概要
2017年2月より放送の『キラキラ☆プリキュアアラモード』の敵対勢力の仮称。
彼らはまとまったグループとして行動しているわけでは無いので、組織名といったものはない。放映前の公式サイトでは彼らを「悪い妖精たち」と呼称していたためpixivでは暫定的にその名前でタグが作られた。他にも公式では「キラキラルをうばう存在」や「ガミー軍団」など様々な呼び方がされている。
思いの詰まった美味しいスイーツから生まれる人々の元気の源となるエネルギー“キラキラル”を我が物にしようと暗躍し、いちかたちの身の回りで次々にスイーツを真っ黒な灰へと変えて行く事件を起こしている。
第1話でいちご山のスイーツ工房へ襲撃をかけ、長老との戦いの果てにクリーム爆発が起こり工房は壊滅した。その後はいちご山の眼下にあるいちか達の町で悪さを続けている。
また、いちか達の町に現れる前から他の町で活動していたことが第7話で判明している。
この妖精達はクリームエネルギーを介した攻撃以外ではダメージを受けることがなく、普通にパンチやキックで攻撃しても微動だにしない。
本作のプリキュア達の導き手であるペコリンや長老は「キラキラルを守る良い妖精」とされている。ペコリン達もキラキラルが入ったスイーツが大好物ではあるが、悪い妖精たちのようにむりやり奪ったりはしないし、キラキラルだけ抜き取るということもないので、悪い妖精たちとは対照的な存在といえる。
この悪い妖精たちは個人個人が欲望のままに暴れているように見えるが、第7話の回想シーンで10体の悪い妖精が徒党を組んでいちご山に攻め入った事が確認されているため、少なくともある程度の仲間意識もある事はうかがえる。
11話までプリキュア側に浄化技がなかったため、10話までは妖精を撃退しても「どこかへ逃げ帰っていた」だけで、消滅したり浄化されたりはしていない。11話では10話までに登場した個体が一斉に襲撃している。
逃げ帰った後の敵側のシーンが一切描かれないため、最初の頃は非常に謎が多い敵となっていた。
これは前作の闇の魔法つかいや終わりなき混沌にも共通するが、前年でもアジトのシーンは少しはあったので今回はより極端である。
ただし前年のように敵側の事情を描くことを避けているのではなく、逆に物語を通じて敵の事情を徐々に明らかにしていく構成ゆえとのこと。
その正体の一端が明かされるのは第12話。ただし同時に新たなる謎がいくつも生まれることになった。
なお、悪い妖精たちの共通点として、黒い星の文様が刻まれたオーブを体のどこかに身に付けており、11話の描写を見るとどうやらこのオーブで何者かに操られているようだが、詳細は不明。また、同話でのガミーの台詞によれば「自分たちの欲望を満たすためにキラキラルを奪え」と唆した人物がいるようだが……?
変身
悪い妖精たちは、回収したキラキラルを体内に吸収することで変身することができる。
変身は三形態あり、妖精形態、怪人形態、巨大化形態である。
妖精たちは怪物を召喚してきたこれまでのシリーズの悪役構成員とは違い、毎回、自ら巨大化してプリキュアと戦うのである。つまり妖精たちは本作での怪物枠であるともいえる。RPGでいうところの町中を徘徊しているモンスターと言えば分かりやすい。その為、今のところ毎週同じ種類の怪物が登場しない代わりに声優の兼役もある。
- 妖精形態
妖精と言ってもいわゆるフェアリーとかピクシーのような姿をしているわけでなく、本作のプリキュアの味方側の妖精であるペコリンや長老と同じく「よく分からない謎生物」のパターン。
サイズ的にもペコリンと同等で腕で抱えられるくらい。デフォルトで空を飛ぶことができるのも同じ。
全員が愛嬌あるデザインがされているが、性格や言動は外道そのものである。
妖精形態でも普通の人間くらいなら一撃でふっとばせるくらいの力はあるようだが、さすがにこの形態ではプリキュアと戦えるほどの力はない。
- 怪人形態
ある程度のキラキラルを体内に溜め込めば人間より少し大きなサイズの怪人形態になる。
見た目は妖精形態をベースに、それの細部をリアルにして頭身や手足などを無理やり引き伸ばしたような感じであり、愛嬌が中途半端に残っているのが逆に不気味さに転化されている。
怪人形態になればパワーもスピードもキラキラルの回収量も上昇する。
- 巨大化形態
怪人形態からさらにキラキラルを体内に溜め込めば、任意に巨大化することができるようになる。
見た目もそれまでとはガラリと変わり、醜悪で凶悪な化け物そのものとなる。体には好物のスイーツの意匠があらわれる。
プリキュアと戦う時は基本的にこの形態となる。
ジュリオの手によってこれまでに登場した10体の妖精が合体した最終形態。
キラキラル
キラキラルは悪い妖精達にとっては、それこそ美味しい食べ物のようなものであり、それらを体内に吸収することで満足と快楽を得る。
つまり、今までの敵組織のように「組織の仕事」として悪事を重ねているわけではない。
上述したように、悪い妖精達はクリームエネルギーによる攻撃しか受け付けない。しかし、このクリームエネルギーとはキラキラルを戦闘利用できるように錬成したものである。
妖精達はキラキラルを吸収することでパワーアップするが、同時に自らを傷つける力にもなりうるというのは興味深い。
妖精がキラキラルを体内に吸収する時は口から摂取するが、スイーツそのものを食べるわけではない。不思議な力でキラキラルのみを取り出してそれを食らっている。キラキラルを抜き取られたスイーツはその瞬間に灰の塊になってしまう(3話でホットーがアイスクリームを直接食べているように見えるシーンがあるが、正確にはスイーツを口に近づけてキラキラルのみを吸い取っているようで、スイーツ本体は灰化して霧散している様子)
スイーツ自体は妖精たちにとっては「キラキラルの器」にすぎず、たいした価値など感じていないのである。
巨大化形態になった妖精がプリキュアのクリームエネルギーによってある程度のダメージを受けると、吸収したキラキラルが体内から排出され妖精形態に戻理、そのまま逃げてしまう(厳密には逃げるというよりかは、吹っ飛んで星になる)。この場合は浄化されて「キレイな心」に戻ったとかではないことに注意が必要。
排出されたキラキラルは灰化していたスイーツの中に再び戻っていき、スイーツは元の姿を取り戻すが、灰化したスイーツがすでに霧散して戻るべき場所がなくなっていた場合はその限りではない。
悪い妖精たちはスイーツそのものを強奪してキラキラルを抜き取った後の「器」を廃棄してしまうようなことも度々あるため、全てが元どおりになるようなケースはむしろ少なめである。
尚海外にいるペコリン達の同族によると、事件そのものは本編開始以前から地球上で発生していたようである。
彼らの末路とその正体
11話で合体形態となりプリキュア達と死闘を繰り広げ、スイーツを愛する人々から生まれたキラキラルによって新たに生まれたキャンディロッドにより敗れ、この影響でガミー達に取り付けられたベルトは破壊され正気に戻る。
そして後日、全員でキラキラパティスリーを訪ね、いちか達に土下座して謝罪した。
彼らが自ら語ったことには、自分たちはペコリン達とは異なるグループの妖精で、最初から心が悪に染まっていたわけではなかったらしい。
しかしこの10体の妖精に共通する点として「もっと強くなりたい」「もっと大きくなりたい」などの劣等感からくる強い願望を持っていた。
ある日、不思議な仮面の人物がそれぞれの妖精たちの前に現れ、「人間たちが作るスイーツからキラキラルを奪えばその願いは叶う」と唆し、オーブのついたベルトをくれた。妖精たちは半信半疑ながらも本当に願いが叶うならばとオーブがついたベルトを受け取り身につけてみた。
すると気持ちが大きくなって暴れたくなってそれが自分でも制御できなくなり、キラキラルを強奪する悪事を重ねるようになったのだという。
事情を知ったいちか達は彼らを許し、和解の証としてパティスリーのマカロンを御馳走した。
各話の悪い妖精
話数 | 名前 | 声優 | 狙ったスイーツ | 撃退経緯※1 |
---|---|---|---|---|
1話 | ガミー | うえだゆうじ | ショートケーキ | キュアホイップのクリームエネルギーに飲み込まれた |
2話 | プルプル | 武虎 | カスタードプリン | キュアカスタードのクリームエネルギーの拘束されたところでホイップのクリームに飲まれる |
3話 | ホットー | 伊丸岡篤 | アイスクリーム | キュアジェラートの氷の拳による一撃 |
4話 | シュックリー | 武虎 | シュークリーム | ホイップ、カスタード、ジェラート3人がクリームエネルギーを一つにまとめてぶちまける |
5話 | マキャロンヌ | 川崎恵理子 | マカロン | キュアマカロンのヨーヨー攻撃で吹き飛ばされる |
6話 | ビタード | 伊丸岡篤 | チョコレート | キュアショコラがクリームエネルギーの足場を作って空中戦を制する |
7話 | フエール | 武虎 | ドーナツ | 5人の連携攻撃で分身したフエールを一箇所に追い詰め最後はホイップの鞭でトドメ |
8話 | スポンジン | 伊丸岡篤 | スポンジケーキ | 5人全員がクリームエネルギーを一つにまとめてぶちまける |
9話 | クッカクッキー | 武虎 | クッキー | ジェラートが巨大な氷塊をパンチで敵に命中させる |
10話 | タルトーン | 川崎恵理子 | タルト | マカロンのヨーヨーに乗っかって勢いをつけたショコラの一撃 |
11話 | 1話~10話まで登場した悪い妖精全員 | - | それぞれの好みのお菓子 | スイー・ツー・ワンダフル・アラモード |
※1:本作では10話まではプリキュア側にいわゆる「キメ技」というものが存在せず、敵側にも特殊なパワーアップ要因もなかったため、1〜10話の間はある程度大きなダメージを与えた時点で撃退できていた。
ジュリオ
第1話時点からOP映像に映っている謎の人物。敵方のキャラクターだと思われているが詳細は不明。本編に登場したのは第10話終盤から。どうも悪い妖精たちにキラキラルを奪うようにけしかけている黒幕である事が12話で判明している。
関連タグ
幻影帝国・・・こちらも本編開始以前から地球上で悪さしていた連中。
宇宙刑事ギャバン・・・「悪いやつらは 天使の顔して心で爪を といでいるものさ」という歌詞の主題歌を持つ作品。