金星
きんせい
概要
主に以下の意味で使われる。
太陽系第2惑星「金星」
太陽系第2惑星の天体。地球より太陽に近く、水星より太陽から遠い。全天で太陽、月についで明るく見える星である。明け方と夕方にひときわ明るく輝き、明けの明星、宵の明星として馴染み深い。肉眼では、金星がいくら明るい星とはいっても点にしか見えないが、望遠鏡を使えば、満ち欠けも確認できる(口径8センチメートル程度の入門機で十分である)。
西洋では「Venus」と呼ばれ、美の女神の化身とされる。その名の通り硫酸によって形成された雲に覆われた姿は非常に美しいといえよう。
日本や中国における金星という名は五行に由来している。太白とも呼ばれる。
地球より少し小さい、質量もほぼ同じ大きさであるがその環境は地球とは似て非なる。灼熱の地表と二酸化炭素によって形成された大気、美しくも見える外側を覆う雲によって、外部からの侵入を拒んでいる。
自転速度は異様に遅く、しかも逆向き(すなわち自転軸が倒立)である。
この高温・高圧(気温:約400~500℃、気圧:約90気圧)の大気のため、旧ソ連のベネラ計画では探査機の着陸カプセルがその大気に耐え切れず壊れてしまい、何度も地表の観測に失敗した。また、観測に成功した着陸カプセルもその過酷な環境ゆえ他の探査機に比べ稼動寿命は短くならざるを得なかった。(設計寿命は着陸後30分以上、実際の稼動寿命は約1時間)
幾度もの挑戦の末着陸に成功したカプセルから送られた電送写真により、それまで厚い雲により暗いであろうと考えられていた金星の地表が実際は明るいことが判明した。(そのためベネラ計画探査機の着陸カプセルには地表撮影のために照明が取り付けられていた)
現在、JAXA(宇宙航空研究開発機構)によって打ち上げられた金星探査衛星PLANET-C「あかつき」が一路金星を目指している。2010年12月、金星の軌道投入を試行したが失敗、軌道・速度を調節し、次回金星に接近する2015年に到着予定。