そこは、動物たちの〈楽園〉……のはずだった。
概要
ディズニーの長編CGアニメーション映画。
2016年3月4日公開(日本は4月23日公開)
監督は『塔の上のラプンツェル』のバイロン・ハワードと『シュガー・ラッシュ』のリッチ・ムーアが共同でつとめ、脚本家が7人という超団体作業で制作にあたっており、『ベイマックス』『アナと雪の女王』『ボルト』などを手がけたディズニーを代表するクリエイター達が全員結集し、新たなテーマに挑んだ意欲作である。
タイトルは『ZOO(動物園)』+『Utopia(理想郷)』。
多種多様な動物たちで構成された「ズートピア」は、多民族国家である「アメリカ合衆国」の象徴となっている。
種族の異なる動物たちで成り立っている社会を舞台に、アメリカにおける人種問題や差別(レイシズム、性差別)、ステレオタイプな偏見による「決めつけ」を行うことの危険性、無知からくる誤解、政治の実情などをエンターテインメントを通して描き出し、高い評価を受けている。
すべての登場人物がいわゆる「ケモノ」として描かれていることから、ケモナーを自認する人々を瞬く間に虜にしたのはもちろん、かわいらしい見た目とシリアスな舞台設定が織り成す奥行きのある世界観でさらに多くの人々を魅了中。キャラクターのしぐさや振る舞いは、モデルとなった動物の生態を忠実に取り込んだもので、時には思わぬギャップに驚かされることも。
主役であるウサギとキツネは本来、獲物と捕食者という関係であることから、欧米では知恵比べのライバルのように扱われており、そんな二人をコンビとして描いたバディ・ムービーであるという点を考えて観てみるのも面白いかもしれない。
あらすじ
動物たちの〈楽園〉ズートピアで、ウサギとしての初の警察官になったジュディ。でも普通、警察官になるのはクマやカバのように、大きくてタフな動物ばかり。小さなウサギである彼女は半人前扱いで、いつも命じられるのは駐車違反の取り締まり。
しかし落ち込んでいたジュディにも、ついに本格的な捜査に参加するチャンスが到来する!
ただし、事件の解決までに与えられた時間はたったの48時間。失敗したらクビになり、「よりよい世界を作りたい」という幼い頃からの夢も消えてしまう。
頼みの綱は、事件の手がかりを握る詐欺師のキツネ、ニックだけ。
相棒と呼ぶにはあまりにチグハグな二人は、互いに騙し騙されながら、連続する行方不明事件の捜査を開始する。だが、その事件の背後にはズートピアを狙う大きな陰謀が隠されていた……。
「ズートピア」と「アメリカ」
上述のようにズートピアはアメリカ合衆国の内情を描いているため、アメリカ人から見ると「アメリカあるある」ネタが満載となっている。
英語では「キツネのように狡賢い(sly as a fox)」という言葉があるため、キツネは信頼してはいけない動物と言われる。
これは、その人種は「全員」がそうである(例として、「アジア人=数学が得意」「黒人=歌とダンスが上手い」「日本人=真面目」「ドイツ人=勤勉」「イギリス人=紅茶が好き」など)という人種に対する決めつけ=レイシャル・プロファイリング(Racial Profiling)に通じるが、ニックが「詐欺師のキツネ」であることはこの問題の比喩にもなっている。
登場キャラクター
- ベンジャミン・クロウハウザー(CV:高橋茂雄)
- レオドア・ライオンハート市長(CV:玄田哲章)
- ドーン・ベルウェザー副市長(CV:竹内順子)
- マンチャス(CV:多田野曜平)
- マクホーン巡査(CV:遠藤純一)
- ジェリー・ジャンボー・ジュニア(CV:遠藤純一)
- マイケル・狸山(CV:芋洗坂係長)
- プリシラ(CV:近藤唯)
- アングリームース(CV:厚切りジェイソン)
関連イラスト
関連動画
「ズートピア」動物たちが人間のように暮らす<ズートピア>とは?
予告編
「ズートピア」主題歌♪トライ・エヴリシング
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