概要
JR阪和線の快速・区間快速が、起点となる天王寺を出て初めて停車する駅がこの堺市駅である。
1932年2月2日に、阪和線の前身・阪和電気鉄道の停留場として開業し、12年後に鉄道省に買収されてから駅に昇格し、この際、まず「金岡」駅と改称した。1965年3月1日に現在の堺市駅に戻されている。
その名の通り、堺市堺区東雲西町に所在し、国鉄時代の時刻表では堺市の代表駅として取り上げられていたが、堺市の中心は西へ行った南海高野線の堺東駅と、さらに西にある南海本線の堺駅であり、現在は堺東駅が市の代表駅となっている。
その実、当駅は旧日本陸軍の騎兵第4連隊および輜重兵第4大隊の練兵場が、同市北区の前身自治体のひとつ・南河内郡金岡村へ移転されるのに合わせ、同練兵場の西側に設置されたもので、堺駅や堺東駅のような、開業当初から堺市街の西玄関・東玄関を担うような駅ではなかった。堺市駅が隆盛を極めだしたのは戦後のことで、旧・騎兵第4連隊および輜重兵第4大隊の練兵場の跡地を再開発しての宅地造成、さらには金岡団地・新金岡団地の造成により利用客が急増した。1987年に大阪市営地下鉄御堂筋線がなかもず(正式には中百舌鳥)駅に延伸され、金岡団地・新金岡団地の最寄駅として新金岡駅が開業した際には、天王寺・なんば(JR難波)・梅田(大阪駅)方面に直通する関係で、まとまった利用客がそちらへ流れたが、1994年に大阪駅に乗り入れる関空快速が運行を開始してからは持ち直し、今では乗車人員がともに1万人台前半で推移するなど、使い分けられている様子がうかがえる。
快速以下の全列車が停車する一方、特急は通過するが、1965~67年にかけて存在した名古屋~東和歌山(現・和歌山)間の特急「あすか」号が停車した実績もある。
駅構造
駅番号:R-09
相対式2面2線の地上駅である。
駅前のバス乗り場は、駅西側に集約されており、現在は一般路線に限ると南海バスのみが乗り入れ、東は御堂筋線の新金岡駅や同・北花田駅、もしくは近鉄南大阪線の河内松原駅への路線、西は堺東駅や堺駅への路線がある。
またこの駅のみ、バス停の名称はJRを使わず「阪和堺市駅前」となっている。ただし前面行き先表示などにある英文表記では「JR SAKAISHI STN.」である。
余談
- 全国にある「○○市駅」の中で、政令指定都市にある唯一の駅でもある。
- 堺市の北区役所は、前述の新金岡駅が最寄り駅となる。その新金岡駅は、御堂筋線の中では最も利用客が少ない駅だが、飽くまで「御堂筋線の中で」の話で、それでも1日平均1万人を超し、堺市駅よりわずかに少ない程度。
関連項目
我孫子町駅:この駅も天王寺・なんば・梅田方面への輸送で御堂筋線と競合し、そちらの駅は通常ひらがなで「あびこ」と表記する。
中百舌鳥駅:南海高野線・泉北高速鉄道は漢字表記だが、御堂筋線のみはここもひらがなで「なかもず」と表記する。