概要
身長:五尺四寸(163.64cm) 体重:十三貫四斤(51.15kg)
B:八十六 W:五十九 H:八十五
本名は久雅竜胆鈴鹿(こが りんどう すずか)。
神世創生編のヒロインであり、東征軍総大将。
他の登場人物からは「竜胆」「烏帽子殿(えぼしどの)」と呼ばれる。
覇吐からは最初は「竜胆」、のちに「鈴鹿」と呼ばれるようになる。
勝気で凛とした性格の持ち主であり、その男のように激しい気性から「久雅の鬼姫」の異名を取るほど。真面目な堅物であり、一度言い出したら聞かない頑固者でどんな逆境でも諦めない強い意思を持つ。
自己愛のみで満たされた天狗道において、彼女だけが五徳からなるまともな感性と他者愛、そして覇道の気質を持っている。 それ故に狂気の世界でただ一人まともな彼女が、逆に狂人扱いされてしまっており、彼女の側も周囲とのズレに葛藤している。
モチーフは、室町時代の紀行文『耕雲紀行』や御伽草子『田村の草子』などの物語に登場する伝説上の女性である鈴鹿御前。
能力
歪みを一切持たない。
不二の地下遺跡にてとある人物の所持していた伝説の槍に触れた事で、黄金の覇道と咒を取り込んだ。
これにより、「天魔覆滅」という「旧世界の言語を読み取る」異能を手に入れる。
旧世界の存在である夜都賀波岐は現在の神に敗れた敗者であり、かつての名で呼ばれると(本来は存在できない為に)大幅に弱体化してしまう。
以下ネタバレ
正体
その正体は坂上覇吐(厳密には覇吐の本体である畸形嚢腫)の自滅因子。
自滅因子は宿主を滅ぼすまでは死ぬ事はなく、作中の不破之関の戦いで一度死んでいるにもかかわらず、死体として行動を続けていた。無論、対存在であるので宿主の覇吐が死ねば、竜胆も死ぬ。
のちに竜胆は愛する覇吐を破滅させまいと彼の側を離れることを選択するが、これもまた覇吐を死に導く行動に繋がってしまう。
彼女が天狗道に生まれないはずの覇道の気質を持ち合わせているのは、「外に出れば死んでしまうけれど、それでも出たい」という覇吐と畸形嚢腫の自壊衝動が転じて「世界を広げたい」という覇道の渇望として機能していたから。
この渇望は自壊衝動が元になっているために、無自覚ながらも彼女の行動の悉くが覇吐を破滅する方向に結びついてしまっている。東征自体も見方を変えれば、「覇吐を死地に駆り立てる」「穢土を滅ぼして天狗道を完成させ、覇吐を神の前に引きずり出す」という覇吐を死に導く行動に他ならないのである。
天狗道の中で唯一の覇道を持つ竜胆は、世界を救いうる唯一の光であった。だが、その光は愛する者と共倒れになるだけの処刑者でしかなかった為に、当の竜胆は「こんな冷たい光があるか」と悲嘆した。
しかし、彼女が自滅因子としての宿業を乗り越え、覇吐と共に生きていくことを選んだと時、真の覇道が誕生する事になる。