ポーキー
ぽーきー
キャラクター像
MOTHER2
弟のピッキー、母親のラードナ、父親のアンブラミの4人で生活しており、主人公であるネスの家の隣に住んでいる。
名前の通り太った少年。意地悪で自己中心的な性格で、強いものに媚ることも全く躊躇わない。一方で臆病者でもあり、序盤でネスと同行した時には、死んだ振りをしたりネスを盾にするといった行動もとる。やたらとノックの音が下品であり、この点は何故か弟も同様。好物はお菓子らしいが、嫌いなものはネスの好物である。
他者に借金をするほどお金に困っているが愛情に溢れているネスの家とは対照的に、裕福ではあるが親の愛に恵まれていない家庭で育っており、愛情や友情に飢えている節がある。
MOTHER3
時間転移を繰り返した末の『3』においては、老化が進んで歩行や呼吸すら困難なほどに衰弱しているものの、時間転移の影響によるものか不死の存在と化した、無限に老化する歪な人間になっている。また、ねじくれた性格のまま独り旅を続けたためにどの時代・世界にも受け入れてもらえず、精神は自制心を欠いた子供の心のまま成長を止め、自己顕示欲や支配欲だけが肥大した悪の権化となってしまった。その歪んだ性格を自覚してはいたものの、認めることはしなかった。
棺のようなカプセルから足の生えたマシンに、まるで介護される老人のように収容されて行動している。何故か豚をモチーフにした部下や機械を従えている。
ストーリーの関わり方
MOTHER2
オネットの丘に落ちた隕石をネスと一緒に探しに行ったことがきっかけで、ギーグの陰謀に巻き込まれ、やがてその部下となって行く。
カーペインターに取り入ってハッピーハッピー教の幹部にのし上がってポーラ誘拐を行い、彼が正気に戻ると今度はフォーサイドの実力者であるモノトリーに取り入り、彼が正気に戻ると今度はネス達のために用意されたヘリコプターを強奪するなど、とにかく常に先回りしてネス一行の足止めを行う。途中、改心する振りを見せるなど、狡猾な面を覗かせる。
終盤では過去に行くためにどせいさんが製作したスペーストンネルを強奪。ギーグの攻撃を止めるためにロボット化してまで過去にやって来たネス達の前にギーグから与えられたと思われる重機械に搭乗して立ち塞がる。しかしギーグが主人公とプレイヤーの祈りにより消滅した後は捨て台詞を残し時空間を渡って逃亡する。
その後の足取りは不明だったが、エンディングのラストでピッキーによって彼が書いたと思われる手紙が渡される。
MOTHER3
時空を渡り歩いた末、『3』の舞台であるノーウェア島にたどり着き、島をおもちゃのように改造して遊ぶ。
ノーウェア島の住人を洗脳し、そこに生きる動物を合成生物(キマイラ)にして生態系を破壊し、さらには自己の欲望の塊とも言えるニューポークシティを作り上げ、王(キングP)として君臨するなど、文字通り子供のようにやりたい放題やっていた。言わば、『3』における全ての元凶であり、間接的ながら、ヒナワ・クラウスを死に追いやっている。
マジプシーのロクリアから、島にある七本の針と闇のドラゴンの話を聴いたことがきっかけで、自分を必要としない世界を滅ぼしてやろうと、仮面の男に針を引き抜かせるように命じる。針は順調に抜けたのだが、結局後1本と言うところでリュカ達によって倒され、野望が潰えることとなった。
追い詰められた彼は、アンドーナッツ博士を騙して製作させた「ぜったいあんぜんカプセル」に逃げ込む。これは、ありとあらゆる外部からの干渉を阻むことができる「絶対に安全な」カプセルであると同時に、一度入ったら永遠に出ることができないという代物であり、博士曰く「外にいる人にとっても絶対に安全」なカプセルであった。
結局、彼はぜったいあんぜんカプセルの中で死ぬことも許されず、たとえドラゴンが目覚め、全てが終わった後も永遠に生き続けることになってしまった。ポーキーはそれを知ってか知らずか、リュカ達の前で「嬉しそうに揺れて」いた。
プレイヤーからの評価
糸井氏によれば、非道な悪行を繰り返しておきながら生き延びたという点を批判するプレイヤーもいれば、死ぬよりも悲惨な末路を辿る事になった彼に同情する声もある。
余談
実はMOTHER3の没データ上には、「マシンが落下して痙攣しながら死亡するポーキー」というアニメーションが存在する。
数多い没データの中でもひときわ衝撃的なシーンであるが、これが用意されていたということは
当初の予定ではポーキーが死亡するというシナリオになっていたのだろうと思われる。
彼にとって、死ねたことが幸せだったのか、永遠に生き続けることが幸せだったのか。その意図は製作者のみぞ知る。
スマブラにおけるポーキー
スマブラXのアドベンチャーモード「亜空の使者」にボスキャラクターの1人として登場。容姿はMOTHER3のものを踏襲しており、やはり棺桶から足の生えたようなマシンに搭乗している。
最初は「キングのぞう」に乗り込んでリュカを追い掛け回していたが、救援に駆け付けたネスに像を破壊されたことでついに姿を現し、両者と激突する。
なお、「キングのぞう」は無敵であり、絶対に倒すことはできない。接触すると大ダメージを受けて吹っ飛ばされてしまうので注意すること。序盤はポーキーを倒すのではなく、ポーキーから逃げ延びることがシナリオを進める条件となる。
超威力の突進やボディプレス、脚部の1つを使った乱れ突き、さらにレーザーなどで攻撃してくる。
重い一撃と多段ヒットして大ダメージを与えてくる技の両方を兼ね備えており、さらに鈍重そうな外見に反して意外に素早いため、経験者でも苦戦する。特に、最高難易度の「ゲキむず」では、ありとあらゆる攻撃から一撃KOされる危険性を孕む非常に危険なキャラクターとなっており、ガレオムやデュオン以上に苦手意識を抱いているユーザーも多い。
ちなみに、亜空軍の一味だったかどうかは不明(一応、亜空軍配下の兵士と共に登場はするが、「キングのぞう」の状態では敵味方関係なく押しつぶして歩いていく。)
最新作のスマブラSPでは、スピリッツにおいてMOTHERシリーズも出て当然の主要キャラが一通り揃っている中、何故かスピリットに存在していない。
ブンブーンやダンジョンおとこといったややマイナーなキャラや、彼が最後に乗り込んだ「ぜったいあんぜんカプセル」が存在するのに、しかもスマブラXでボスだったというれっきとした経歴があるにもかかわらず、である。おそらく今作のスピリット関連で最も疑問視されているキャラクターと言える。
ユーザーの間では彼が追加で参戦するフラグなのでは、彼は永久に不死身設定であるのでスピリットそのものにならないのではなどと様々な憶測が飛び交っているが、公式から言及されていないので当然ながらこの事情は不明…
ネスとポーキー
『2』においては幾度となくネスと衝突したポーキーだが、本音では彼を大切な友人と思っていた。ネスのことは馬鹿にしたり見下したりしているが、心の奥では、親の愛情に恵まれずねじくれた自分に普通に接してくれる唯一の友人であるネスのことを大事な存在として考えており、同時に親の愛に恵まれたネスを羨ましく思っていた。
『3』ではそれが顕著に示されており、ネスから貰った「ともだちのヨーヨー」を厳重に保管していたり、ネスの活躍をおさめた映画をニューポークシティの映画館で流していたりする。『2』でさんざんネスの妨害を行っていたポーキーだったが、その彼が作ったこの映画には、ポーキー自身の行動を脚色したり、ネスを貶めたりするような、作為的な描写が一切無い。彼がネスに嫉妬する一方で友情を感じ、大切な存在と見ていたことが分かる。
それは決して彼の一方通行の思い込みではなく、ネスも何だかんだで気に掛けていたのではないか、ポーキーの行動原理が両親に愛されなかった事にあると解っていたと思われる。ネスの旅の仲間達もポーキーの育った家庭の事とその行動原理の事をネスから話されていたか、察していた節も十分ある。
『2』のマジカントではネスの心理の中のポーキーがこう語っている。
「ネス、お前はいいよな…。なんかお前のことがうらやましいよ。
……。おれなんかダメさ。だけど、ネス…ま、いいよ。
いつまでも仲良くやっていこうぜ、な。」
つまり、ポーキーの理解者に最も近かったのはネスなのではないかと思われる。だがその真意を知る前にポーキーは時空間に飛び去ってしまい、やがては『3』の一連の悲劇とポーキーの悲惨な末路へとつながっていく。もし、もう少し早くお互いがお互いを理解できていれば、あるいはネスがより早くポーキーと話し合う事が出来ていれば、『3』の悲劇は回避され、ポーキーも悲惨な末路を迎えずに済んだのかもしれない。
ネタバレ注意
久美沙織の小説版『2』の結末について、
幼い頃はネス達のよき兄貴分だったが、入学後に上級生にいじめられていた所を目撃したネスに見て見ぬ振りをされたことが性格を歪ませる一因となった。
最終的に、ギーグ打倒後はポーキーはネスの兄という世界に変化し、仲の良い兄弟のままエンディングを迎えた。
なお、世界変化後は体格や性格もかなり変わっており、スポーツマン然とした面倒見の良い頼れる兄貴となっている。
また、ミンチ家はピッキーの一人っ子の家庭となっており、ネスの家との力関係も逆転している。
このように、小説版『2』の結末は『3』につながらない(と思われる)ものになっている(『2』の小説版が出たのが『3』よりもずっと前なので、『3』につながらないのもやむなしではある)。
おそらくポーキーの行動原理が「両親に愛されなかった事」にある事を、一番良く知っていたネスが望んでいた結末かもしれない。
色々と賛否両論ある小説版だが、興味があったらご覧いただきたい。
関連タグ
グルメッポーイ、藤堂武史・・・・彼同様、裕福な家庭ではあるものの、親の愛に恵まれていない家庭で育ったために悪の道に走ってしまった悪役。ただし両者とも最終的には改心している。
イーリス・ゼッペリン・・・・こちらも同じく、外道な事をした子供のボス繋がり。
ただしこちらはポーキーとは違い悲しい過去が全く無い上恵まれた環境で育っていたのにも関わらず生まれながらの悪であったため多少なりとも同情の余地があったポーキーよりもタチが悪く全く同情の余地がない外道である。
ダース・シディアス - 仮面の男との関係上、ポーキーはこの立場と同じといえる。ぶっちゃけ、ブタマスク連中はどう見てもストームトルーパーのパロディである。
マモー - 『3』でのポーキーの容姿はぶっちゃけ彼を彷彿させていて世界を滅ぼす野望を抱いたという共通点があるが、ポーキーは時空転移を繰り返した影響で不死身の力を持った死神の如き存在と化したのに対し、マモーはクローン技術によってあたかも不老不死であるように見せかけていた。
レッドスカル - MCUにおける死ぬよりも悲惨な末路を辿る事になった悪役繋がり。コズミック・キューブ(インフィニティ・ストーンの1つであるスペース・ストーン)を悪用して外道な事をした天罰によってインフィニティ・ストーンの1つであるソウル・ストーンのストーンキーパー(守護者)たる死神の如き存在に変えられて死ぬ事も許されずに惑星ヴォーミアに幽閉された。
アルヴィス - 同じ任天堂作品でかつ主人公の人生を崩壊させた悪事と一方でその哀しき境遇からプレイヤー内で意見が激しく分かれる悪役繋がり。
特に境遇に関しては彼もまたポーキーと同様に両親からの愛情に恵まれなかった過去があり、彼の悪事もそんな境遇が大きく影響している点が共通している。