概要
劇団東芸⇒テアトル・エコーを経て、死去するまでは青二プロダクションに所属していた。
アニメ『ゲゲゲの鬼太郎]]』では、目玉おやじの声優を(第1作目より殆どの媒体において)田の中が担当していた。
コミカルな印象の声とは裏腹に、芸に対しては非常にストイックな人物であったと言われる。特に物真似タレントが自身の声を真似る事に関しては「ただ裏声で叫んでいるだけで少しも真似になっていない」などと発言している。また、その芸に対する真面目さを表すエピソードとして、自身の持ち役である目玉おやじがシリーズが進むたびに半ばマスコットのような存在として扱われることに違和感を抱いていた一面もあったことでも知られており、その例として某番組から出演依頼があったが、番組で行われたアンケートの集計で目玉おやじに対して高い票が集まったことを説明されると『私はランキングというものが嫌いなんですよ』と言って、自身が出演することを固辞したこともある(ただし、妥協案としてプロフィールで使用されていた写真を公表することは許可した)。
そのためか、墓場鬼太郎でのインタビューでは映像出演をせず、5期の映画版において舞台裏を撮影した映像でも、山本圭子共々少し姿が映ったのみで終わっている。
一方で、実際は顔出しでドラマ出演経験も昔はあった事から、テレビが不慣れでもなく、ノリが良い面を見せたこともある。鬼太郎3期放送時には顔出し出演した経験がある他、実写映画のPRでウエンツ瑛士とともにバラエティ番組に参加(田の中は声の出演のみ)した際は、振りや掛け合いを惜しまずやっていたことから、番組出演者に驚かれていた。
このエピソードにも見てわかるように、共演者である大塚周夫に負けず劣らずアドリブが得意で、たまにダジャレを入れることがあった。特にマスコット化していじられていた5期ではこれまでの目玉おやじにはないような声域を使ったり、「◯◯かよ……」と若々しい突っ込みを飛ばしたこともある。
鬼太郎で共演した野沢雅子、大塚周夫とは劇団東芸時代に一緒だった時期がある。このため遠慮なく三人で芝居に対して意見交換が出来ていたという。特に野沢とは交流が深く、野沢は自分よりも(田の中が)女性っぽいという理由でプライベートでは「田の子さん」と呼んでいた。また大塚はオカマっぽい演技について田の中から意見を出された経験があり、田の中自身のオネエ演技の巧みさから冗談交じりに「(オカマ)そっちの気があった」と言いつつ評価していた。
2010年1月13日、心筋梗塞のため東京都世田谷区の自宅で亡くなっているのを家族によって発見された。77歳没。
ちなみに亡くなった4日後の1月17日には郷里大輔の死去が伝えられ、同じ事務所で多数の作品で共演しており、この相次ぐ突然の訃報は多くのファンに衝撃を与えた。
鬼太郎の原作者である水木しげるは「とりわけ印象的」とコメントを残している。
逝去後、ライフワークとなった目玉おやじの役には代役が立てられていった一方、ペルソナシリーズのイゴール役については、ライブラリ出演として以降の作品や後のアニメでも生前の録音データを上手く使いまわしたり、別個体を登場させるなどし、セリフ量の少なさによる違和感を軽減させながら出演を続けている状況である。
出演作
目玉おやじ(ゲゲゲの鬼太郎)*1 | 本官さん(天才バカボン) | シンドブック(魔法のプリンセスミンキーモモ※第1作) |
ヨナルデパズトーリ(悪魔くん) | ショウジョウ(ONEPIECE) | イゴール*2(ペルソナシリーズ) |
ピッコロモン(デジモンアドベンチャー)*3 | ダ・ヴィンチ(マリー&ガリー)*4 | 老界王神(ドラゴンボールZ※ゲーム)*5 |
*1 生前はテレビシリーズで一度だけ、田の中の体調不良の為に急遽大竹宏が代役を担当した事があった(アニメ第2作の第4話『雨ふり天狗』)。没後のメディア作品での担当者は、青野武(NHKハイビジョン特集『鬼太郎 幸せ探しの旅〜100年後の遠野物語』)、島田敏(ドラマ『水木しげるのゲゲゲの怪談』)などを経て、アニメ第6期から初代鬼太郎役だった野沢雅子が正式に引き継いだ。
*2 田の中の没後、一部の作品でライブラリ出演している。没後に発売のナンバリング最新作『ペルソナ5』では津嘉山正種が担当。しかし田の中のライブラリも使用されており、未だにイゴール役として声は生き続けている。
*3 没後における代役は三ツ矢雄二(PSPゲーム『デジモンアドベンチャー』)。
*4 後任は青野武(ver.2.0で担当)。なお、田の中が死去した直後に放映された第1期の残りのエピソードでは姿のみの登場となっていた。
*5 故・野本礼三の代役。田の中はゲーム『ドラゴンボールZ3』〜『レイジングブラスト』で担当。なお、田の中の没後に制作されたゲーム『アルティメットブラスト』、映画『神と神』では田中亮一が担当。