概要
正式名称は先進技術実証機、若しくはAdvanced Technological Demonstrator-X(ATD-X)。
「心神」はプロジェクト初期の部内における名称で、現在は公式・非公式のいずれにおいても使用されていない。
2016年1月末の報道公開と共に、型式名が「X-2」であることが判明した。
日本の防衛省の技術研究本部と三菱重工業とで開発・研究が進められている技術実証機。アメリカのF-22やロシアのPAK-FAなど、高いステルス技術が用いられている第5世代ジェット戦闘機が登場している中で、これらに準じる性能の戦闘機やレーダーを国内で新規開発する為の技術開発と検証を目的として制作されている。
一部では日本の次期主力戦闘機(F-X)として期待されているが、本機はあくまで技術実証機であり、戦闘力は皆無。実際、次期主力戦闘機としてはI3 FIGHTERという別のプランが存在する為、戦闘機として実用化される可能性は無い。
簡単に言えば、ステルス戦闘機が飛んできた場合、レーダーでどのように捉えられるのかといったような実験と、自国で戦闘機を作るノウハウの産出・維持の為に、「ステルス性能を持ったジェット航空機を自前で作ってみよう」という計画の産物でしかない。
したがって、機関砲やミサイルを搭載する事など設計段階からして全く考慮されておらず、仮に戦闘用として実用化しようとした場合、殆ど作り直しというレベルでの設計変更が必要である。
実際、機体サイズは全長14メートル、全幅9メートルと、F-35A(L:15.6m・W:10.6m)、PAK-FA(L:19.8m・W:14m)に比べて小柄。
これは、搭載する実証用のエンジンXF5-12基の出力に見合った機体規模とする為でもある。
開発費圧縮の為、コックピットの座席とキャノピーは国産の中等練習機T-4(当初はF-1支援戦闘機のキャノピー)のものを、ランディングギアには高等練習機T-2の物を流用して設計されている。
搭載するエンジン「XF5-1」はIHIを主契約企業として実施された「実証エンジンの研究」により開発されたものであり、2008年に開発が完了したものである(機体とエンジンには別々の主契約企業が存在するのが航空機の世界である)。AB付き低バイパス比ターボファンエンジンであり、T-4練習機用のF3エンジンにABが追加されたXF3-400の研究成果も生かされている。またXF5-1の研究成果はP-1哨戒機用の高バイパス比ターボファンエンジンF7-10にも流用され、こちらは2007年に初飛行している。
エンジン排気口には各々3枚の推力変更パドルが装備され、空中機動性の向上に一役買うものと推定される(推力変更パドルは1990年に初飛行したNASAのX-31やF-18 HARV改修型にも採用されている)。
実際、推力偏向ノズルやパドルを持つ飛行機が「変態機動」とも称される空戦機動(ヘルプスト機動・プガチョフ・コブラなど)をやってのけている事から、当機もそれに近い機動力を持つと思われる。
フィクションでの登場
『エースコンバットインフィニティ』では、アップデート第7弾にて新機種の「ATD-0」が追加された。
これは「もしATD-Xを実戦配備用に改修したら」というもので、本機のデザインには防衛省技術研究本部も協力している。
機関砲こそF-22等のように内蔵式だが、ミサイルは主翼に追加された兵装ステーションに懸架される外装式となっており、実機のエンジンが最低限の出力しかない為か速度性能は劣る。
獲得可能な通り名は「和の心」、「戦闘証明済み」(ゲーム中では実戦投入可能なことから)、「可能性の翼」。
関連イラスト
なおX-2という型式名から、こっちのX-2を想像する人も...