概要
CV:日椰たぬき
摩多羅夜行の式神。陰陽道の歴史において最高位の霊格を持ち、夜行にしか使役できない大英雄。
夜行に絶対服従の身であるため、彼の命がなければ際立った行動ができない。これは単純な主従関係によるものではなく、一種の咒として機能しており、たとえば夜行の意志と関係ない行動を起こした場合、本来の実力を一割も発揮できない。ある意味、夜行の庇護下においてのみ存在を許されている異物と言える。
本来は爾子と二人で一つの存在だが、「その状態が醜い」という夜行の勝手な理由により、童子の姿に固定されている。
「陰であり陽であり、中性という概念を唯一持ち得る童子こそが、すなわち太極を表す黄金律の具現であることはもはや疑いようもないゆえに、丁禮こそ間違いなく誰よりも美しいと、確信をもって断言できる。」とは変態な主人談。
性格は端的にいえば生真面目。色々とダメな主人や相方に苦労しつつも、自らの責務を全うする非常にできた人物。しかし何故か特別因縁のあるわけではない凶月兄妹だけは苦手としている。
戦闘能力
二身で一体となる式の陽。武術の腕だけでなく、方術、学問、あらゆる面で陽に属する総ての技能が五等級相当の達人域。
単体でも強力だが、爾子に跨ることで神速の異能まで付加される。
異能
『修羅曼荼羅・犲狼』(しゅらまんだら・さいろう)
「誰にも触れられたくない」という渇望を具現化した爾子と丁禮の理。絶対速度の理であり、運動という概念に付随する様々な物理現象を完全に制御することで音速を遥かに超えた超速度を実現することができる。この能力を使うときには、爾子と丁禮は一つになって本来の瞳から血を垂れ流す巨大な狼の姿へとなる。
正体
前作、diesiraeの登場人物、ウォルフガング・シュライバーの転生体。
精神的に不安定であった彼の男性面の転生体が丁禮であり、女性面の転生体が爾子である。
刑士郎と反りが合わないのは端的に前世の因縁。
咲耶のことが嫌いなのは、自分の母君に似ていることを無意識に感じ取っていたから。
異能である『修羅曼荼羅・犲狼』はかつての彼らの創造『死世界・凶獣変生』が元となっているが、この力は生前のそれよりも遥かに劣化しており、具体的には絶対速度に付随する絶対回避の能力を失ってしまっている。また、その渇望故に触れられれば砕け散る属性を帯びており、致命的な弱点となっている。
もっとも、彼らの渇望の根源にあるのは「誰かに抱きしめられたい」という矛盾した想いであるため、それを自覚した丁禮と爾子にとって、その劣化を悔やんではいないようである。
本来ならば天狗道に取り込まれた時点で霧散するはずだったが、強固な魂を持つが故に何とか魂を保ち、漂っていたところを夜行に拾われ彼の式神となった。その際に前世の記憶を失っていたが、一度穢土に取り込まれたことをきっかけに記憶を取り戻す。しかし、それでも夜行に対する忠は変わらず、彼や御門家を信じてあくまで東征軍の一員として戦い続けた。