イギリス海軍とは、イギリスの海軍のことである。正式名称は、国名を含まない"Royal Navy"である(タグとしてはこのRoyalNAVYの付いたものの方が多い)。
帆船時代から続く歴史ある海軍で、島国イギリスが世界帝国に成長したのも海軍の力が大きい。アルマダの海戦やトラファルガー海戦を経て、19世紀には世界の海軍力二位・三位が連合してかかってきても勝てるだけの勢力を保持するという「二国標準主義」を掲げた世界第一の海軍となった。
しかし、20世紀に入ると後続に追い上げられるようになり、極東で日本海軍を同盟軍とするなどしたが、それでも世界一には違いなかった。そして、第一次世界大戦、イギリス海軍はドイツ帝国ら同盟諸国を封鎖し、強力なドイツ水上艦隊を北海とバルト海に封じ込んだ。ドイツは新兵器潜水艦を繰り出し通商破壊でイギリスを苦しめたが、イギリス海軍はこの戦いにも勝利した。
しかし、この大戦でイギリスは疲弊し、戦後のワシントン海軍軍縮条約では、なんとかアメリカと同率一位に持ち込む始末だった。
そして第二次世界大戦、再び立ち上がったドイツ(ナチスドイツ)のUボートとは苦戦となり、極東では敵となった日本海軍に戦艦2隻を沈められ(マレー沖海戦)、と前大戦以上の厳しい戦いとなったが、イギリス海軍を遥かに凌ぐ勢力に急成長したアメリカ海軍の助力もあって勝利した。
戦後、イギリスはいよいよ疲弊し、イギリス海軍はヨーロッパでも有数の海軍、というところにまで縮小した。それでも軽空母や戦略原潜、両用戦艦艇や海兵隊を備えたその勢力は一目に値するものである。
フォークランド紛争では地球の裏側まで派遣され勝利を収めている。
なお現在でも艦艇にはHMS(His Majesty's Ship の略、国王陛下の船の意味)と付けられている。
軍艦の設計には、世界中に広がる通商路と植民地を保護するため、一隻一隻の戦闘能力は控えめにしても、数量と、航洋性・居住性を重視するという特徴が見られた。
歴史に名を残す名艦から独自の価値観(英国面)に基づくものまで振幅は大きく、海戦史を語る上で欠かせない存在と言える。
単一口径巨砲による武装と蒸気タービンによる高速で戦艦のあり方を変えたドレッドノート、45.7cm砲搭載の軽巡から世界最初の空母に改装されたフューリアス、時代に取り残されながらも縦横無尽の活躍を見せたフェアリーソードフィッシュ、世界最初に全通甲板を持った空母アーガス、トライバル級駆逐艦ズールーとヌビアンをニコイチして作ったズビアンなど、とかく枚挙に暇がない。
近年、2019年1月10日に行われた日英首脳会談において、安倍晋三首相とテリーザ・メイ首相は日本とイギリスが経済・安全保障の分野で連携を強化していくことで一致し、それにより北朝鮮の日本に対するいわゆる「瀬取り」の対策として、イギリス海軍が艦艇を派遣して警戒監視活動にあたることが決められた。