伊吹コウジ
いぶきこうじ
概要
「伊吹コウジ」とは、漫画版『ヴァンガード0』と劇場版アニメ『劇場版カードファイト!!ヴァンガード ネオンメサイア』(以下映画版と略す)及びアニメカードファイト!!ヴァンガードG(以下Gと略す)、カードファイト!!ヴァンガード外伝イフ-if-に登場するキャラクターである。
映画版で語られた設定によると、小学生時代の櫂トシキと三和タイシの同級生。
性格は根暗で気弱であるが、ヴァンガードファイターとしては優秀で、櫂トシキと彼と同じ高校に通う三和タイシにヴァンガードを教えた先導者でもある。
ヴァンガードG
Gでは鍵を握る人物。
「ネオンメサイア」と同一人物であるが、多少物腰が柔らかくなっている。
ビジュアルも劇場版と多少違う。(特に髪が…うどんとか言っちゃいけない。)
ユナイテッド・サンクチュアリ支部の関係者であるが、詳細、目的は未だ不明。
クエストを受けて待ち合わせをしていた新導クロノと『依頼人の代理』として現れ、彼とファイトすることになり、そこで彼の未熟さを思い知らせるかのようなファイトをする。
そして次第にクロノを追い詰めるも、「GEARS」が緊急停止したため、ファイトは中断されてしまい、クロノに名を名乗らないまま「知りたければ、強くなれ」と言葉を残し、彼の元から去った。
第12話ではクロノとハイメ・アルカラスのファイトを陰から観戦し、安城マモルにクロノのファイトを見て「運が良かっただけ」と評している。
22話にて、ヴァンガードをやめようとするクロノに対しカウンセリングファイトを仕掛け、見事更生に成功させた。(尚この時点ではまだ名乗っていない)
24話において安城マモルに誘われ居酒屋で飲みながらファイトし(飲食しながらファイトはやめましょう)、ユナイテッドサンクチュアリ支部の不穏な噂に対する相談を含めて交わされた会話の中で何かしらの思惑を抱えている事が示唆された。(因みにほっとした様な描写もあった。)
Gの第12話でヴァンガード普及協会「ユナイテッドサンクチュアリ支部(通称・ユナサン支部)」に在籍、24話で正確には本部からの派遣された協会員であることが判明している。
そして全国大会の予選でユナサン支部の直属チーム「チーム・ディマイズ」のコーチである事が視聴者とクロノの両方に判明し、その姿を目撃したカムイにユナサン支部の事を含めた現状を問われ、ファイトを通じて自分の目的をカムイに説明する。この時点では「ヴァンガードの未来」に関わっているものと語っていたが…。
ディマイズとトライスリーのファイトが終わった後、偶然クロノと鉢合わせて、かつてクロノに放った「ファイトに現れる人間性」と合わせ、「(ディマイズに負けた)この結果が今のお前たちの全てだ」と言い去っている(この時点でもまた名乗らなかった)。
明日川タイヨウの変貌をはじめ、勝利主義の蔓延るユナサン支部の闇を見たクロノの前に姿を現し、ユナサンの横暴を含め「タイヨウが(勝利主義に染まった事を指して)あんな風になったのはお前の指導のせいか」と責めるクロノの言葉を肯定した事で彼の怒りを買う。
その後、来日したハイメに「クロノドラゴン・ネクステージ」のカードをクロノに渡すよう頼み、その際に自分が渡したことを伝えない様にしていた。
ディマイズとクロノ達トライスリーのスペシャルマッチの最中、神崎の野望の根幹である「ディペンドカード」を強奪、更にはその研究データを抹消して神崎へ宛てて聖書の文句を引用した皮肉のメッセージを残す。その後にカムイへ、クロノ達に神崎の真意を見せる為必要な物(ユナサン支部のセキュリティカードやマップ)、そしてクロノへの「タイヨウを頼む」という伝言と奪取したディペンドカードを託している。
支部を去った後、伊吹は自分同様にユナサン支部を去った東雲ショウマと対峙し、まさかのリアルファイト展開に。
その際に東雲から、自分の行動がメサイアスクランブルでの行いの贖罪かと問われており、「劇場版」と「ヴァンガードG」の物語が地続きであることが完全に明言された。
その問いに応えず東雲を一蹴した伊吹は「自らトリガーを引くつもりのないファイターなど、相手にする価値もない」と吐き捨てている。
クロノとの二戦目、東雲と戦っている最中の回想で劇場版直後の伊吹の動向が明かされた。
メサイアスクランブル後、放浪していた伊吹はどこかの砂漠の街で謎の人物と出会い、そこでギアクロニクルの存在を知る。更にその人物から、ヴァンガードの未来に関わる「ある人物の野望」を教えられている。
スペシャルマッチ終了後、神崎が支部長を辞任したユナサン支部の立て直しのため、本部から派遣された伊吹はディペンドカードの研究施設の撤去、神崎の方針に異議を唱え排除されたスタッフの復帰などの事後処理に現れ、レンを支部長の後任と決めていた。
タイヨウに渡した地図の通りに現れたクロノに真意を語ろうとするも、今までの自分のやり方に納得のいかないクロノからファイトを挑まれる。
激闘の果てにクロノに敗北し、約束通り(すでに知っているとはいえ)自分の口から名乗り、和解する。
伊吹「伊吹コウジだ」
クロノ「知ってた」
真意
G48話で明かされた彼の真意、それは「明神リューズ」なる人物の野望を阻止する事であった。砂漠で出会った新導ライブらしき人物からギアクロニクル、ディペンドカードの事を聞かされた伊吹は明神の野望を阻止するために行動を開始した。
そのためにディペンドカードを持つ神崎に近づき、その行動に手を貸したが明神は動かなかったらしく、更に大掛かりな仕掛けとして「Plan.G」なるものを計画している。
話を立ち聞きした安城マモルが普及協会そのものが明神の野望に関わっているのかと言う問いには答えず、それを知ることは命の危険がある事を暗に示した言葉を返している。
どうやら以前の飲み会ではマモルが明神側の人間ではないかと疑い、(一応は)そうで無かった事にホッとしていたらしい。
まさかの…
そしてクロノとのファイトから数日後、クロノの下駄箱にカードを入れた封筒を入れようとしている所をクロノ達に見られ(しかも構わず下駄箱に封筒を入れている)、何事もなかったかのように去り一言、「ばれたか」と呟いている。
視聴者からはクロノにカードを送っていた人物として以前から本命として推測され、ネクステージの件から確信になりつつあったが、カードの送り主はやはり彼であった。
つまりはあのソバの出前も伊吹が頼んだものだったのだろうか。
続く「ギアースクライシス編」では、明神の動向を掴むためのプランとして、櫂トシキ達に協力を頼んでGクエストを隠れ蓑にしたと思われる「Plan.G」を発動した。
現在も鴉を連れてるかは不明。
2018年版
原作漫画版をベースとした2018年版アニメにも登場。ただし、劇場版とは設定が微妙に異なる。時系列的には「G」よりも前で当時は福原高校の2年生。
当初は一時期ヴァンガードから離れていたため、周りからファイターとして認識されず、一匹狼のような面を見せていた。劇場版と同様『デリーター』と呼ばれるユニットを使用し、劇中ではテツやキョウ、櫂を次々とデリートした後、PSYクオリアゾンビと化したアイチもデリートするものの、惑星クレイの助けで元に戻ったアイチの猛攻により敗北する。
2018年版の続編「続・高校生編」では安らぎを取り戻したが、その記憶は失ってしまった。現在も一匹狼のような立場でテツからヴァンガード部への入部を拒否されている。またこの頃では過去にアイチとのファイトを思い出し自分が変わったことを悩んでおり、同時にグレイヲンの悪夢に苦しめられている。
外伝イフ-if-
『カードファイト!!ヴァンガード外伝イフ-if-』にも登場し、先導エミ、シュカ、立凪スイコと共にメインキャラになった。
ある日、ノームとスイコに呼び出されて、世の中の出来事をすべて記述した書物「アカシック・ブック」に吸い込まれる形で異なる世界(つまりカードファイトが通用しない世界)に飛ばされてしまい、そこでエミとシュカに出会う。
本作では、シュカから『おじさん』と呼ばれたり、ジャマーに対してカードファイトを挑もうとして蹴散らされれるなど従来に比べてコミカルな面が多くなっている。どうしてこうなった?
ジャマー伊吹
第1・2話で登場する伊吹に化けたジャマー。if本編で最初に対決した敵である。
容姿こそG時系列の伊吹(20歳)である。
…だが、序盤で既に行動が怪しい。その行動原理は Gの主人公である新導クロノのロッカーにギアクロニクルデッキが入った封筒の代わりに大量のゴミなどを入れるというものであった。更にクロノが通う学校から去る時に謎の変な動きで逃げるかのように去って行くなど、如何にも伊吹らしくない行動もしていた。
その途端、(本物の)伊吹とエミ、シュカに見つかり、このギアクロニクルデッキをゴミ箱に捨てた未来の自分の正体が偽物(ジャマー)だと発覚する。
ついに正体を現したジャマーは、伊吹が昔使っていたユニット『絆の根絶者 グレイヲン』の姿に変身し、勝負を挑んだ伊吹をあっけなく返り討ちにするが、エミとシュカが召喚したギアクロニクルのユニット『クロノジェット・ドラゴン』の猛攻によりダメージを喰らい、最後はブラスターブレードの攻撃によって倒された。その後、ジャマーによって入れ替わっていた未来の伊吹は元の世界に戻り、歴史も修復された。
もしこの歴史が修正されていなかったとしたら、Gシリーズ及び新導クロノ達の歴史に大きな影響が出ていたと思われる。
使用クラン
劇場版及び2018年版では『リンクジョーカー』を使用する。『デリーター』(根絶者とも)と呼ばれる、ユニットを裏向きにして能力とパワーを失わせる能力を持ったユニットを多用する。
漫画版では『デリーター』が『リンクジョーカー』のユニットであることは明言されていない。
Gシリーズではかげろうのデッキを使ってGの主人公である新導クロノと対決したが、22話においてメサイアデッキを使用した。こちらがG時系列の彼の本来の仕様デッキの模様。
なお、彼本来のデッキのファーストヴァンガードである「ネオンメサイア」は劇場版のラストシーンにて先導アイチより譲渡された「ハーモニクスメサイア」が変化したカードである。
漫画版及び2018年版の続きである「続・高校生編」でも同様にメサイアデッキを手にし、同じ福原高校のファイターである鳴海アサカと対決した。