概要
1992年に試作車が登場したことに始まり、「サンダーバード」「はくたか」用として1997年までに合計102両が製造された。JR西日本初の特急型車両で、JR旅客6社の中では最も遅い登場である。
当初は、北陸新幹線をスーパー特急方式で整備する計画があり、また将来の湖西線・北陸本線の高速化も視野に入れ、最高速度160km/hを実現すべく登場した。
後に高速化は見送られ、新幹線もフル規格での整備が決定したものの、本系列の性能はほくほく線における特急の160km/h運転に生かされている。
試作車(1000番台)
最高速度160km/hでの試験走行を目的として、1992年に9両編成で登場。当初は、現在の金沢総合車両所所属で、U01編成を名乗った。
後に臨時列車「(ニュー)雷鳥」としてデビューしている。
高速走行に向けた装備が数多く施されており、後の新快速の130km/h運転にも大きな影響を与えている。
1995年に量産車が登場し。試作車は量産車の設備に合わせた改造が行われ、区別のため1000番台に改番された。また2001年には、量産車と運用を共通化するため、9両編成の中間に先頭部を取り付け、6両編成と3両編成に分割された。(U01→T07・T18)
現在は吹田総合車両所京都支所に所属し、W01・V01編成を名乗る。
量産車と比較すると、非貫通先頭車の運転席横の窓が三角形なのが目立った違いである。よく見ると、ドア窓が小さい、車体の裾が長い、パンタグラフの位置などの違いが見受けられる。
2015年にV01編成は廃車となった。量産車と機器類が大きく異なるので、W01編成も先が長くないと言われている。
量産車(0・2000番台)
試作車の成果を基に、485系の置き換えを目的として製造された。全車両が160km/h運転に対応しているが、運用にはトランスポンダの設置が必要。金沢総合車両所所属。
1995年に、「サンダーバード」用として登場。新たに貫通型先頭車が設定され、6+3両編成の構成となる。T編成。
1997年には、「はくたか」用編成がデビュー。編成構成が少しだけ異なり、「WHITE WING」のロゴが付いている。W編成。
また、北越急行所属の車両も登場。JR西日本の車両とは外観が大きく異なり、「スノーラビットエクスプレス」の愛称を持つ。2000番台に区分され、N編成を名乗る。
後に、大半の車両ははくたか用に転用され、サンダーバード用編成はT11だけを残して京都支所に転属した。
しかし、2015年3月14日に北陸新幹線が金沢まで延伸開業。従来の在来線特急は廃止となった。廃止直前には、サンダーバード・はくたか共に、北越急行所属車も含めてオレンジ色の帯が入ったしらさぎ塗装に塗色変更。編成構成がサンダーバードと揃えられ、ダイヤ改正と同時に683系も含めた全編成で方向転換を実施。塗色変更した編成は金沢総合車両所に集結し、「しらさぎ」で運用を開始した。
なおダイヤ改正からしばらくは、1000番台が京都支所から貸し出され、「しらさぎ」運用に入っていた。
サンダーバード・しらさぎ共に車両設備が共通となったことで、しらさぎ編成によるサンダーバードの代走が増えている。
営業中の定期特急列車(2015年3月現在)
(金沢~和倉温泉)
おはようエクスプレス・おやすみエクスプレス・ダイナスター
(福井~金沢)
びわこエクスプレス
(大阪~米原)
2015年3月現在、ほとんどの車両が特急しらさぎ中心の運用に就いており、特急サンダーバードなどの運用に就く編成は6両固定編成1本、3両固定編成5本と少数である。