ルクー
るくー
データ
身長 | 52m |
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体重 | 4万8千t |
別名 | 守護獣 |
出身地 | ウクバール |
概要
ウルトラマンガイア第29話「遠い町・ウクバール」に登場。
正式名称は「ルクーリオン」で、架空の街である空中都市「ウクバール」の頂点に立っている守護神のような存在とされる。
頭部には顔が無い代わりに不思議な音を立てて回転する球体が存在しており、シンバルのような足音を立てて歩く。
何の変哲もない穏やかな性格をした配送業の中年男性、永田。彼は武蔵野出身にも関わらずおとぎ話のような街ウクバールが故郷だと自称する。
ルクーは廃墟となった彼の生家に飾られているカレンダーに描かれた架空の生物と同じ外見をしている。
「ルクーが迎えに来る夢を見た。俺、ウクバールに帰るんだ。」と嬉しそうに語る永田に応えるかのように不思議な風の音と共に出現。
攻撃性は無いが怪力の持ち主で、V2になったウルトラマンガイアの制止をものともせずに永田の元へ向かおうとする。
ウルトラマンガイアのクァンタムストリームを受ける直前にウクバールのサイレンが鳴った(永田には空に浮かぶウクバールの姿が見えていた)ため、「ウクバールではサイレンが鳴るとみんな家路につく」という永田の言葉通り静かに消滅し、それと同時に永田も忽然と姿を消した。
ウクバールが本当に存在したのか、ルクーの正体は何だったのか、そして永田がどこへ消えたのかは不明である。ただし、XIGの吉田隊員は、永田は本当にウクバールの住人で、ルクーに連れられて帰って行ったのかもしれない…と考察している。
なお、戦闘機のビームの直撃を受けてもダメージを一切負わないどころか何の反応も示さなかったり、町中を平然と歩いているのになぜか町が破壊されている様子が一切無かったり、ルクーが映るカットのみ、映像が幻想のようにぼやけている演出が施されているなど、実体の存在しない幻のような存在であることを示唆する描写もあるが、真相は不明。
リアル志向の強い作風のウルトラマンガイアの中でも、この第29話は異彩を放っており、『ウルトラQ』のような、「日常に垣間見える奇妙な非現実」を描いた少し不思議なお話となっている。
ウクバール
永田が語っていた空中都市で、永田の家のカレンダーに描かれていた空に浮かんでいる都市。
永田曰く
- 何時も風が吹いており、空には大きな塔や風車が並んでおり、風が吹くたびにカラカラ音を立てて回っている。
- 階段がなく、塔に出入りするときは梯子を使う必要がある。
- 楽団があり、太鼓や笛の音がする。
- 雲の中に入ってしまうときがある。
- 西風が吹くとサーカスがやってくる。
- 時計がなく、夕方5時になるとサイレンが鳴る。すると大人は仕事を止め、子供は遊ぶのを止めて家路につく。
といった街らしい。
余談
脚本の太田愛はロボットのような怪獣を想定していたが、監督の原田昌樹の尻尾のあるものにしたいという意見により完成作品での姿となった。
ウクバールの名は、ホルヘ・ルイス・ボルヘスの小説『トレーン、ウクバール、オルビス・テルティウス』に登場する小アジアにあったとされる文明『ウクバール』からと思われる。また、イラクとアルジェリアにも同名の都市が存在する。
着ぐるみはΣズイグルに改造された。
永田の家にあったウクバールのカレンダーは、1966年…そう、『ウルトラマン』が放送された年である。今でも多くの人々に夢を与えているウルトラシリーズ、そして永田が夢見るきっかけとなったのは1966年のカレンダーといった繋がりがあるのだ。
前述の通りルクー登場回は『ガイア』らしからぬストーリーだったがこの回の脚本を担当したのは実相寺昭雄氏の関係者ではない。なお太田氏と実相寺氏が組むという案もありいくつか原案はあったが実現しなかった。