機動警察パトレイバー
きどうけいさつぱとれいばー
ハイパーテクノロジーの急速な発展とともに、あらゆる分野に進出した汎用人間型作業機「レイバー」。しかし、それはレイバー犯罪と呼ばれる新たな社会的脅威をも生み出すことになった。連続するレイバー犯罪に、警視庁は本庁警備部内に特殊車両二課を創設してこれに対抗した。通称「パトレイバー」の誕生である。
――TVアニメ版オープニングより
概要
大元はゆうきまさみら「ヘッドギア」の「企画ごっこ」から始まった作品。初期OVAのスポンサーが富士フィルムであったため、玩具化のためにデザインやストーリーにかかる制約から外れる事ができ、コメディ的な展開(劇場版等を除く)ながらも、
- (時にはレイバーそっちのけで進む)人間ドラマに重点を置いたストーリー
- モノトーンなカラーリングや建設機械的なデザイン
- ソフトとハードの面から見たロボット、現場やメーカー同士の軋轢、整備班の存在等、レイバーの産業機械としての設定
等が当時としては先見的、現実的であったため人気を博し、現在になっても立体化等の企画が進行している。
メディアミックス展開を導入した最初期の作品でもあり、パラレルワールド的に描かれる各作品では主役の特車二課のメンバーも一部異なったりしている。
シリーズ
- 漫画版(週刊少年サンデーにて連載)
- 初期OVA
- 劇場版第1作 - 『機動警察パトレイバーtheMovie』
- TVアニメ
- 後期OVA - (TVアニメの続編)
- 劇場版第2作 - 『機動警察パトレイバー2theMovie』
- 劇場版第3作 - 『WXIII 機動警察パトレイバー』(漫画版の一エピソードである『廃棄物13号』を主題とした内容で、特車二課の皆さんは脇役)
- ミニパト - (劇場版3と同時公開の短編アニメーション。手間のかかった人形劇。全3編で構成され、それぞれ後藤隊長、シバシゲオ、南雲隊長がナレーションを務める。内容はひたすらにマニアック)
- The Next Generation -パトレイバー-(TNGパトレイバー) (2014年より始まった実写版シリーズ。設定はTV版及び劇場版二作目の延長線上にある。また時代設定はWXIIIと同じで近未来ではなく、制作当時の現代になっている)
- TheNextGeneration-パトレイバー-首都決戦 (実写版シリーズの完結編。長編劇場版)
初出は漫画版だが、OVAありきの企画だった為、原作はOVAというべきである。
ロボットに乗るお巡りさん達が繰り広げるバラエティ豊かなエピソードが揃う一方、劇場版はいずれも他作品かと見紛うほどのシリアス路線。警察機構によるロボットの運用に際して起こり得る様々な事柄を題材としており、リアルロボットものとして必ずその名が挙がる作品。
初心者には、主人公が特車二課にやってくるところから始まる初期OVA・漫画・TVアニメシリーズがオススメである。
『踊る大捜査線』に強く影響を与えており、同作の監督である本広克行は「パトレイバーは『踊る』の教科書です!」と語っている。
実際に類似点が随所に見られ、特にお台場閉鎖と橋の封鎖が重要な要素となった『THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』は、劇場版第2作の影響が強い。さらに『交渉人 真下正義』に至っては、犯人像が劇場版第1作のコピー&ペーストと言ってよく、システムハッキングにより東京全域を混乱させたばかりか、既に死人である上にシンボルがカラスと、何から何まで帆場英一とそっくりである。