概要
フルネームは香山リカ。
1967年に初代のリカちゃん人形が発売されてから現在に至るまで、日本における着せ替え人形の代名詞とも言える存在となっている。
その知名度の高さから、着せ替え人形としてだけではなくタカラトミーの広告塔のような活動も行っている。
初代の広告イラストは漫画家の牧美也子によるもの。
販売の経緯
当時のタカラはダッコチャン人形をはじめとするビニール製玩具のメーカーであり、この技術を生かして着せ替え人形にも参入しようとしていた。
はじめはアメリカマテル社のバービーやアイデアル社のタミーなどの人形向けの家具やドールハウス、ドレスなどを考えていたが、"日本の女の子にも親しみを持って受け入れられやすい人形"というコンセプトでリカちゃんが開発されるようになった。
少女漫画を元にした愛らしい外見と、約21cm(現在は少し頭身が上がり、22cmほどになっている)という小さな子供でも扱いやすいサイズ、さまざまなドレスや家具などの製品がヒットし、現在まで続く人気シリーズとなっている。
なお、純国産着せ替え人形の元祖は中嶋製作所のスカーレットちゃんである。スカーレットちゃんは1966年の発売であり、サイズとしてはバービーに近い。
リカちゃんとバービーとの縁はその後も続き、1982年には「タカラバービー」としてリカちゃんに似た、少女漫画的な外見のバービーが日本限定で販売。タカラバービーはその後「ジェニー」と名前を変え、リカちゃんよりも上の年齢層に向けたファッションドールとして長期的に展開されることとなった。
プロフィール
リカちゃんは非常に細やかなプロフィールが設定されている。また、2010年の日本タレント名鑑には、玩具として唯一プロフィールが掲載されている。
- 本名:香山リカ(苗字は女優の香山美子と加山雄三から)
- 誕生日:5月3日
- 年齢:11歳(小学5年生)
- 星座:おうし座
- 身長:142cm
- 体重:34kg
- 趣味:おかし作り
- 性格:明るくてちょっぴりあわてんぼう
- 将来の夢:ママみたいなデザイナー
- 好きな色:白とピンク
- 好きな花:赤いバラ
設定の変遷
大人の事情もあり、家族や友人関係などの設定がたびたび変更になっている。
具体的には姉「リエ」がスチュワーデスとして働いている、という設定があったが、途中で存在そのものが抹消されている、など。
また、住んでいる場所も「うきうきタウン」という比較的市街地に住んでいたのが、現在は「ハートヒルズ」という郊外の住宅地に住んでいることになっている。
コラボなどの商品展開
その知名度の高さや女児人気を活かして、これまでに東京ミュウミュウ・VOCALOID(初音ミク・雪ミク)・プリパラなどとの少女向け作品を中心としたコラボドールを販売している。
少年向けの鬼滅の刃とのコラボも行ったことがある。
また、りからいずというシリーズ名で、さまざまな作品のキャラクターをモデルに、ヘッド・フェイスプリントから衣装まで通常のリカちゃんとは全く異なるキャラクタードールが展開されている。
90年代から00年代初頭にかけては、有名高校の女子制服を身につけたリカちゃんのミニマスコットが販売されていた。
他社の類似商品
韓国のMIMIWORLD社が販売する미미(ミミ)は初期にタカラとのライセンス契約を結んでおり、「韓国版ジェニー」ともいうべき立ち位置で製造されていた。外見もジェニーのほうに非常によく似ている。
現在は韓国の少女向け着せ替え人形として、韓国国民に広く親しまれている。
ダイソー(100円ショップ)には「エリーちゃん」というリカちゃんの類似品が売られている。なお、エリーちゃん以前にも「世界のお友達」というリカちゃんの妹「ミキちゃん・マキちゃん」に似たタイプのドールが販売されていた。
エリーちゃんは100円+税という低価格ながら、体型はリカちゃんに近く、専用のお洋服なども共用できることや、簡素な作りであるために頑丈かつ買い替えもしやすいということで、子供やその家族に親しまれている。その手に入れやすさや豊富な関連商品から、カスタムドール愛好家にも一定の需要がある。
また、他の100円ショップでも着せ替え人形がいくつか販売されており、キャン・ドゥの「ラブリー・リンちゃん(初期はファッションドールという名前だった)」などが有名である。
リカちゃん 新しいお友達エリーちゃん★ 落ちたバッグをあこがれのリカちゃんのおうちに届けるよ♪
(エリーちゃんが「リカちゃんのお友達」として登場しているごっこ遊びの例)
リカちゃんキャッスル・リトルファクトリー
福島県田村郡小野町にあるリカちゃん・ジェニーの工場および展示施設「リカちゃんキャッスル」が全国で出張イベントをやっており、自分だけのオリジナルリカちゃんを作成できる。出張イベントは一日で終わるが「おもちゃ王国」のように、年中オリジナルリカちゃんが作成できる場所もある。
普通のお店では買えないカラフルな髪のリカちゃんが買える為、オリキャラ似、好きなアニメキャラ似のリカちゃんを買いに訪れる人も多いのだとか。オリジナルリカちゃんをブログ・ツイッター・ドールマーケットで発表する人も多い。
2014年に東京都中央区日本橋に、大人向けのドールショップ「リカちゃんキャッスルのちいさなおみせ」という場所もオープンされた。