概要
古龍種の1種で、「炎妃龍」と呼ばれる。
古龍種の例に漏れず、生態はあまり解明されていないが、テオ・テスカトルの雌性であることは判明している。
テオと同様に戦闘時に炎のベールをまとい、突進・ネコパンチ・火炎ブレス・粉塵爆発を用いて攻撃してくる。
テオとは違い、突進前に予備動作を行うため、対処がしやすい(ただし、MHP2まではテオと同様、一切予備動作がなかった)。また別の相違点としてクシャルダオラのように、対空しながらブレス攻撃をしかけてくる(厳密には、使用頻度が圧倒的に低いだけで、テオも使用可能。MH4では使用頻度が上がっており、目にする機会は多い)。
『モンスターハンター2(dos)』(MH2)から『モンスターハンターポータブル 2nd G』(MHP2G)までの各作品に登場するが、モノブロスと同様に「村長クエスト」(一人用クエスト)が存在しないMHF以外は「村長クエスト」にしか討伐クエストが存在しない。
残念ながらMH4には未登場で、夫婦揃っての復活は叶わなかった。ただし、竜人問屋を介して素材を入手することはでき、防具や武器の一部を作成することはできる。
MHW
5月31日配信のアップデートVer.4.00にて、MHP2G以来、実に10年振りにメインシリーズに復活した。
肉質や攻撃モーションの相当なテコ入れによりテオ・テスカトルとは全くの別物になっている。
テオが突進や炎ブレス、粉塵爆発などの直接プレイヤーへダメージを与える攻撃を得意とするのに対し、ナナは風圧・咆哮で動きを封じた上で熱ダメージを継続して与える戦法を得意とする。
共通のブレス攻撃も射程距離の長いテオに対し、ナナは攻撃範囲に優れている。
クシャルダオラの竜巻に似た設置型の青い炎、ヴァルハザクの瘴気のように広範囲に継続ダメージを生成する攻撃など、既存の古龍の戦法を足して割ったような特徴である。
火属性と熱ダメージへの対策を怠ると、極めて高い難易度を誇るモンスターとなっている。
肉質に関しても頭部分が堅く、翼と尻尾が軟らかいという差異がある。
ついでに空中で閃光弾を食らっても怯みこそすれど墜落することが無い。
その代わりに足を攻撃することでダウンを取ることが可能となっている。
また本作では名実共にマルチプレイでナナ・テスカトリに挑む事が可能になっている(もっとも後述の要素の影響で事故率は高いが)。
戦闘
テオ・テスカトルがベースにはなっているものの、恐ろしく機敏に動き回るため、かなり厄介な相手となる。
また、本家のモンスターでは初となるカウンター攻撃を習得している。
走り出した後に全身を青く発光させながら身構えるのが合図であり、その間に攻撃してしまうと即座に前方に炎を一直線に吐き出したり、引っ掻きによる反撃を繰り出してくる。
そして特筆すべき要素の一つが、ナナ・テスカトリが周囲に発生させる青い炎。
この炎は触れている間に継続してダメージを与える性質を持ち、火属性の攻撃を受けると大きく燃え上がる性質があり、周囲を炎熱地帯(暑さを無効化しないとダメージを受ける地帯)に変えてしまう他、弾や矢を弾き返してしまう。
ナナやテオの炎はもちろん、ハンターの火属性攻撃でも燃え上がる。流石に彼女らに火属性の武器を持ち出すことはまず無いだろうが、ガンランスの場合は砲撃で炎上させてしまうので少々不利か。
対策
上記のように、ナナ・テスカトリの攻略法はいかに青い炎に対抗するか?という点に尽きる。
フィールドに設置される点火前の青い炎には、以下の対策がある。
- 消火する
水属性の攻撃は青い炎を消火することができる。ただし、大きく燃え上がったものには効果が無い上に大量に設置された青い炎をいちいち消火するのも時間がかかる。そもそもナナは氷弱点だが水属性の通りが良くないので消火のために水属性武器を担ぐというのも微妙な手段と言える。
ちなみにクシャルダオラの風攻撃も一撃で消火するため、合流された時は積極的に利用しよう。
- さっさと燃やす
ゲーム内のモンスター図鑑にも乗っている対策。小タル爆弾やハジケ結晶で無理矢理点火して除去してしまう戦法。
しかし、どちらも装弾数が少ない上に根本的な解決になっていないので、公式ながら最も効果が低い対策である。
- スキルで無効化する
心頭滅却の護石は熱ダメージを無効化することができ、発火した状態でも効果がある。
生産難易度は高いがクーラードリンクを飲むよりも安定した立ち回りを行うことができるので、現状最も効果が高い対策である。
ただし、無効化するのはあくまで熱ダメージに限られる。ナナの炎攻撃やプレイヤーの火属性の攻撃で発生する爆発は無効化できないので、こちらは離れるかガード強化のスキルで防御するしかない。
また、ヘルフレアで生成される青い炎も無効化できない。
他にも拠点の物資屋で買えるアステラジャーキーも有効である。
炎やヘルフレアの持続ダメージは全て赤ゲージになるため、他の攻撃や爆発で赤ゲージが消滅しない限りは一気に回復できる。
ヘルフレア
いわばナナ・テスカトリ版スーパーノヴァといえる技。
テオ・テスカトルのような単発の大爆発ではなく、風圧で動きを封じた後、熱ダメージを強制する青い炎を広範囲に発生させ、範囲内のハンターの体力を削った上で爆発させ吹き飛ばすものとなっている。
さらに、最初の咆哮の後に周囲に設置されている青い炎が間欠的に爆発するため、テオのような一撃必殺の攻撃と言うよりは複数の技を同時に繰り出す必殺技のような攻撃である。
初見では何が起こっているのか分からない程の攻撃範囲だが、1回目の咆哮からフレア発動までかなりの時間がかかる。風圧でよろけた後でも余裕で納刀→回避が間に合うほどなので、落ち着いて対処しよう。周囲の青い炎の爆発を受けて吹っ飛ばされた場合は回避が間に合わないので、ワザと倒れたままフレアの発動を待ち、爆発の瞬間に起き上がって回避するというゴリ押し回避も可能である。
上記の対策はフレアが発動してからのものだが、最も有効な対策は、閃光でヘルフレアを誘発させるというもの。
粉塵纏いが最終段階まで進んだ状態で閃光を受けると、高確率でフレアがその場で発動する。遠距離から強制的に発動させるこの戦法は、安全に避難できる上に体力・スタミナ回復や武器の研磨、リロードなどの時間も確保できるので、現状では一番安全で確実な対策である。
マルチでは事故のもとになってしまうが、至近距離・抜刀状態・不意打ちで発動されるよりはマシなので、この対策も一応有効である。
炎王龍との絆
テオ・テスカトルと合流した状態で、尚且つ粉塵纏いが両者とも最終段階になった時に発動する協力技。
発動時には画面右に縄張り争い同様のテロップが現れ、二頭を中心にフィールド一帯を大炎上させてしまう大技であり、無策で範囲内に突っ込めば高速の継続ダメージで体力をゴリゴリと削られてしまう。
クエストでは
久しぶりの登場ともあって短いながらも登場ムービーとイベントが追加されるというスタッフの本気度が感じられる内容である。
イベントではまずハンターがテオ・テスカトル(ストーリー本編で戦ったものと同一個体らしい)と対峙し、逃げ込んだ闘技場でトドメを刺そうと出向いた所で御披露目となる。
そこでは夫を庇いつつあのネルギガンテと短時間ながらも互角に渡り合うという鬼嫁っぷりを見せつける。その後テオ・テスカトルとネルギガンテが退散したのち、晴れて直接戦闘となる。
撃退に成功すると今度はテオ・テスカトルとナナ・テスカトリを同時討伐するクエストが解禁される。
テオ・テスカトルの方は手負いで体力が少なめであるとはいえ、慣れないうちは難易度が高いクエストである。
これをクリアすると特殊な装衣が手に入り、各フリークエストが解禁される。
フリークエストでのナナ・テスカトリ戦はどういうわけか高確率でネルギガンテかクシャルダオラが合流してくる仕様になっているようで、縄張り争いをする姿が目撃されている。
クシャルダオラは風で青い炎を消火し、ネルギガンテは持ち前のパワーでダウンを連発するので、合流されてもデメリットばかりではない。
ヘイトもプレイヤーではなくナナの方を優先する傾向にあるので、二体同時に立ち回れる実力があれば合流したまま戦うのも有効である。
テオ・テスカトルはハンターを見つけても敵対意識を持たず襲ってくることはないため、二頭同時討伐などではテオに攻撃が当たらないように立ち回ると効果的。
ただし何らかの攻撃がテオに当たろうものなら、即敵対し炎妃龍との絆などで連携して襲い掛かってくるので、別行動させる必要がある。こやし玉は効果が無いので、別の方法が必要になってくる。
片方に集中攻撃をかけて怒り状態にさせ、遠くまで誘導する方法は最もオーソドックスな方法。
隣に移っただけではすぐに合流される可能性もあるので、エリアを2つ3つ跨いだほうが安全である。
前述の二体に縄張り争いをしてもらう場合は、確定ではないがエリア移動を行う。ただし、その場に留まった場合は三つ巴の大乱戦になる。ヘイトはプレイヤーにあまり向かないので、力尽きるリスクはあるがスリルと興奮を求めるならオススメの方法。
MHF
剛種
MHFには剛種個体が存在する。通常の個体同様1人専用だが、1人用だからぬるい…なんてことはなく、HPが低いこと以外は、他の剛種とほぼ変わらない攻撃力に加え、出現する個体がどいつもこいつも規格外キングサイズばかりが出現する上に怒り時に1.3倍という倍率で行動速度が上がるという鬼畜仕様となっている。一人用だからとたかをくくって挑戦し、返り討ちにされたハンターも多いのではないのだろか。
G級
G6にて満を持してG級へも参戦
通常個体に近くて戦いやすいか、それとも剛種の悪夢再来かと騒がれたが結果は・・・よりにもよって剛種基準、しかも更に凶悪化という凄まじい結果であった
まず難易度は★7なのでG級昇格直後の防具では非怒り時の攻撃ですら一撃即死なので防御力1700近くは必要(これはMHFでのG級の仕様が関係しているが長くなるので割愛)
しかも剛種ほどではないがまたしてもキングサイズばかりが出現
更に肉質は変化、通る部位には通るが、首や翼、背中など、見るからに堅そうな部位は紫ゲージでも余裕で弾かれるほど硬い
属性が効かない部位はとことん通用しないようになっており、下手すれば全く通らない部位も普通にある
近接武器は頭と尻尾以外まともにダメージが入らず、ガンナーに至っては弱点の尻尾すら弱点特効の対象にならず、それ以外の肉質もほぼ全身が10~15%のみという鉄壁の肉質である
特異個体
剛種やG級個体ですら悲鳴をあげる戦闘力だが、G6にてついに特異個体化
見た目の変化
- 目が黄色に輝いている
- 耳が通常より伸びている
- 犬歯がさらに大きくなった
- 前脚が筋肉質になり、爪がより鋭利に発達
- 尻尾が肥大化
- 怒り時に四肢が炎上する
剛種個体は怒り移行時に行動を強制キャンセルして別の技を繰り出してきたが、特異個体ナナ・テスカトリでは確定で威嚇をするようになっており、更にキャンセルも含めた突進も特異個体行動もあって頻度が低下、剛種は戦いやすくなっている
問題のG級特異個体に関しては・・・この咆哮の際、周囲広範囲に無数の粉塵爆破が発生するという凶悪仕様へ変貌
しかもあろうことに通常の剛種と同等か、それ以上に突進の頻度が上がっているという情け容赦ない仕様になっている
武具
武器は火属性を纏うことが多いが、龍属性を纏うこともある。
防具はエンプレスシリーズと呼ばれ、テオ・テスカトルのカイザーシリーズと比較すると防御よりの性能がつく。
MHFでは下記のようなとんでもない武器が存在している
炎妃剣【渇愛】
上記の剛種個体を討伐する事で政策が出来るようになる片手剣
この武器の特徴としては攻撃力210と下位~上位レベルの攻撃力しかない上にリーチ:短と通常の片手剣よりリーチが短いという弱点がある(MHFでは大剣、太刀、片手剣、双剣、ハンマー、ランスに関しては通常の武器よりリーチが長かったり短かったりする武器がある)
では、利点はというと火属性2100というどのシリーズから見ても完全に狂った数値だと断言出来るレベルの属性値を誇る
しかも斬れ味は素で長めの白と若干の紫、しかもスキルでその紫を延長させることも可能
おまけにスキルの拡張性に優れるスロット2
更にMHFはMHP3やMH3Gと違い片手剣の属性値0.7倍補正なんてものは存在しないのでこのままの威力を相手にぶつける事が可能
なお、この武器が出た時期の最高値の火属性片手剣は火属性550の炎王剣【爆龍】(テオ・テスカトルの剛種個体を討伐することで制作可能な武器)
よくあるインフレの結果ではなく他のシリーズと大して変わらない環境に上記の性能の武器がいきなり登場したのである
この狂った属性値のお陰で属性強化のスキルさえあれば攻撃力UPも会心率UPも不要というスキルの自由度を誇る上に火属性が少しでも通るなら十分(具体的には火10までなら十分有効の範疇)
あまつさえ、強化を重ねれば最大で4600という何が何やら分からない数値まで伸びる
余談だが、4人揃おうものならバルカン・ルーツが悶え続けるという凄まじい光景が起こる 龍属性武器なんていらんかったんや・・・
なお、この光景が起こるのはMHFでは両者の属性耐性が龍属性の次に火属性が通る為
この武器は剛種を倒せればHR100から生産可能にも関わらずG級で装備が整うまでの繋ぎとしてまで長い期間使って行ける
しかし、制作難易度は上記の剛種個体を倒すのが前提条件なので難易度は非常に高い
艶妃剣【仮初】
上記の渇愛のG級仕様と言える武器
生産時点では攻撃力504、火属性680にデフォルトで短い白ゲージ、匠で普通程度の紫ゲージとG級武器にしては非力もいいとこなレベル
しかし、強化に強化を重ねることで最終的にとんでもない武器になる
理由は、MHFのG級武器はLV制であり、生産時点でLV1、最大でLV50なので都合49回強化を施して本当の意味で完成する(強化過程でも実戦運用可能レベルになる武器もあれば最大まで強化してようやく運用可能な武器もある、この武器は後者である)
最大であるLV50では
- G級武器でも上位に位置する攻撃力672
- 斬れ味は標準で長い紫ゲージ、斬れ味レベル+1で発生する紫を超えた空色ゲージ
- 渇愛を凌駕してしまった火属性値2300
正に渇愛をG級仕様にした武器と呼ぶにふさわしい武器になる
更にG級武器は属性値以外にもシジルでカスタマイズできる要素がある(シジルとは、装飾品の代わりにG級武器で取り付ける事が出来るアイテムであり、攻撃力や属性値などの他に攻撃そのものを強化したり、武器のリーチを変えたり、狩猟笛の旋律やらガンランスの砲撃のタイプや砲撃LVもカスタマイズ可能)
シジル「蒼輝剣」を焼き付ければ渇愛の弱点であったリーチを補うことが可能となる
リーチ強化は代償として物理攻撃力が若干低下するが元々高すぎる火属性値という強みを持っているため軽視しやすいデメリットである
ここまで利点を述べたが最大の欠点はG級ナナ・テスカトリである
上記のように凄まじい戦闘力な上に渇愛と違い特異個体から剥ぎ取り2%でしか入手できない「HC素材」や剥ぎ取りで1%でしか入手できない「剥ぎ取り稀少素材」を要求される鬼畜ぶり(これはイベント等で入手できるG級武器以外のほぼすべてのG級武器に言えるが)
しかも前者の素材はたまに救済クエが配信されたりG級前なら全てのHC素材、G級なら★6までのHC素材ならゲーム内ポイント等で交換可能(ナナ・テスカトリ自体は★7なので交換の対応はしていない)だが、後者に関してはそれすら無い
その為、一度この武器を制作すると決めた片手剣使いはナナ・テスカトリとモンスターハンターシリーズのプレイヤー誰しもが恐怖する最強の悪魔との連戦という血を吐き続けながら続ける壮絶なマラソンが待っている・・・・・
専用BGM
専用BGMは夫のテオ・テスカトルと同じ、「炎国の王妃」である。
初期の剛種は別のBGM(塔の汎用BGM)が流れていた。
MHWではテオとナナで別バージョンが用意されており、夫のものとベースは同じだが、ハープやコーラス重視となって女性的な印象が大きく出ている。
余談
- 雌であるとされることや、名前が「ナナ」と可愛らしい響きであるためなのか、リオレイアと並んで擬人化の題材にされやすいモンスターでもある(というより、投稿されているイラストのおよそ半分は擬人化イラストで占められている)。別名が「炎妃龍」であるためなのか、御淑やかで気品溢れる姿に描かれていることが多いのも特徴。
- ちなみに、ゲーム中でもナナを嫁にしたいとのたまう男が登場する。ただ、この依頼人は「ぎらついた目の没落貴族」という名前であることから、単に極貧生活に喘ぐうちに精神に異常をきたしてしまっただけだと思われる。