その正体は、当代の神であるメルクリウスの自滅因子であり、Diesiraeの表のラスボス。
メルクリウスの「死にたい」という願いによって生じた存在であり、神殺しの宿命を背負っている。
ラインハルトが万物を「愛そう」とすると「破壊」してしまうのは、メルクリウスを殺すという宿命に基づいている。また、メルクリウスに近い存在であるので、彼の「既知感」を色濃く受けてしまい、それが作中での「飽いている」状況をもたらしている。
自滅因子(アポトーシス)は癌細胞とも呼ばれ、宿主と一蓮托生であり、互いに疎ましく思いながらも惹かれ合ってしまう存在である。
ラインハルトとメルクリウスが何かの理由で争うと、実力が劣るラインハルトには補正がかかって戦いが拮抗するようになり、必ず共倒れとなる。その為、どうやってもラインハルトが神座に至る事は有り得ない。
その上、メルクリウスが死にかけると流出で世界を回帰させてしまうので、ラインハルトとメルクリウスが争うまでが既知世界の「区切り」となっている。
作中ではこの辺りの事を、メルクリウスが巧妙に隠してラインハルトを「都合よく」利用している。
その為、ラインハルトが唯一愛していなかった存在を自覚できるか、双首領の意見が割れるかどうかが物語の展開に大きく関わってくる。
メルクリウスにとってラインハルトは、藤井蓮&マリィへの当て馬であり、(蓮とラインハルトの覇道激突で)マリィを自分の元まで連れてくる為の駒に過ぎないのだが、「疎ましく思いながらも惹かれてしまう親友」なので彼の「全てを全力で愛したい」という願いも(メルクリウス自身が愛されない程度に)叶えたいと考えている。
名言
私は総てを愛している
ラインハルトの代名詞とも言える台詞。
その言葉の通り、彼は総てを愛しているのである。
例外もいたが、それすらも愛するのがラインハルトである。
私は今、生きている!
ラインハルトの気分が最高潮にまで達した際に発した台詞。
のちに相州戦神館學園八命陣の龍辺歩美が用いたりしている。
エイメン
下の流出詠唱の締め括りの部分。玲愛ルートでの詠唱の発音が該当する。
玲愛ルートの詠唱自体が非常にノリノリであり、特に締めのエイメンがあまりに力強くカッコいい渋声だった為にファンからネタにされていた。
妙なる
本来の読み方は「たえなる」なのだが、玲愛ルートの流出詠唱では「みょうなる」と誤読してしまっていた。
一応ノリノリの詠唱のカッコよさで誤魔化されてはいるのだが、やはりファンからネタにされていた。
飽いていれば良い、飢えていれば良いのだ
終盤、××××・××××××との会話でラインハルトが発した台詞。
ラインハルトにとって非常に重要な一言である。
詠唱
創造
その男は墓に住み あらゆる者も あらゆる鎖も
Dieser Mann wohnte in den Gruften, und niemand konnte ihm keine mehr,
あらゆる総てを持ってしても繋ぎ止めることが出来ない
nicht sogar mit einer Kette,binden.
彼は縛鎖を千切り 枷を壊し 狂い泣き叫ぶ墓の主
Er ris die Katten auseinander und brach die Eisen auf seinen Fusen.
この世のありとあらゆるモノ総て 彼を抑える力を持たない
Niemand war stark genug, um ihn zu unterwerfen.
ゆえ 神は問われた 貴様は何者か
Dann fragte ihn Jesus. Was ist Ihr Name?
愚問なり 無知蒙昧 知らぬならば答えよう
Es ist eine dumme Frage. Ich antworte.
我が名はレギオン
Mein Name ist Legion―
創造
Briah―
至高天・黄金冠す第五宇宙
Gladsheimr―Gullinkambi fünfte Weltall
流出
怒りの日 終末の時 天地万物は灰燼と化し
Dies irae, dies illa, solvet saeclum in favilla.
ダビデとシビラの予言のごとくに砕け散る
Teste David cum Sybilla.
たとえどれほどの戦慄が待ちうけようとも 審判者が来たり
Quantus tremor est futurus, Quando judex est venturus,
厳しく糾され 一つ余さず燃え去り消える
Cuncta stricte discussurus.
我が総軍に響き渡れ 妙なる調べ 開戦の号砲よ
Tube, mirum spargens sonum Per sepulcra regionum,
皆すべからく 玉座の下に集うべし
Coget omnes ante thronum.
彼の日 涙と罪の裁きを 卿ら 灰より 蘇らん
Lacrimosa dies illa, Qua resurget ex favilla
されば天主よ その時彼らを許したまえ
Judicandus homo reus Huic ergo parce, Deus.
慈悲深き者よ 今永遠の死を与える エィメン
Pie Jesu Domine, dona eis requiem. Amen.
流出
Atziluth――
混沌より溢れよ怒りの日
Du-sollst――Dies irae
関連動画
以下さらなるネタバレ
他作品での活躍
マリィルートのifの続編である神咒神威神楽でも過去の神格として数度語られる。
名称は黄金の獣・修羅道至高天。
彼自身を負かした黄昏の女神の治世を受け入れて、その世界の一人の人間として生きていた。
そこに突如波旬という邪神が現れた事で、総軍を再招集し、女神防衛の為に出陣する。水銀の蛇、永遠の刹那と共に、互いを励まし合いながら規格外の邪神相手に健闘した。
しかし、三柱の連携を煩わしいと思った邪神に、最速の願いを知らぬと踏破され、当たれば砕くものを押し潰され、焦がす炎を無視され、他のあらゆる手を打ったその総てを塵と断じられ、黄金の獣はいとも容易く八つ裂きにされてしまった。
だが、彼の残した聖遺物『聖約・運命の神槍』は次代に覇道を教える事になり…。
また、黄金の忠臣である最後之修羅は天狗道の中でもただ一人黄金の遺志を継ぎ…。
相州戦神館學園八命陣では、作中の格ゲーのキャラクターとして登場。
大杉栄光が使用したが、龍辺歩美のシュピーネさんに無双されてしまった。また、作中では度々「私は今、生きている!」等のラインハルトの名言が飛び出す事も。