概要
警視庁警備部特殊車両二課第2小隊に所属する警官。
一号機バックアップ(指揮担当)で、泉野明のパートナー。
声:古川登志夫
ひねくれ者で口が悪く、冷めた性格をしているが、実は繊細な面も持つという面倒くさい青年。
きっかけ次第ではひとつの物事にとことん突っ走ってしまうという、よく言えば熱心で我慢強い、悪く言えば視野が狭く頑固な面もある。
実はレイバー製造の最大手・篠原重工の御曹司で、コンピューターやレイバーに関する知識が深く、整備士とも専門的な会話を平然とこなすなど技術面にも詳しい。
基本的に単純でまっすぐな性格をしており、ソフトに弱くハードに強いという野明とは、性格も得意分野も正反対だが、それゆえか良いパートナーとなっており、優れたチームワークを発揮する。
面倒くさい性格だが、野明に対しては細かい心遣いをみせることもある。
しかし、自分は操縦しないくせに無茶な指示ばかり出すためか、やっぱり度々衝突する。
また、頭ごなしに物を言ってくる相手や、理の通じない相手を無意識に見下しており、一回話して通じなければ自分の考えを相手に理解してもらうのを諦めてしまう傾向がある。
そのくせ、事件の周囲への影響や背景を深読みして最悪の事態に備えようとする慎重な部分も持ち合わせ、かつ相手にも(自分の言葉足らずな部分は棚上げして)それを期待してしまう為、とりあえず、何も考えずに対症療法で物事を解決してしまおうとする傾向の強い太田との相性は最悪。
原作では、野明とぎくしゃくしてしまった際に後藤隊長の采配で熊耳と交代し太田機の指揮を執ったこともあるが、任務中に言い合いになるなど仕事にならず、熊耳が後藤に直接「メンタルヘルスを無視して能率が落ちるんだったら意味がないです」と直談判するほどだった。
そんな太田の事を「無神経で粗暴」と見下しているが、古風な質ではあるもののフェミニストかつミーハーな太田より、異性に関しては遊馬の方にこそやや男尊女卑の傾向がある。
野明にデリカシーのない発言をしては怒らせたり擦れ違になる原因を作り、新OVA版では太田に「デリカシーってもんがないやつだな」と言われ、売り言葉に買い言葉で「意味解って言ってんのか」と感情的に言い返す一幕もあった。
「実家」である篠原重工との関係は複雑なものがあり、兄が死去した過去と絡んで、社長である父親とは相当に深い確執がある様子を見せる。
社長の息子と言う立場も周囲に知られるまで黙っていたようで、レイバーに詳しい所を後藤から「門前の小僧ってやつか?」と言われた際には不愉快そうにしているなど、篠原社長の息子という立場を表に出したがらず、特車二課の人間も触れないようにしている。これが表面化して拗れると、周囲にどれだけの惨状を巻き起こすかは小説版2巻シンタックスエラー収録『父の息子』、漫画版『とげとげしい3日間』に詳しい。
こうして「社長である父が運営する篠原重工」とは距離を置こうとしている割に、古参の工場長でもある実山常務など親しい間柄の社員には身内として裏事情を聞き出そうとしたり、息子として社長室に突撃して父に直談判を図るなど、都合の良い時には「警察官であり社長の息子」という立場を利用しようとする屈折した態度を取っている。
劇場版第2作の時点では、本庁に新設された装備開発課に野明と共に転属し、篠原重工八王子工場に出向している。データ収集用の実験機となって篠原に戻った懐かしき98式の姿をたびたび見に来たりしていた。小説版によれば、野明とは「清い付き合い」を続けているらしい。
この劇場2作目のノベライズでは、ギャンブルが上手いという姿も見せている。
外部の人間に対して支給される「一回限り、社食を食べ放題の食券」を賭けた勝負では「野明がシミュレーションで突発的な事態(不意に足元に飛び出して来る猫)を回避できるか」という内容で胴元の真似事をし、かなりの枚数を稼いでいた模様。
ちなみに篠原の社食は質も量もかなりハイレベルらしく、食料事情が悲惨を極めていた二課から転属してきた直後の遊馬と野明は狂喜乱舞した後に餓鬼と化し、文字通り夢中で貪り食っていたという。
実写版
冒頭の回想シーンで少しだけ登場。
黒田隆太が演じているが、顔は見えない。
シバシゲオに「能書きばかり垂れるが一人では何も出来ない」と評されていた。
警察を退職し、篠原重工のレイバー開発主任となっている。
ストーリーを追うごとに深まっていた野明との仲は続いており、同じく警察を退職して篠原重工専属のテストパイロットとなった彼女とは、「公私に渡るパートナー」となっているらしい。