※本来の意味での「ベルセルク」については、バーサーカーの項目を参照。
作品の概要
“竜殺し”と称される巨大な剣を得物とした、ある種超人とも言える主人公ガッツの復讐と愛憎の逃避行を描いたダーク・ファンタジー。
白泉社刊行のコミック誌「月刊アニマルハウス」の1989年10月号より連載開始。その後、同誌が「ヤングアニマル」としてリニューアルされ隔週誌になった後も、主力作品として掲載は続けられ単行本も35巻以上を数えながら現在に至る。
作品の舞台
封建君主制度が支配している中世ヨーロッパ風の世界。いわゆる「剣と魔法の世界」ではあるが、全体的に作品世界には重くおどろおどろしい空気が立ちこめている。
ある程度は国などの名称も設定されているが、具体的な世界地図の様な物は登場しない。また「魔法」や「妖精」が登場するが、世界の住人として当たり前と言うよりは、人智を越えた存在として認識され、あるいは恐れられてもいる。ただ、妖精(エルフ)に関しては一部では「幸運の精霊(スピリット)」として親しむ人々もいる模様。
主な登場人物
ガッツ一行
作品の主人公。自身の身の丈を超える巨大な剣を武器として使う無双の戦士。全身を黒い鎧で覆い、“黒い剣士”の異名を持つ。かつての親友グリフィスの裏切りにより、首筋に「生贄の烙印」を刻まれ、魔界の住人から付け狙われる存在と成る。
ガッツの想い人。ガッツとは相思相愛だったが、グリフィスの裏切りにより魔界の影響を受ける。その際に記憶と言葉を失い赤児のように成ってしまう。「生贄の烙印」の位置は左胸。
他 : パック, イシドロ, ファルネーゼ, セルピコ, シールケ, イバレラ, マニフィコ, ロデリック
鷹の団
ガッツの親友にして復讐の対象。容姿端麗の美青年であり、かつてはガッツの憧れの存在であった。しかし魔界の住人と契約し、ガッツをはじめとする鷹の団の面々を生け贄として捧げ自ら「ゴッド・ハンド」へと転生する。
新生鷹の団 : ソーニャ, ゾッド, ラクシャス, ロクス, アーヴァイン,グルンベルド
使徒
降魔の儀によって人間から転生した異形の怪物。ゴッドハンドの下僕。普段は人間に擬態しているが、本性を表すと醜い姿に変貌し、驚異的な戦闘能力と再生力を発揮する。彼等の唯一の戒律は「自らの望むままを行う」事。
使徒擬(もどき)
使徒の手で怪物にされ、超常的な力を得た元人間。使徒に意思を乗っ取られている場合が多いが、人間であった頃の思考がその行動パターンに出る事も。あくまで二次的な変異のため、ほとんどの場合戦闘力は使徒に劣るが、中にはモズグス様のような例外も存在する。
使徒擬:ゾンダーク,霧の谷の妖精,モズグス
悪霊
恨み、無念などを残して死んだ者の魂が現世(うつよ)にさまよい出たもの。自我はほとんどなく、飢餓感や苦痛から逃れようと闇雲に襲い掛かる。人間や動物に取り付いて欲望のままに行動させたり、死体や雪・泥などの無生物を動かして襲い掛かる事もある。太陽の光や炎に弱い。烙印の者となったガッツやキャスカは彼らを常に引き寄せる事となった。だが魔女フローラ、またその弟子のシールケの魔術護符により、現在その出現は抑えられている。
悪霊:悪霊,夢魔(インキュバス)
ゴッド・ハンド
真紅のベヘリット「覇王の卵」によって人間から転生した、すべての使徒を統べる存在。数々の超常的な能力も誇っている。5人存在し、グリフィスはその5人の内最後のひとり「フェムト」に当る。
メディアミックス
同作品はコミックのみに止まらず、様々な形でメディアミックス展開されている。
アニメ
1997年に日本テレビ系列でTVアニメ化もされた。アニメ時のタイトルは「剣風伝奇ベルセルク」。
概ね原作コミックを踏襲する形で映像化されているが、一部の暴力表現やキャラクターの外観などがマイルドに変更されている。
コンピューターゲーム
現在までに以下の2つがゲーム化されている。
- ベルセルク -千年帝国の鷹篇 喪失花の章-
1999年12月に発売された、ドリームキャスト用アクションゲーム。開発はユークス、販売はアスキー。
原作者の三浦建太郎は当初、完成作品を「ゴールデンアックス」の様な“横スクロールアクション”を想像していたため。実際に出来上がったゲームが3D作品であったことに関して、裏切られた様な思いがあった旨の事を述べている(最終的には出来に満足していると述べている)。尚、三浦建太郎はかなりのヘビーゲーマーである。
- ベルセルク -千年帝国の鷹篇 聖魔戦記の章-
2004年10月に発売された、PlayStation2用アクションアドベンチャーゲーム。販売はサミー。
トレーディングカードゲーム
2003年から2004年にかけてコナミから発売。全4弾。カードは全200種類からなる。