概要
別名『吸血宇宙人』。
母星であるスペル星が爆弾実験の失敗により放射能で汚染され自身も被爆したため、自分たちの血液の代わりとして地球人の血液を奪っていた。
目からビームを放つ能力を持つ。
当初は女性の血液を狙っていたが、後に子供の血液のほうが純度が高かったためターゲットを子供に変更。
しかし、狙っていた女性がよりにもよってウルトラ警備隊の隊員・友里アンヌの友人だったため、ウルトラ警備隊に計画がバレてしまい、その後セブンと戦い敗北。逃げようとしたところをアイスラッガーで唐竹割にされた。
容姿
能面のようなのっぺりとした顔と全身真っ白の身体に火傷の痕を思わせる黒いシミが混在する身体が特徴。
前述の放射能汚染と相まって危うい設定と言える。
シナリオ上では「かぶとむしのような形のスペル星人が洋館を破壊し、パトカーを角から放つ光線でとかしてしまう」という記述がある。しかし、撮影段階で実相寺が人間型に変更したとのこと。
もしこちらの昆虫型の形状であれば、そして種別も『吸血宇宙人』のままであれば、と思うとやるせなくなってくる。
黒歴史?
事情により第12話が欠番となったためスペル星人もお蔵入りしている…のだが、現在ではインターネットが普及しているためスペル星人と検索するだけで情報が結構出てくる。そのため意外と認知度は高かったりする。
漫画『ウルトラマン超闘士激伝』ではスペル星人がモブとして登場。
2012年9月に講談社から発売された「ウルトラ怪獣DVDコレクション6 メトロン星人」において、「セブン」放送当時の雑誌記事の再録という形でひっそりとスペル星人が復活を果たしている。
また、ソユーズに搭乗した古川聡宇宙飛行士が出演したNHKの番組(2013年)で、幼いときにウルトラセブンに憧れて宇宙飛行士になったというエピソードを紹介する際、彼が子どものころに描いた「すぺるせいじん」が「めとろんせいじん」等とともに紹介されている。子どもの描いたものとはいえ、40年以上の時を経てスペル星人が日本の公共の電波に乗った瞬間である。
第12話が問題になった1970年10月という時期は、『ウルトラファイト』の放送開始直後であり、円谷プロとTBSの間で『帰ってきたウルトラマン』の企画が本格化したころであった。円谷プロと小学館が謝罪・作品の封印という対応を迅速に行ったことで、抗議・報道は沈静化し、問題はほぼ年内に収束した。翌71年に入り『帰マン』の撮影が始まり、4月から放送開始。第2次怪獣ブームが巻き起こり、ウルトラシリーズは続いていくこととなる。
仮に円谷プロが対応を誤り、ウルトラシリーズの印象が大きく損なわれることになれば、『帰マン』の企画が頓挫していた可能性もある。そうなれば円谷プロの存続自体が危うくなり、その後のシリーズもなかったかも知れないのだ。スペル星人が犠牲になったことで、円谷プロとウルトラシリーズは守られた。そう考えると、帰ってきたウルトラマンの声をスペル星人と同じ声優(谷津勲)が演じているのはどこか意味深である(といっても、谷津氏は非常に多くの作品に出演した方なのだが)。
関連タグ
トゥエルヴ(デザインと名前がスペル星人のオマージュ)
ポリゴン - スペル星人と同じく登場回が欠番扱いになってしまい、これ以降、映像作品には出演していない。存在自体が黒歴史になっていないぶん、スペル星人よりかはまだマシなのかもしれないが…。