作品解説
「夜想庭園」氏がカクヨムで掲載している小説家になろう系作品。Web版は全137話で完結しており、書籍化・コミカライズ化されている。
過労死した主人公が異世界に転生するも、再び過労死してしまい再度転生し、3度目の人生でスローライフを志すという作品となっている。
ストーリー
Web版(カクヨム)
過労死で異世界転生したのに錬金術の仕事をし過ぎて二度目の過労死を迎えて転生した三度目の正直でスローライフよ!
しかし農村の村娘は結構辛かった。背に腹は変えられないので、隠れてポーションを売って必要最低限の生活環境は手に入れるのよ!
そんな転生連勤、もとい転生錬金少女が、数奇な運命の果てにスローライフを手にする物語です。
書籍版
一度目、二度目も過労死… 三度目の正直で、スローライフを楽しむのよ!!
現実世界で過労死、転生してまた過労死…そんな不運な私は、
神様の取り計らいで農村の少女・メリアとして再び生を受けた。
三度目の人生こそは「スローライフを満喫する!」と意気込むも、
私が扱う錬金術は伝承が廃れたもので大注目され、王都に護送!?
「こうなったらヤケよ!美食を極めて魔道具を開発しまくってやるわ!」
遠のくスローライフ。異世界ワーカーホリック・ファンタジー開幕!
コミカライズ版
三度目の人生…今度こそ過労死回避を目指して――!!
2度の過労死を迎え、3度目の人生を歩む村娘・メリア。
「今度こそはスローライフを!」と意気込む彼女だったが、
既に廃れているとも知らず使ってしまった錬金術がきっかけで
突然連行されることになり…!?
異世界ワーカーホリック・ファンタジー開幕!
登場人物
- メリアスフィール・フォーリーフ 日本の商社でプロマネをして過労で死んだ後、異世界転生し薬屋を営んでいたものの、需要と供給が釣り合わないポーションを延々と作り続けた結果また過労で死んでしまい、神「フィリアスティン」により再度転生した農村の少女で愛称メリア。前世の錬金薬師の力を引き継いでいるが、3たび過労死してしまう事を危惧して隠していたが、生活資金に困ってしまった為止む無くポーションを生成・販売した結果速攻で目を付けられワーホリ一直線へと向かってしまう。
- ミー子 メリアの唯一の家族にあたる牛
- ケイト メリアの幼馴染の少女
- カーラ 商業ギルドの受付嬢
- グレッグ 商業ギルド長
- ガンド 鍛冶屋の主人
- ブラウン コールライトの領主
- ブレイズ・ガルフィード 辺境伯領の騎士。主人公であるメリアの護衛を担当してる。常識人枠兼振り回され役の為気苦労が絶えない。
- ゲルハルト・フォン・ファーレンハイト 辺境伯領主。ブライズの主人。メリアの実力を知り王宮勤めを推薦した人物。
- マーガレット・フォン・ファーレンハイト 辺境伯夫人。貴婦人会で田舎者と馬鹿にされ続けており憂鬱気味だったが、クラウスの新作お菓子を食べ余りのおいしさから婦人会で度肝を抜かしてやると意気込み見事に王都に大旋風を巻き起こす。
- クラウス ファーレンハイト辺境伯の専属シェフ。メリアから料理のヒントや助言をえて多種多様の料理を開拓している。
- ブライト フォーリン伯。研究棟の管理を任されている人物。(コミカライズ版では未登場)
- バーバラ フォーリン家末妹。研究棟の管理者。
- テッド 王都の鍛冶職人。メリアと相性が大変良く二人が暴走してしまうと一気に数世紀分すっ飛ばした産業革命を引き起こしてしまう程の実力を持っている。
- エディ 錬金術師見習いの少年。貴族の三男坊で平民であるメリアを見下している。その為相性はあからさまに最悪で技術伝承の儀式では痛みを感じる程の拒絶反応が発生している。
- ライル 錬金術師見習いの少年で奇跡的に条件がそろった為、メリアの第1弟子に選ばれる。孤児院出身で錬金薬師の素養を見出されて王都に呼ばれるなど、メリアと似た経歴を持っている。
- アルマ 錬金術師見習いの少女。メリアとそこそこ相性がいい模様。なお、そんな彼女ですら波長が離れていた為弟子になれる条件を満たせなかった。薬師として働いていたが、クビとなった事から鍛冶屋に転職しテッドに弟子入りしている。メリアと再会した際に錬金術師の素質を開花させてもらうが、鍛冶師見習いになったばかりである事から悩んでいたが、テッドから後押しされてメリアの2人目の弟子となる(なお、技術伝承の儀式を行っていない弟子第1例)。テッドの元で一時鍛冶見習いをしていた事からライルより体力が有る模様。
作中用語
地名
- コールライト メリアの出身地の農村がある辺境の町
- 王都大聖堂 メリアの出身国の王都に有る大聖堂。長きにわたる汚職や派閥争いの影響で本来の機能維持に必要な知識が失伝してしまっており、実質名ばかりの聖堂となっている。
一般品
- 石鹸 高級品。錬金術を使う事で生産が簡単に行える。
- お菓子 日本人としての人生と2回目の人生で得た知識を基に料理人に伝えて作ってもらっている。
- 永久磁石 電動ミキサーを作る為のモーター開発の前段階として科学知識を使って開発している。錬金術を使わなくても生産可能となっている。
- 方位磁石 錬金術師が絶滅する以前は普通に有ったようだが現在では存在すら知られていない模様。
- 蒸気機関 メリアのアイデアをテッドが実現させた黒煙等が一切出ない魔石を熱源にした蒸気機関。試作段階では、補強用の魔石等で無理やり強度を上げて安全性の補強をしている。また試作機は巨大で過剰出力となっている為、熱量や騒音問題が存在する為最適な出力の割り出しと小型化が課題となっている。
魔道具
武具
- 草薙(くさなぎ)の鎌 ただの鎌(魔道具ではない)
- 草薙の鎌2号 斬撃効果付与された魔石を搭載した鎌。一度に前方三メートルの草がすっぱりと切る事が可能なのだが、付与の力に耐え切れず数回で自壊してしまう失敗作。
- 魔槍 持ち手の木をエルダートレントにする事で魔石への耐久性を強化し、斬撃強化の魔石と電撃の魔石の2種類を搭載した槍
- 雷神剣(らいじんけん) メリアとテッドが、ブレイズ用に作った合作の大剣。アダマンタイトとミスリルの合金で出来ており、魔石の魔力伝達力と強靭性を両立させている。魔石の取り付け具が3つ用意されているが、普段はその規格外な性能の為魔石の機能を使わずにただの大剣として使っている。
- 雷神剣(雷撃+斬撃強化+硬度強化) 特大魔石に雷撃・斬撃強化・硬度強化の効果を付与した魔石を装備した標準状態の雷神剣。試し切りの際には的の木どころか、後ろの丘事一振りで真っ二つにしてしまっている。
- 大盾 蒸気機関の試運転の為に急造された盾。硬度大強化と氷結大効果の中級魔石を二つずつ組込まれており、ファイアードラゴンのブレスすら余裕で防ぐ事が可能。
日用品
- 魔法鞄(++) 安物の鞄、魔石の効果で外見より多く収納できる。(メリアが作成した即席品)
- 魔法鞄(++) 高価な鞄、ワイバーンの魔石を使っている為、総容量300立方メートルの収納力となっている (商業ギルドからの依頼で制作した商品 (国宝級品扱いされている))
- 魔法ポケット 魔法鞄の技術を応用してブレイズのマントの内ポケットに付与した内ポケット版魔法鞄。雷神剣をしまう為に即席で付与したもの。
- コンロ付きオーブン 左側に火炎の魔石・右側に水平移動するようにした氷結の魔石を搭載する事で火力調整能力を搭載した魔道具
- 風呂 メリアが鍛冶屋に特別発注した風呂釜 メリアが生成したステンレス合金を素材としている 風呂釜その物を火炎の魔石で温める方式の為メリアは五右衛門風呂を連想させている
- 冷蔵庫 メリアが風呂と一緒に発注した魔道具 天板に魔石が組みこまれている
ポーション
- 中級ポーション(++) ピンク色のポーションやや重い傷を治せる効き目最良 メリアが3度目の人生で最初に錬成したポーション
- 低級ポーション(+) 薄いピンぷ色のポーション軽い傷を治せる、効き目良 中級ポーションを10分割し、水で希釈したポーション
- 上級ポーション(++) 青色のポーション軽い欠損や重度の傷を治せる、効き目最良 カーラの目の前で生成したポーション
- 聖水(++)(最高品質) 創造神の聖水、不死者特効呪い解除、特級。 そこそこの信仰心が有れば生成可能な聖なる水。信仰心を持つ新人は創造神の真名を知らない為に儀式を出来ない・真名を知っている上層部は保身等で信仰心が欠如しておりこちらも儀式を出来ずじまいという事態が数百年続いた結果、信仰心を持った上層部が現れた時には既に儀式その物を失伝してしまっていた。なお、錬金術師の一部は教会所属の人物も居たためこれらの失われた儀式に関しての知識を持っており、生成する事が可能となっている。
その他
- 錬金術師 錬金術を扱う万能職。1000年以上前の時代にメリアの前世を筆頭に全ての錬金術師が過労死してしまった為技術が途絶えてしまっており、現在存在する錬金術師達は当時基準でみならいクラスしか存在していない。
- 錬金薬師 薬師特化型の錬金術師。ドラゴンキラーになる事が見習い卒業の条件という所から分かる通り規格外の戦闘力を持ち合わせている。
- 知識伝承の儀 子弟が「書庫(ライブラリー)」を共有する為の儀式。地脈に触れられる素養を持ち、同調できる波長の似た親しいもの同士の間でのみ知識伝承は成り立つ為反感を持つ赤の他人と行おうとすると脳に衝撃が走って物理的に痛い目に合う事から原則そういう相手とは試す事すら行われない。なお、メリアのように同じ志を持つ者同士で行われる特殊例もごく稀ながら存在する。なおライブラリーの知識の定着に10年程かかり師匠も儀後3年間は不安栄な状態となる為知識伝承の儀を行う事が出来ない。
- 書庫(ライブラリー) 錬金術師が知識や経験を受け継ぐ為の仕組み。地脈を通じて遥か昔から何代にも渡り知識・経験を蓄え続けている。錬金術師たちはこのライブラリーに常時接続している為、転生者であるメリアの持つ科学知識やアニメなどの娯楽知識もアーカイブに自動登録・共有されている。(歴代の錬金術師全員が知識をライブラリーに記憶していた弊害として書籍などで一切知識を残していなかった為、錬金術師が絶滅して以降知識の伝承が途絶えてしまい一気に衰退してしまう一因となってしまっていた。(その事実に気付いたメリアは二人目の弟子であるアルマに口頭での説明やサンプルを見せるなど、知識の伝承の手段を増やすようにしている。))