『タルキール覇王譚』の物語における主な登場人物
プレインズウォーカー
サルカン・ヴォル
そうだ、俺は故郷へと戻ってきた。俺は岩だらけの丘と土煙に煙る砂草原の向こうを見た。この世界は生命に咆哮し死に絶叫する、闘争と暴力の全景だ。実に強くなれる。だがそれは痛みに満ち、痛めつけられている。まさに俺のように。
『タルキール覇王譚ブロック』の物語で彼の故郷がタルキールであり、マルドゥ族出身であったことが明らかとなった。
旧く強大なドラゴンのプレインズウォーカー、ニコル・ボーラスを理想のドラゴンと崇めていたが、
ゼンディカーでのエルドラージ復活により、ボーラスには都合良く利用されていただけに過ぎなかったことを知った彼は謎の囁きに導かれタルキールに帰還。
囁きに正気を苛まれながら放浪する中、ナーセットと出会う。
この次元での姿は、「龍語りのサルカン」としてカード化されている。
(『サルカンの狂気』、『「きずな」への旅』)(外部リンク参照)
(『マジック:ザ・ギャザリング』公式サイトにおける「サルカン・ヴォル」の紹介記事)(外部リンク参照)
(『マジック:ザ・ギャザリング』公式サイトにおける「龍語りのサルカン」の壁紙ダウンロード)(外部リンク参照)
(M:TG Wikiにおける「サルカン・ヴォル」の項目)(外部リンク参照)
ウギン
お前はこの地を癒すことができる。お前自身を癒すことができる。
ドラゴンの男性。
タルキール出身であり、『タルキール覇王譚ブロック』の物語が初登場となる。
かつてエルドラージをゼンディカーに封印した三人のプレインズウォーカーの一人。
「精霊龍」と呼ばれ、無色のマナの力を操る力を持ち、無色のマナの性質を持つ透明の炎「幽霊火」を操る。
かつてニコル・ボーラスに殺害されていたとされており、「囁き」を介してサルカンを導こうとしているが……?
ウギンの亡骸が眠る峡谷が、「精霊龍の墓」
ウギンの亡骸が眠る峡谷の奥深くに存在する不思議な空間が、「ウギンのきずな」
としてカード化されている。
(『サルカンの狂気』、『ソリンの黙示』、『「きずな」への旅』)(外部リンク参照)
(『マジック:ザ・ギャザリング』公式サイトにおける「精霊龍、ウギン」の紹介記事)(外部リンク参照)
(M:TG Wikiにおける「ウギン」の項目)(外部リンク参照)
ソリン・マルコフ
「私達は皆、破滅だ」
吸血鬼の男性。
かつてエルドラージをゼンディカーに封印した三人のプレインズウォーカーの一人。
復活したエルドラージの脅威に対し、かつてエルドラージ封印のために共に力を合わせた二人のプレインズウォーカーの一人、ウギンを訪ねるべくタルキールを訪れる。
この次元での姿は、「真面目な訪問者、ソリン」としてカード化されている。
(『ソリンの黙示』)(外部リンク参照)
(『マジック:ザ・ギャザリング』公式サイトにおける「ソリン・マルコフ」の紹介記事)(外部リンク参照)
(『マジック:ザ・ギャザリング』公式サイトにおける「真面目な訪問者、ソリン」の壁紙ダウンロード)(外部リンク参照)
(M:TG Wikiにおける「ソリン・マルコフ」の項目)(外部リンク参照)
『タルキール覇王譚』の時代のカン
タルキールは軸とする色とその友好色のうち1色、それら友好2色共通の敵対色の3色からなる五つの「氏族」と呼ばれる勢力が争い続ける次元であり、
それぞれの氏族を代々「カン(覇王)」の称号を受け継いでいった指導者が率いている。
ナーセット
「痛ましい旅人よ、平穏を求めているのですか?」
龍の「狡知」の相を取り入れ、「龍眼」を象徴とする氏族、「ジェスカイ道」のカン。
人間の女性。
ただ資源を浪費し続け、果てしない戦いをくり返し続けるだけで疲弊していくタルキールの現状を憂いている。
ある日、タルキールにおいて重要な人物の到来を告げるとされる伝説の生物、麒麟の姿を目にし、その導きに従い放浪するサルカンと出会う。
「悟った達人、ナーセット」としてカード化されている。
(『悟りし者』、『「きずな」への旅』)(外部リンク参照)
(『マジック:ザ・ギャザリング』公式サイトにおける「悟った達人、ナーセット」の壁紙ダウンロード)(外部リンク参照)
(M:TG Wikiにおける「ナーセット」の項目)(外部リンク参照)
ズルゴ
「お前はジェスカイの草履履きか何かか? 座って考えるだと? 俺が求めるのは完全な服従だ」
「俺は一翼の長だ。最良の指揮をするためには、自分自身について確かでないといけない」
「統べることは血を流すことだ。布告もそう言っている。お前は軍族のために血を流せ」
龍の「迅速」の相を取り入れ、「龍翼」を象徴とする氏族、「マルドゥ族」のカン。
オークの男性。
かつてマルドゥ族に属していた頃よりサルカンを疎んでいたようだが、サルカンがスゥルタイ群との戦いの中プレインズウォーカーの灯に目覚めた際、敵味方問わず全てを灼き尽くし去って行った事によりサルカンへの憎悪は決定的なものとなり、復讐を望んでいる。
「兜砕きのズルゴ」としてカード化されている。
(『サルカンの狂気』、『勝利』、『「きずな」への旅』)(外部リンク参照)
(M:TG Wikiにおける「ズルゴ」の項目)(外部リンク参照)
スーラク
(イラスト右側の髭を生やした男性)
二度囁く者が、スーラクをティムールの第一の父とする祈願を伝えた。スーラクは両肩に熊皮の外套をかけていた。それはあの、氏族の庇護者の皮を保存したものだった。スーラクは新たな篭手をはめた。それもまた偉大な獣の両手から作られていた。そして彼は先祖代々の龍爪を頭上に掲げた。彼と熊と氏族は、一つのものだった。
龍の「獰猛」の相を取り入れ、「龍爪」を象徴とする氏族、「ティムール境」のカン。
人間の男性。
若き日にティムール境の儀式により、
自身の勇気と力だけを武器に獰猛な野生の熊と戦い、
右目の視力を喪うほどの熾烈な戦いの末に勝利を収め、成人として認められる。
ある年の春、ティムール境の宿営地は他氏族の略奪隊による攻撃・略奪を受けるようになり、ティムール境は他氏族の略奪隊に対し力で応えることを選んだ。
スーラク率いる戦士達がスゥルタイ群の大軍勢と遭遇し、包囲され窮地に陥った際、突如現れた熊――古い挑戦者であり新たな仲間の助けにより、スゥルタイの軍勢を撃退することに成功した。
しかし、熊はスゥルタイの毒矢により既に助からぬ身となっていた。
スーラクは熊の瞳の中に嘆願を読み取り、安らかな死を与えた。
ティムールの最高位の者「第一の父」に選ばれたスーラク。
そこには両肩に熊皮の外套を、熊の両手の籠手を、
――あの、氏族の庇護者、偉大な獣の皮と両手を保存し、そこから作られた武具を身につけ、先祖代々の龍爪の杖を受け継ぐ姿があった。
「龍爪のスーラク」としてカード化されている。
(『熊の目覚め』)(外部リンク参照)
(M:TG Wikiにおける「スーラク」の項目)(外部リンク参照)
シディシ
「お前は無能な馬鹿だと考えていた。だが完全にそうではなかった。今も我はお前から思い知らされておる――あまりに手ぬるくなりすぎていたと」
「お前が苦悶にのたうち回る姿を数日の間眺めて楽しみたいなどと思う、そのような過ちは二度と起こさぬ」
シディシは玉座へと戻り、今や頭を高く上げて、決意を新たにした。龍たちの偉大さを、彼らが長きに渡って世界を統べた力、その残忍さを。ジーニュが苦しむ様子を見るために生きることを許したのは、姿を変えた慈悲の形だった。慈悲、この世すべての罪の中でもっとも重い罪。それはシディシの生命を失わせるところだった。彼女はそのような感情を、例え最も僅かな形であったとしても、再び見せる事は決してないであろう。
龍の「残忍」の相を取り入れ、「龍牙」を象徴とする氏族、「スゥルタイ群」のカン。
ナーガの女性。
先代のカンを殺害してカンの座と王冠を奪い取り、競争相手達を粛清した冷酷な策略家であり、
癇癪持ちで、自身を諫めようとした助言者達を尽くクロコダイルの「穴」に落として処刑したり、
寵愛のために自身を欺こうとした氏族の有力者に対し、見せしめとしてその親族を殺害し、生ける屍の奴隷「シブシグ」に変わり果てた姿を見せ付けたりするような残虐な暴君である。
その反面、その尊大さ故かマルドゥ族のゴブリンに王冠を奪われるなど、どこか迂闊な点もある。
「千年紀で最高となるスゥルタイ軍」、「タシグルの時代以来誰も目にしていないような軍」を望み、
「人口の5パーセントをシディシ軍へと徴兵する」、「各家族の長子を差し出させる(その後送られてきた中で最も強い者を個人的に査定し、これらのうち最高の者達を彼女を守れるほどに強い、不死の個人的な護衛とする)」
といった貪欲な権勢の拡大を行っている。
「血の暴君、シディシ」としてカード化されている。
(『慈悲』)(外部リンク参照)
(M:TG Wikiにおける「シディシ」の項目)(外部リンク参照)
アナフェンザ
(イラスト左側の短髪の女性)
「始まりの木と祖先らの面前に、オレット、貴方と縁を切ることを宣言します。貴方はもはや私の血縁ではありません。貴方を私の敵と宣言します。もしも戦場で相まみえたなら、去ることは許しません。貴方の霊は根無し草となり、苦悶の中で始終孤独に彷徨うのです。さあ、我が弟ガヴァール、彼を外へ」
龍の「忍耐」の相を取り入れ、「龍鱗」を象徴とする氏族、「アブザン家」のカン。
人間の女性。
アブザン家は過酷な砂漠の環境で生きていくため「家族」を重要視する氏族であり、
血縁のある「血族」はもちろん、強い信頼や臣従の証として互いに家族と見なし合う誓いを交わし合う「盟族」の関係があり、
敵対氏族の戦災孤児を引き取って養子とし、盟族「クルーマ」とする慣習がある。
アナフェンザの一族は交易商人の一族であった。
ある日、アナフェンザの一家はスゥルタイ群の軍勢に襲われ、
更にはその混乱の中、アブザンがアブザンを殺す同族殺しの光景を目の当たりにする。
アナフェンザの一家はアナフェンザとアナフェンザの一家のクルーマであったマルドゥ族出身のオーク、ガヴァール・バーズィールを残して滅ぼされてしまう。
刺客であったアブザンの兵士をガヴァールと共に尋問したアナフェンザは、この襲撃の黒幕が従兄弟のオレットであったことを知る。
各家の長がカンと盟約を交わす日。
アナフェンザが生きてカンとなっていたことに驚き、許しを請うオレット。
アナフェンザはオレットに対し「家族」として繋がるアブザン家において最も重い罰――「縁切り」を下したのであった。
「先頭に立つもの、アナフェンザ」としてカード化されている。
(『絆と血』)(外部リンク参照)
(M:TG Wikiにおける「アナフェンザ」の項目)(外部リンク参照)
『タルキール覇王譚』の時代の主な氏族の構成員
テイガム
「奴らは熱狂しているだけです。ほとんどの者は彼女ほどの知識もなく行動するでしょう。今も多くのジェスカイが、私のように誤った者が退場するのを見たがっているのは確かです。そして近頃ではこういった揉め事が増大しています。そのため私も、愛しの老ナーセットが最終的にさらなる脅威にならないとは断言できません。覚えておきます」
スゥルタイ群に属する、スゥルタイ群のカンであるシディシの首席助言者。
人間の男性。
かつてはカンであるナーセット直々の訓練を受ける栄誉に与りさえしたジェスカイ道の修行僧であったが、
修行のための旅に出た際、エビーリという名のラクシャーサ(猫の姿をしたデーモン)の誘惑により、エビーリへの奉仕と引き替えにスゥルタイにおける富と力を得た。
しかし、かつての同胞であるジェスカイの修行僧達はテイガムを「誤った者」として罰することを望んでおり、
またテイガム自身もエビーリを倒し解放されることを願っている。
『タルキール覇王譚ブロック』においてはテイガム自身はカード化されることはなかったが、
後に統率者2017において、「シディシの手、テイガム」としてカード化されている。
(『テイガムの策謀』)(外部リンク参照)
(M:TG Wikiにおける「テイガム」の項目)(外部リンク参照)
ガヴァール・バーズィール
「僕の家は裏切られた。けれどきっと、僕らの氏族は正してくれると思う」
アブザン家に属する、アブザン家のカンであるアナフェンザの義弟、クルーマの指揮官。
オークの男性。
彼はアブザン家に伝わる敵対氏族の戦災孤児を引き取って養子とする「クルーマ」の風習によって、アナフェンザが少女の頃にマルドゥ族との戦いの後にアナフェンザの一家に引き取られ、アナフェンザの義弟となったマルドゥ族出身のオークであった。
その戦いによって従兄弟を喪ったことからガヴァールの事を疎んでいたアナフェンザであったが、その後アナフェンザの一家はスゥルタイの軍勢に襲撃され、更にはアブザン家内の同士討ちによってアナフェンザとガヴァールを残して滅ぼされてしまう。
身一つで逃れる中、ガヴァールは身を挺してアナフェンザを助ける。
アナフェンザがアブザン家のカンとなった日、アナフェンザがただ独りの家族と信じるガヴァールの姿が側にあった。
(『絆と血』)(外部リンク参照)
(M:TG Wikiにおける「ガヴァール・バーズィール」の項目)(外部リンク参照)
「タルキール覇王譚」におけるタルキール次元について
かつてのタルキール次元では、「龍の嵐」と呼ばれる力強いエレメンタルの嵐から生まれる龍が繁栄し、五つの氏族は龍を恐れながらも生き残るために戦い続けていた。
しかし、千年以上前に龍の嵐が止み、新たな龍が生まれなくなったことにより龍はその数を次第に減らしていった。
最終的に氏族の戦士によって龍は最後の一匹に至るまで狩り落とされ、滅ぼされたことでタルキールにおける龍は絶滅し、二度と戻ってくることはなかった。
それ以来数世紀、今日のタルキールにおいては五つの氏族はタルキールに覇を唱える強大な氏族へと成長した。
しかし、タルキールの次元そのものは、
サルカンには
「この世界は生命に咆哮し死に絶叫する、闘争と暴力の全景」、
「実に強くなれる。だがそれは痛みに満ち、痛めつけられている」、
「俺の世界は絶えない戦いに引き裂かれていた――引き裂かれている」
ナーセットには
「タルキールは分かたれた暴力的な地だった」
「タルキールは戦争に疲弊しきっている」
などと評され、
ナーセットは
「戦いは限界点に達しつつある。資源は不足しつつある」
と分析しているなど、
果てしない戦乱によって闘争と暴力、負傷と苦痛が絶えない世界となり、徐々に疲弊しつつある。
(『『タルキール覇王譚』の3色土地』、『タルキール、その基本』)(外部リンク参照)
『タルキール覇王譚』におけるキーワード
氏族
それぞれ「カン」の称号を持つ指導者によって率いられる五つの勢力。
かつては生き延びるために龍と戦い続けていたが、龍が滅び去った後は各氏族が果てしない争いを続ける時代となった。
各氏族は龍の一つの性質の相を氏族の理想を体現するものとして取り入れており、氏族の理想とする相を表す、龍の身体の一部を模した紋様を氏族の象徴として用いている。
氏族 | 色の組み合わせ | 理想 | 象徴 | 固有メカニズム | 詳細 |
---|---|---|---|---|---|
アブザン家 | 白黒緑 | 忍耐 | 龍鱗 | 長久、鼓舞 | 乾燥した岩砂漠に生きるという苦難に耐えるため『家族』を重要視し、規律の取れた軍隊など相互の繋がりによって自身を防衛する氏族 |
ジェスカイ道 | 青赤白 | 狡知 | 龍眼 | 果敢 | 肉体的瞑想によって長寿を保ち、武器の練習や鍛錬、学びによって悟りの道を目指す格闘家や神秘家の氏族 |
スゥルタイ群 | 黒緑青 | 残忍 | 龍牙 | 探査 | 生ける屍の奴隷「シブシグ」を操る屍術や「ラクシャーサ」と呼ばれる猫の姿をした悪魔との契約、猛毒による暗殺などの恐るべき術を用い、富を築いた氏族 |
マルドゥ族 | 赤白黒 | 迅速 | 龍翼 | 強襲、疾駆 | 「イラグラの布告」と呼ばれる戦士の掟に従い、定住することなく略奪によって生計を立てる氏族 |
ティムール境 | 緑青赤 | 獰猛 | 龍爪 | 獰猛 | 自給自足を尊び、獲物を追い山脈の荒れ果てた領土を放浪する狩人の氏族 |
(『プレインズウォーカーのための『タルキール覇王譚』案内 その1』、
『プレインズウォーカーのための『タルキール覇王譚』案内 その2』、
『プレインズウォーカーのための『運命再編』案内』)(外部リンク参照)
ゲームでは各氏族ごとに
軸とする色とその友好色のうち1色、それら友好2色共通の敵対色の3色(カードの裏面に各色の丸が五角形に並んでいるが、ここで隣り合っている色が友好色で、隣り合っていない色が対抗色)が割り当てられており、
それぞれに氏族ごとの性質を表現するため、各氏族ごとの固有メカニズムを設定されたカードや、各氏族ごとに独自の傾向を持つ能力を設定された変異クリーチャーなどが収録されている。
背景ストーリーと関係が無いところやデッキ構築の話題でタルキールの各氏族の名称が出てきたときは
大体はカードやデッキの色の組み合わせの略称である。
友好色2つ+対抗色1つの組み合わせのカードは過去に無かったわけではないが、
ストーリーに深く関わる集団ごとに色の組み合わせが設定されサイクルとなる場合、総じて個性的で人気も高く、印象に残りやすいため、
タルキール覇王譚ブロックがスタンダード落ちした現在でもこの名は定着している。
- 『我らは生きる』(アブザン家のカラーパイについて、外部リンク参照)
- 『賢明な思考』(ジェスカイ道のカラーパイについて、外部リンク参照)
- 『いち抜けました』(マルドゥ族のカラーパイについて、外部リンク参照)
- 『何としても』(スゥルタイ群のカラーパイについて、外部リンク参照)
- 『艱難汝を玉にす』(ティムール境のカラーパイについて、外部リンク参照)
きずな
ウギンの亡骸が眠る峡谷の奥深くの地点に存在する空間。
「現実が常に移ろい、ねじれている」
「まるで一つの最終的な形態を追い求めるように、ですが決して見つからない」
と言われる不思議な空間であり、
これまで、
「中に入ることのできた者は誰もおらず、それでも前進した僅かな者は、単純に引き裂かれた」
という。
「ウギンのきずな」としてカード化されている。
(『「きずな」への旅』)(外部リンク参照)
『タルキール覇王譚』についての外部リンク
- 『タルキール覇王譚』公式サイト
- 『プレインズウォーカーのための『タルキール覇王譚』案内 その1』
- 『プレインズウォーカーのための『タルキール覇王譚』案内 その2』
- 『タルキール覇王譚』Card Image Gallery
- 『マジック:ザ・ギャザリング』公式サイトにおけるタルキール次元の紹介ページ
- 『マジック:ザ・ギャザリング』公式サイトにおける『タルキール覇王譚』キーアート壁紙ダウンロード
背景ストーリー小説
タイトルが太字のものは『タルキール覇王譚ブロック』のまとめである『タルキール・ブロックの物語』にて筋書きとして重要視された物語である。
非公式リンク
あなたの隣のプレインズウォーカー
「アニヲタWiki(仮)」における「カン/Khan(MtG)」の項目
【MTG】「タルキール覇王譚」ストーリー再現動画 part00
『タルキール覇王譚ブロック』
関連タグ
『タルキール覇王譚』におけるタルキールの氏族
アブザン家
ジェスカイ道
スゥルタイ群
マルドゥ族
ティムール境
彼は頂上から、ナーセットとズルゴが戦う様子を振り返った。彼女はサルカンの視線に気づいたらしく、その優雅な杖で止めの弧を描きながら、微笑みさえ返した。ズルゴは劣勢だった。サルカンにはそれがわかった。
だがその時、その強大なオークが予期せぬ軽快さで動き、杖の一振りを避けた。振るわれる剣。噴き出す鮮血。
ナーセットは立ったままでいた。再び瞑想状態に入っているようにさえ見えた。だがそのとき、彼女は切られた花のように崩折れ始めた。彼女はサルカンへと顔を向けた。叫び声が届いた。「行きなさい!」
サルカンの世界が深紅に変貌した。憤怒と後悔と復讐心があの声と戦い、彼は黙った。彼はよろめき、ぐらつきながら上り坂を戻ろうとした。彼の同行者の血という栄誉に浴す、ズルゴが待つ場所へ。
「ズルゴ! 怪物め! 復讐の時を待っていろ!」 サルカンは絶叫した。
だが「目」の破片は眩しく燃えていた。辺り全てで世界がむせび泣いていた。大地がよじれた。彼は顔を背けなければならず、両手から炎を噴き上げながら絶望に吼えた。渦巻き猛る龍炎が放たれ、そして扉が現れた。
それは彼がずっと待っていた扉だった。
そうだ。
サルカンは振り返り、ズルゴからナーセットの倒れた身体までを眺めて、そしてまた扉へと向かった。
そうだ。
一つ、激怒と解放が半分ずつの咆哮を轟かせ、サルカンは燃えさかるアーチへと駆けた。