※この映画は旧アニメ版『鋼の錬金術師』の正式な後日談です。
以下の記述には旧アニメ版終盤の重大なネタバレを数多く含みます。ご了承ください。
概要
アニメ鋼の錬金術師(2003年版)の完結編として2005年7月に公開された映画。
弟アルフォンス・エルリックを救うために別世界(我々の現実世界)に転移してきたエドワード・エルリックのその後を描いた物語で、第一次世界大戦後のドイツと、ハガレン世界(錬金世界)の時間軸の同時進行で物語が進む。
物語は第1話から3年後が舞台となっているので、エドは18歳。
別世界で元の世界に帰る方法を探す中で、エドワードはトゥーレ協会と呼ばれる集団の陰謀に巻き込まれていき、ハガレン世界のアルフォンスも兄との旅をした4年の記憶を失ってなお、彼を探し続けていた。やがて二人の行動が、二つの世界を結ぶ巨大な力を呼び寄せていくことになる。
現実世界に暮らすエドワード、弟アルフォンス・エルリックと瓜二つの青年アルフォンス・ハイデリヒの存在など、完全オリジナル展開となっている。作品の賛否は大きく分かれることとなっている。
作品評価
アニメ03年版が原作から大きく逸れるかたちで終焉を迎えたことから、作品としての評価は非常に割れることとなった。ただ、(TVから劇場版へ引き継がれた)フラグが未消化で終わっているという声は多く、エンディングも大団円とは言えず、見る側が置いてけぼりを食らうような強引なフラグ処理も幾つか散見される。
『日本のメディア芸術100選』では2000年代アニメ映画部門で第5位に選ばれた。
オリジナルの登場人物
CV:小栗旬
アルフォンスによく似た現実世界の青年。現実世界におけるエドの相方である。
肺を病んでおり、余生幾ばくも無いことを知りロケットの研究に情熱を燃やす。
CV:沢井美優
ジプシー/ロマの女性占い師。触った人の心を読む千里眼の超能力者。
悪人に売られそうになった所をエドに救われる。
CV:かとうかずこ
トゥーレ教会の会長。
ちなみにモデルは実在の人物である。
CV:津嘉山正種
エッカルトの参謀を務める地政学者。ハイデリヒたちのロケット工学に興味を持ち出資を試みる。
ハスキソン
CV:石塚運昇
アメストリスの物理学者。錬金術師優遇をやっかみ、独自に採掘したウランによる新型兵器をアメストリス軍に売り込もうとするも、エルリック兄弟に拒まれたため人体錬成に手を染めてしまう。映画冒頭(TV版における第2クールくらいの時期と思われる)で人体錬成に失敗し、現実世界に引きずり込まれる。