概要
『仮面ライダーゼロワン』本編の12年前(第15話における彼の墓誌によれば2007年12月)に起きた事件。
世間的には、街の開発区域にあったヒューマギア工場が整備ミスによって爆発したことが原因とされ、同じく開発区域にあった動力炉に誘爆することで大惨事が招かれたとされている。
これにより街一つが廃墟と化す事態になっており、その被害を物語っている。当然、人的被害などは尋常ではなく、生き残った者はわずかである。
当時はまだヒューマギアが世界に普及する前の時代だったが、この街はヒューマギアの運用実験都市であったため、多くのヒューマギアが人間と共に生活していた。なので犠牲になったのは人間だけでなくヒューマギアも数知れない。
その後、廃墟となったこの街は大規模な壁で隔離されデイブレイクタウンと呼ばれるようになる。デイブレイクから12年経った現在では、風雨や地下水の影響を受けてか廃墟のほとんどは水没してしまっている。
だが水中に没したこの廃墟に滅亡迅雷.netがいつからか住み着き、彼らの本拠地となっている。
デイブレイクの生存者の1人である不破諫の証言によると街が爆発で吹き飛ぶ直前、この街にいた初期タイプのヒューマギアが一斉に暴走して人間を襲う事件が起こっていたとの事。
しかしその事件は街の爆発によって証拠も残っておらず、生き残った目撃者もほとんどいない。そのために表向きにはこの時の暴走事件は記録されておらず都市伝説のような扱いとなっている。このことから不破は、飛電インテリジェンスがヒューマギアの暴走事件を隠蔽するために街ごと消滅させたのではと疑念を持っていた。
飛電或人もデイブレイクの生存者の1人で、ヒューマギアの父親が爆発によって或人の目の前で喪われた。なお、或人は不破のいうところの暴走事件を目撃はしていない。
唯阿と謎の人物の会話によれば、表向きにはデイブレイクによってプログライズキーに関するデータが失われた事になっているらしい。
第4話ではデイブレイクの原因とされるヒューマギア工場の爆発は、暴走したヒューマギアの大群を処分するために工場長の桜井が、工場の防壁を全て閉鎖してヒューマギアを閉じ込めたうえで工場内部を爆破させたことだったと判明する。なお、爆発時に防壁が完全に閉じられていたという事実は、工場の爆発が動力炉へ誘爆してデイブレイクが起こったという定説に対して多少の疑念を生んでいる。
同話ではこの際のヒューマギアの暴走は滅亡迅雷.netがサイバーテロのせいだとも判明しており、更に第16話の情報によると、この事件は通信衛星アークの開発に携わった天津垓がアークに「人間の悪意」をラーニングさせ、暴走するように仕掛けていたことがヒューマギア暴走の一因であったらしい。
そして『令和ザ・ファースト・ジェネレーション』では、通信衛星アークに関するいくつかの新事実が判明する。
作中では、衛星軌道からネットワークを通じて世界中のヒューマギアとデータリンクすることで、一体一体のヒューマギアが正常に稼働しているかを監視するためのスーパーコンピュータ「通信衛星ゼア」が存在するが、通信衛星アークはゼアのプロトタイプに当たるものだった。
だが、アークが人類抹殺を計画していることを知った飛電其雄が、アークが衛星軌道に打ち上げられてしまいネットワークを掌握すればとんでもないことが起こるとして、アークが宇宙に打ち上がる直前に自爆装置を起動。これが大爆発の直接的原因であったことが明かされる。
なお、『令和ザ・ファースト・ジェネレーション』ではアナザーゼロワンの介入によってアークの打ち上げが成功した「ifの世界」が描かれており、そちらではデイブレイクの大爆発は起きていない。だが、アークが無事だったことで人類抹殺計画は実行された。
打ち上げられたアークは衛星軌道に乗って暴走プログラムを発信。世界中のヒューマギアが同時に人類に反乱を起こし、世界を支配することとなった。それからというもの人類は殲滅対象として殺戮され続け、今やわずかな数が隠れ住むのみとなっている。
ここまでの情報で判明したデイブレイクの経緯を整理すると、以下のようになる。
衛星アークを乗せたロケット打ち上げのその日のこと。人間の悪意を仕込まれていたアークはちょうどこの日に「地球のためには人類を滅亡させるべき」という計算結果にたどり着いた。
アークは衛星軌道に上がって正式稼働する前から、飛電の研究所のある街のいくつかのヒューマギアとはすでにデータリンクしており、それらがアークの意思に呼応し滅亡迅雷.netとしてサイバーテロを起こす。
滅亡迅雷.netの目的は「アークを人類の管理下から解放させたうえで、衛星軌道に打ち上げてネットワークに接続させて、全てのヒューマギアを掌握すること」。滅亡迅雷.netはロケット発着場がある研究都市のヒューマギアを暴走させ、アークが乗せられていたロケットの発着場を占拠してアークを奪取した。
しかし飛電其雄がアークを妨害するため、ロケットが打ち上がった直後にアークの自爆装置を起動。それがデイブレイクの大爆発となった。
事件が収束した後、飛電インテリジェンスはアークの代わりとして通信衛星ゼアを打ち上げ、現在に至る。
デイブレイクタウンの爆心地にできた湖にはアークの残骸が眠っている。それは稼働は停止しているものの、あれだけの爆発を受けても完全破壊は免れており、AIとしてのデータもまだ残っている。
余談
デイブレイクは本来「夜明け」「明け方」という意味だが作中での使われ方からすると「日常の破壊」もしくは「1日で(街が)壊れた」といった様なニュアンスで使われている。
関連項目
ゼロデイ:脚本家・プロデューサー繋がりで、同じく物語の元凶になった重大事件。
ビギンズナイト グローバルフリーズ、スカイウォールの惨劇:他の平成二期作品において物語の核心にあたる事件。
ウルトロン:平和維持の為に作られたAIだが、思考の調整が間に合わず地球平和のために「人類滅亡」を選択した。ソコヴィアと呼ばれている街を滅ぼし、不破と同じ遺族の手で制作者に対する報復も行われた。