概要
アニメ映画『君の名は。』の物語の舞台のひとつでもある、宮水三葉が暮らす架空の町。
モデルは長野県の諏訪湖がある諏訪市(長野県は同作の監督を務めた新海誠氏の出身地でもある)。
設定
岐阜県飛騨Z郡にあり、かつて隕石落下によって形成された糸守湖を中心に町が形成されている。人口は約1500人。町長は宮水俊樹。
自然豊かだが、周囲を山に囲まれた盆地にあるため日照時間は短い。
北側は山岳地帯になっており、湖との間の平地に住宅と田畑が広がる他、宮水神社や四葉達の通う小学校がある。
南部は町の中心部として発展し、町役場や商店街、三葉の通う糸守高校がある。
電車は2時間に1本、バスは1日2本と交通の便は悪く、学生は殆どが徒歩か自転車で通学する。
町内に本屋や歯医者、喫茶店はなく、コンビニも24時間営業ではなく21時閉店で、スナックは二軒あるなど、町内の商店事情は偏りが見られる。
また地域性は狭く、ほとんどの住民が互いに顔見知り。
町内全域に同報系の防災無線が整備されており、朝夕に作動試験を兼ねて”役場からのお知らせ”が流されている(この放送は、早耶香の姉が行っている)。
町への電力供給は中部電力が担当し、山間部に同社の変電所が存在する。
文化
集落としての歴史は古く、少なくとも千年以上前にはそこに人が住み始めていたとされている。
宮水神社は倭文神建葉槌命(しとりのかみたけはづちのみこと)を祭神として祀っており、口噛み酒が巫女によって作られ、神に奉納される。
またこの土地には龍神伝説も残っており、巫女装束の飾りは龍を象っている。
宮水神社の御神体は神社の北部の山にあり、すり鉢上になっている頂上中央の巨石が祠になっている(この御神体もかつてこの地に落下した隕石である可能性があるが、劇中では特に説明はなく、真相は不明)。
古来からの記録は江戸時代に起こった「繭五郎の大火」によって多くを焼失しており、現代に続く伝統は口頭によって伝えられたものを当時の人達が再現し、代々受け継いで来たものである。
産業
過去に落下した隕石に含まれる隕鉄により、かつては鉄が産出されたため製鉄が盛んだったが、現在では廃れている。
今は特段の特産品はないが、長い歴史を持つ組紐が伝統品として残っている。
この地域の土建関連は勅使河原建設が担っている。
糸守町の主な住人
宮水家
宮水俊樹
宮水二葉(故人)
その他
克彦の父
関連項目
以下、ネタバレ注意
実は糸守町は、物語開始の3年前の秋、2013年10月4日20時42分にティアマト彗星から分裂した隕石落下の直撃を受けるという未曽有の災害に見舞われていた。
地球に最接近するまで彗星が分裂することは誰も予想できず、分裂した部分には岩塊が潜んでおり、糸守町に落下。落下地点は宮水神社付近で、その日は神社で秋祭りが催されていたために大勢の人々が集まり、被害が集中。結果、住民の3割以上の約500人(その中には三葉、四葉、克彦、早耶香なども含まれていた)が死亡。
落下地点の周囲1kmが一瞬で壊滅し、巨大なクレーターが形成され、湖は円形からひょうたん型へと変形。町の南部は被害が少なく町民約1000人は助かったが、最早再生不可能なほどの甚大な被害を被り、転出者が相次いだために自治体維持も困難となり、「糸守町」という町そのものが地図から消滅する(おそらく周辺自治体に吸収合併されたと思われる)という事態になった。
瀧が訪れた時には、糸守町のあった場所は立ち入り禁止区域に設定されており、災害当時の状況が手つかずで残されているという見るも無残な光景が広がっていた。
その後瀧と三葉の時空を超えた奮闘により、隕石落下の直前に、避難訓練という名目で町の全住民を隕石落下の影響を受けなかった糸守高校へと避難させ、町の消滅の危機から救い出すことに成功している。しかし、隕石の衝突=町の消滅という事実そのものは変わらなかったため、こちらの時間軸においても行政地区としての糸守町は消滅し、すべての住民も国の主導した移住プログラムにより町を後にした模様。
余談
ティアマト彗星が地球に最接近(および糸守町に落下)した10月4日は、奇しくも『君の名は。』が累計動員数1000万人を突破した記念すべき日でもある。