概要
ガッツが盗賊から助けた少女『ジル』の村の出身。ジルより4歳年上。
野遊びやガラクタ集めといった、男の子のような遊びが好きな快活な少女で、ジルとは姉妹のように仲の良い親友だった。
『仲間はずれのピーカフ』という妖精の御伽話を好み、妖精の国の住人を自称していた。
産まれる前、村が戦争に巻き込まれた際、母親が兵士に暴行されたため、父親からは「血のつながらない子供」と疑われ、母と共にたびたび暴力を振るわれており、家庭環境は荒れていた。
ある時、家族に嫌気がさしたロシーヌはガラクタ集めで得た一番の宝物であるベヘリットを持ち、妖精の伝説が伝わる「霧の谷」へ向ったものの、そこには何もなく虚しさに包まれる。更にその場に連れ戻しにきた両親との諍いに絶望したロシーヌにベヘリットが反応。ロシーヌは両親を生贄に捧げて使徒へと転生した。
本編には『蝕』の前に、鷹の団別働隊を全滅させた使徒の一体として登場。
唯一の生き残りであるリッケルトに妖精恐怖症を植えつけた張本人でもある。
その後は近隣の村を襲っては子供をさらって仲間=使徒もどきに変貌させ「霧の谷」を魔物で溢れた自らの根城にしていた。
仲間になるようジルを霧の谷へと誘うが、追ってきたガッツとの激戦の末倒される。
『本物のエルフ』であるパックと出会えたジルに安心し、朦朧とした意識のまま、帰る事のない旅路へと飛び立った。
姿、能力
透き通った羽のような長い髪。首周りにはふわふわした体毛を持った裸身の美少女。
彼女が願った「エルフの女王」の姿である。
半使徒化すると前頭部にある三筋の髪の毛が口吻と触角になり、眼が複眼化。
羽根はヤママユガ科(オオミズアオに酷似)のような模様に変化する。
燐粉は痺れ毒を含み、しばらくガッツを苦しめる事になった。
完全に使徒化すると巨大蛾の形態に(ロシーヌ本体は再び人間に近い容貌となって頭部の透明な殻の中に上半身が収まる)。腹部はホタルのような発光器官兼高速飛行用推進器官がある。
最大速度が音速を越えるため、すれ違うだけでソニックブームが発生した。
使徒もどき
さらわれた子供達は繭で包まれ、妖精もどきの姿へ転生する。子供の為、無邪気でいたずら好き。
同時に力を持つがゆえの残酷性も持ち、村を襲っては人も動物も身体ごと貫通して喰らい、仲間同士の「戦争ごっこ」で本気で殺しあう事も厭わない。戦闘形態はスズメバチのような姿。
虫の特性として炎に弱く、身体の小ささゆえにドラゴン殺しでまとめて潰せる程度には脆い身であったが、夜には幼魔の介入で燃える子供の死霊として呼び寄せられた。
ガッツ自身、酷薄な幼少期を過ごした事と、ユリウス将軍暗殺の際、幼い息子のアドニスを巻き添えで殺したトラウマもあり、『子供』であるロシーヌ、使徒もどき共に「やりにくい相手」だったかも知れない。実際ガッツは罪悪感、嫌悪感から何度か嘔吐しており、またロシーヌを三回ほど「斬り損なって」いる。
また盗賊達を初めとした大人達は、虫型の使徒もどきへと変身させられ、森の守護者-ガーディアン-としてガッツの行く手を阻んだ。
中でも強敵なのが騎士から転生したカブトムシ型とカマキリ型の使徒もどき(鷹の団別働隊を襲ったもの)で、パワータイプとスピードタイプのコンビネーションで一時はガッツを追い詰めた。しかし、とっさに編み出された大砲回転斬りによって倒される。
- 以後、大砲回転斬りは本編内で何度か使われ、ゲームにも必殺技として取り入れられている。
ロストチルドレンの章は(特に子供の関わる)虐待と殺戮という、その凄惨な内容もあってか、1度もアニメ化・映像化されていない。ただ、似たような事情を抱えるワイアルドと違い、ロシーヌ自体は旧アニメ版の中で『蝕』の前の別動隊襲撃の際に原作同様に姿だけは見せている(原作では髑髏の騎士を前に撤退していったが、旧アニメ版では彼女の登場で場面が転換し、その後どうなるのかは不明)。