概要
サクラ大戦シリーズに度々登場する魔物の総称。
「サクラ大戦原画&設定資料集」によると、その正体は1521年に北条氏綱によって行われた降魔実験の失敗により汚染され、江戸湾に沈められた「大和」の地で亡くなった数万もの住民の怨念が生み出した生物で、歴史上初めて降魔が出現したのは1530年代で、当初は意思を持たない不定型の有機体だったが、やがて知性を持つようになったとされている。
また降魔には上級降魔(資料集では「上位降魔」と明記)と下級降魔(同「下位降魔」)が存在し、下級降魔は人間に取り付き個体進化を遂げたもので、頭部こそが実体であり、身体は取り付かれた人間の身体が変化したものであるとあり、上級降魔は人に取り付いた下級降魔が個体進化し、高い知性と妖力を手に入れ、姿も人に近くなったものと紹介されている(資料集143P)。
但し、降魔の形態は様々であり、頭部のみで活動し通常の蛇の様な姿の降魔も確認されている。下級になるとまるでコウモリの翼の生えたエイリアンのような姿になり、大きさは猫サイズ〜自動車サイズ〜ゴジラレベルの怪獣サイズと幅広い。また上級になると人型だけでなく、獣人型で言葉を話す降魔がボスとして登場しており、その実態や誕生理由は様々である。
1作目では、本編の前日談に当たる「降魔戦争」において首都機能を壊滅状態にするほどの大被害を与えるが、米田一基率いる陸軍対降魔部隊によって全てが地下深くに封印される。しかし後に葵叉丹の手によって復活させられる。
続編のサクラ大戦2では、京極慶吾率いる黒鬼会の隠れ蓑である陸軍の一部が降魔を兵器にしようとしていたらしく、幹部で技師の木喰が開発した機械・武器等が取り付けられて改造された「降魔兵器」という個体が登場した。
劇場版「サクラ大戦 活動写真」では、アメリカの武器メーカーダグラス・スチュアート社のブレント・ファーロングによって陸軍の資料をもとに培養された、降魔兵器の改良型と思われる種が登場。
一部は表向き対降魔用兵器として登場した無人霊子甲冑「ヤフキエル」に偽装され、かりそめの戦いを演じていた。
サクラ大戦4以降(熱き血潮にを除く)の帝都シリーズには登場しなかったが、スピンオフ作品荒野のサムライ娘ではヤフキエルのバリエーションや後継機が、同じく君あるがためでは世界中で出現しているなどというという描写がされていた。劇場版のガイドブックである「サクラ大戦活動写真―サクラムービーロマンチカ」には、関ケ原の戦いのおり天海が降魔を実戦に投入したという記述があり、降魔は大和が封印されている帝都以外、世界中でも出現する事が示唆されている。
そして時を経て、新サクラ大戦で再登場。全ての降魔を統べる降魔皇がいる事が明かされた。ゲーム開始の10年前(太正19年)に起きた降魔大戦で帝国華撃団・巴里華撃団・紐育華撃団と戦い、彼女達と共に封印されたが、生き残った上級降魔達が降魔皇の復活を目論み暗躍した。その企みは新生帝国華撃団によって阻止されたが、降魔皇は今も健在である。
新サクラ大戦のアニメ版では、人間と降魔の間に生まれた(半降魔の)子供が登場した。外見は人間と変わらないが、目を赤く輝かせる事が出来る。
また、降魔の中にも人間との共存を望み、人間社会に溶け込んでいる者が少なからずおり、降魔の考えは一枚岩ではない。
一覧
格闘型
- 鉤爪
紫色の降魔。最も多く見られる種で、その名の通り剛腕による攻撃を得意とする。
- 万雷
鍵爪を模した(あるいは素体とした)、最もスタンダードな降魔兵器。同じく紫色の体色。
こちらは噛みつきによる攻撃を主とする。
- 界雷
万雷の強化タイプ。濃い紫色をしている。
- 驟雨
漆黒の降魔兵器。降魔兵器の最高傑作とも言われ、
高い耐久力に加え、複数の敵機を同時に相手にすることが出来るほど攻撃性能にも優れている。
- 悪裂
体当たりしかしてこないが、背中に位置する部分の産卵器官から己の分身を生み出す。
- 剛裂
悪裂の上位クラス。頭部には無数の吸盤がある。
サイボーグ型
- ダグラス社製降魔
万雷や界雷のような紫色のサイボーグ降魔。
身体に取り付けられたメカの形状がかなり異なっており、
陸軍製の降魔兵器とはまた別のアプローチが試みられているようだ。
- 狂骨
傀儡機兵と融合した巨大サイズの降魔。
巨大な体から繰り出す力任せの技で花組の霊子戦闘機・無限を圧倒する。
射撃型
- 液射
緑色(熱き血潮にでは茶色)のタイプの降魔。口から溶解液を吐きつけてくる。
別種に「酸弾」がいるため、酸ではないのかもしれない。
熱き血潮にでは、グロい物体を生みだし、そこから三体の小降魔を発生させ特攻させる技を持つ。
- 烈風
あざやかな黄緑色の降魔兵器。翼で突風を起こして攻撃する。
- 颶風
烈風の強化型、深緑色の降魔兵器。かなりの長射程の鎌鼬を飛ばしてくる。
広範囲射撃型
- 酸弾
黄土色(熱き血潮にでは緑色)をした降魔。
上空に向けて酸を降らせ、広範囲に飛び散る溶解液を撒き散らす強敵。
打たれ弱いのが唯一の弱点。
- 閃光
青色の降魔兵器。口からは液体ではなく無数のロケット弾を発射する。
- 竜光
閃光を改良した、紺色の降魔兵器。射程、爆撃範囲共にかなりの広範囲に拡大されている。
火焔放射型
- 炎の降魔
火山地帯のような、高温の環境により変化した降魔。
爆炎の術を習得している。
- 千歳降魔/牡丹降魔/山吹降魔/竜胆降魔
溶解液ではなく、炎を吐いて攻撃を仕掛けてくる。
上位の種となると、視界外から、なおかつ壁や障害物をすり抜けて命中する炎を使う。
- 業火
口から火炎を吐く降魔。
- 黒炎
業火の上位クラス。機械で強化され、口から灼熱の魔弾を吐く。
有毒型
- 毒々降魔
毒による攻撃能力を身につけた降魔。
- 強化降魔
強力な毒を身体に浸透させることによって、身体能力を強化している。
だが、その毒によって徐々に体を痛めてもゆく。
治癒型
- 稲妻
脇侍改・エル特型と同じく、友軍機の修理機能を備えた銀色の降魔兵器。
幼生
- こうまっち
猫の生首のような物体。それほど可愛くもない。牙をむいて襲い来る。
- 降魔ハガー
小動物大まで成長したもの。人間を食らい、取り付く。
上級降魔
1作目では、葵叉丹が部下とした(反魂の術で復活させたとも言われる)猪・鹿・蝶の黄昏の三騎士と、自身の呪術によって瀕死の藤枝あやめを変身させた殺女の四人が登場。黒之巣会の面々をしのぐ実力を持っており、操る魔操機兵は黄昏の三騎士はそれぞれ火輪、氷刃、紫電の各「不動」、殺女は赤紫の「神威」である。
叉丹自身も降魔への甚だしい執念が垣間見る言動や、元々対降魔部隊の一員であった山崎真之介が闇堕ちして西洋世界の悪魔王サタンを取り込んだ成れの果てである事から(小説版で明かされている)、人間から降魔と化したと思われる。
新サクラ大戦においては新たに夜叉と朧の上級降魔が登場する。2人は魔幻空間という独自の異空間を作って一定の地域を周囲から隔絶する力を持ち、それぞれ「神滅」と「荒吐」という魔装機兵を操縦する。
実は2人の他にも上級降魔がおり、第3回華撃団大戦の裏で暗躍していた。
降魔人間(ナディエージダ)
上級降魔の細胞を基にした『M細胞』を用いて生み出された降魔と人間のハイブリッド体。
普段は人間と同じ姿をしているが、力を解放することによって上級降魔の姿に変化する。
元々は降魔研究者のナターリャ・ルシュコヴァが人と降魔の共存を目的に研究しており、その末に2人の降魔人間が誕生した。
しかし、ナターリャの研究チームに所属していたある男が自らの野望のために2人を手に入れようと企んでいた。