概要
地球征服を狙う宇宙の帝王ゴアに対抗するために、地球の創造主アースが作り出したロケット人間「マグマ大使」がゴアと戦う物語である。
バラエティに富んだ内容となっており、純粋な娯楽作品となっている。
1966年には『ウルトラマン』に先駆けて国内初のカラー放送特撮ドラマとしてピープロダクションによって映像化された。
手塚自身はピープロの創始者うしおそうじ(=鷺巣富雄)と親交があったので承諾したのだが、当初は実写映像化に抵抗があった(『鉄人28号』も手がけた、松崎プロが制作した『鉄腕アトム』の顛末があったため)。しかしできあがった実写版マグマ大使は当時の最高技術によって制作された日本特撮史に残る傑作となり、手塚も「素晴らしい作品だった」と褒め称えた。
本作と『ウルトラマン』によって第一次怪獣ブームが巻き起こり、日本特撮にとっても一つの岐路となった。
主人公としてのマグマ大使
勘違いしている人も多いのだが、マグマは「ロケットに変身できるロボット」ではない。人間に変身できるロケットなのである。マグマは「機械生命体」であり、ゾイドやアクエリオンの遠いご先祖様である(ちなみに63年発表の『鉄腕アトム ロボイドの巻』でも生殖能力を持つ機械生命体「ロボイド」が登場している)。ロケットに変身した時には、マッハ11で空を飛ぶ(漫画版ではそのレベルではない超スピード飛行も見せていた)。
身長7m、体重5tと大柄だが、特撮版ではゴアの手下怪獣が現れた時には巨大化変身して闘っており、ラスボスであるゴアゴンゴン(身長200m!!)とも殴りあっていた。
腕は振り回すことでジェット気流を巻き起こし、腹からはミサイルを発射。頭の特徴的なアンテナからは熱線を放つ。
もう一人の主人公である村上まもる君と父の厚・母の友子に出会ったことで「家族」の概念を知り、妻のモルと息子のガムをアース様に頼んで作ってもらった。
関連項目
ビッグX:ほぼノリが同じ手塚作品(うしおには、『マグマ大使』と共に制作権を提示された。外れた後には、1964年にトムス・エンタテインメントの前身組織・東京ムービーによってアニメ化された)。
獅子王凱:初期のイメージソースとして大使をモデルにする。