「いよう、元気にしてるか、兄弟!」
概要
「偽りの聖杯戦争」において、スノーフィールド市の警察署長オーランド・リーヴに「魔術師」のクラスで召喚されたサーヴァント。
マスターであるオーランドの要求に応え、彼の「警察官としての部下」にして「魔術師としての弟子」である『二十八人の怪物(クラン・カラティン)』の為に、英雄王にさえ対抗し得る「原典を超える宝具の贋作」を造り続けている。
警察署以外の場所で缶詰状態となって作業を進めているらしく、オーランドとの会話も専ら電話越し。作業の片手間にテレビやインターネットでどうでもいい現代知識を貪っている。
ちなみに、設定が世に出た最初の文豪系サーヴァント。
真名
19世紀フランスの劇作家にして小説家『アレクサンドル・デュマ』。同名の息子と区別するため「大デュマ」とも呼ばれている。
多数のベストセラーを世に送り出し、映像化作品も多い(『三銃士』や『巌窟王』はアニメ化もされている)。
真名が判明する前から「贋作騒ぎんときにジョークで『本物よりも俺のほうが面白ぇだろ?』なんて言わなきゃ良かったぜ」とボヤいた台詞などにより、その正体が推測されていた。
人物
両眉の端と一体化した丸刈り頭で、どこぞのキャス狐からは「お歯黒ドミノ」と言われたチェッカーフラッグのような色違いの歯を持つ(漫画版では普通の歯となっている)。
ざっくばらんな態度のお調子者で、命令にはそれなりに従うものの、サーヴァント的な忠義さは欠片すらも見当たらない。
マスターである警察署長に対しても「兄弟」と馴れ馴れしく呼びかけたり、「つまらん野郎」「死ね!」などと罵倒したり、息をするように即バレするレベルの駄法螺を吹いたり、しょうもない与太話を振ってはすげなくあしらわれ、不平たらたらに作業に戻ったり…という具合。
基本的にはとても偉人とは言い難い俗物で、聖杯にかける願いは強いて言えば「美味い飯といい女」くらいのもの。
むしろ「この聖杯戦争に関わる者たちがどんなドラマを生み出し、どんな結末を迎えるのか」を見届ける事こそが目的だと、赤のキャスターのような事を語っている。
図太い上に肝も据わっており、その振る舞いから罵倒を返されても飄々とした態度を崩さない。ただし自分の著作の内容を読み上げられる事だけはどうにも苦手。理由はもう歴史に刻みこまれて手遅れなのに、改稿したくなってしまうから。
今の姿からは想像もつかないが、生前下記のシャルル師と出会った当時は、見た目も性格も大人しめな草食系男子であった。
能力
生前における上記の"本物超え"発言が昇華された、「宝具の贋作を作り、それに原典を超える力を付与する」スキル「昇華」(ランク不明)の使い手。
衛宮士郎の「投影」と赤のキャスターの「エンチャント」を合わせたような能力で、作成された宝具は使用者が使い込むほどに習熟度が上がって行き、最後には真名解放すら可能になる模様。
純粋な戦闘力は他の作家サーヴァント同様最低クラスで、マスターと素手で戦った場合はマスターが勝つと言われるほど。
一方で父親譲りの体格と威圧感を持ち、(本人の言を信じるなら)王様の狩猟に付き合った経験もあるので体力はそれなりにある様子。
また、何らかのスキルまたは宝具による底知れない情報収集能力を持ち、オーランドが秘匿している事や知らない情報をベラベラと読み上げた事で彼を大いに警戒させた。
具体的には、偽りの聖杯戦争の裏事情から関係者のプロフィールといった、現代でもネットにはまず載らない極秘情報をパソコンの画面へと映し出している。
宝具
銃士達よ、風車に挑め(マスケティアーズ・マスカレイド)
4巻時点では名前が出ただけで詳細は不明。
宝具名の由来は恐らく小説『三銃士』を原作としたイギリスBBCの歴史劇テレビドラマシリーズ『マスケティアーズ/三銃士』。
外部作品での活躍
Fate/GrandOrder
悪性隔絶魔境新宿では彼と関わりがある二人の英霊に、何者かが囚われたシェイクスピアの救出を依頼している。
それらのことから、本編の進行次第でこの作品へ登場する事が有力視されている。
余談
彼の宝具の性質はたびたびネタにされることがある。
書籍版が出る直前まで当然どんなキャラであってもキャラクターデザインが試行錯誤されているが、彼のデザイン案の一つとしてスチームパンク風の青年というデザインがあった。
正式版では「お歯黒ドミノ」なデザインとなったが、前述のスチームパンク風の青年というデザインは別のキャラであるサンジェルマンへと流用されることとなった。
関連人物
strangefake
契約を交わしたマスター。気安い口調で話しかけてはいるが、性格面での不一致ゆえか、お互い言葉の端々に棘が混ざる。
- 二十八人の怪物(クラン・カラティン)
マスターの部下である警察官たち。彼らの為にほぼ缶詰め状態で贋作宝具を造り、その原典をも超える力を付与している。
名前の元ネタはケルト神話のとある女王が率いた対大英雄用特殊戦闘部隊。
生前
生前互いに面識がある作家仲間で、2015年のエイプリルフール企画で共演。
出会った当時は40代だったアンデルセンが、少年の姿になっているのを見て大爆笑。同時に彼のマスターがナイスバディの美女なことを羨ましがった。
- シャルル・ノディエ
文学界とのコネを作ってくれた先生。
若い頃にパリで芝居を見たとき同席し、死徒の話を中心に文学やパリについて意見を交わす。
ふてぶてしいキャスターが心からの敬意を持って回想する相手でもある。
その他
同じく、直接の戦闘能力を持たない作家系サーヴァント。『かの偉大な文豪』と呼び慕っている。
彼を題材に著作「巌窟王」を執筆している。
生前の彼の人生を作品にしたことに悪びれる様子はなく、むしろ合ったら煽ってやるつもりだとか。
向こうの方も、殺意はないが毒づいている。