概説
将軍に代わり政治を執り行う鎌倉幕府の最高執政官である。ほぼ同格の役職として連署がある。代々、北条氏の人物が就任した。
元は幕府において恩賞や所領安堵、民政や財政を司った政所の長官、政所別当の別名であった。二代執権・北条義時が侍所別当和田義盛を滅ぼして、軍事を司る侍所の長官、侍所別当の権限を吸収する。さらに、三代将軍・源実朝の暗殺によって将軍が名目的な摂家将軍に代わってからは、将軍の権限も縮小する。こうして執権は鎌倉幕府の最高権力者となった。
しかし執権とて北条氏という武士の一族の一員である以上、当時の慣例としては一族の惣領には従わなくてはいけない。五代執権・北条時頼は、北条氏惣領、すなわち得宗の地位を維持しかつ後継者に北条時宗を指名したまま北条長時に執権の地位を譲る。これによって執権は得宗の意向を実行する傀儡へと地位を低下させていった。
歴代執権
☆は得宗
★は連署経験者
△▽は六波羅探題経験者(△:北方 ▽:南方)