「暗黒のハンター、サー・カウラー……」
「そろそろ決着を付けよう。夕日を浴びて流れる血は、綺麗だぜ・・・!」
演:中田譲治
データ
身長:195cm
体重:81kg
概要
第15話より登場するエイリアンハンターの元締め。副官としてボー・ガルダンを従える。
暗黒のハンターとして名を馳せる宇宙人で、20年前にフラッシュマンの5人を地球から誘拐した(時村博士に偽記憶を植え付ける処置も施したと思われる)張本人。
元々は某惑星の一兵卒から叩き上げた軍人だったが、クーデターを起こすも失脚。その後嘗てのコネで傭兵部隊を率いて暗殺、テロ、謀略などの仕事を請け負い、改造実験帝国メスに招かれエイリアンハンターとして実験材料を集める。
最長15mにもなる伸縮性の電磁ムチ(硬質の槍状に変化させる事も可能)と、超金属の爪、左手から放つ光線が武器。猛毒にも耐える体で、バウラを始めとする4人の部下(エイリアンハンター四人衆)、ザ・ズコンダなど直属の獣戦士を率いて、メスの別働隊としてフラッシュマンと戦う。
彼の生命狩りの苛烈さは「その名を聞くだけで宇宙中の生命が震え上がる」と称されるほど。
戦闘力はメスの中でも特に高く、フラッシュマン5人相手に優勢に戦い、ネフェル、ワンダ2人がかりでも歯が立たない。頭の回転も早く、策略家としての一面も備える。
21話では彼が誘拐した地球人(ミラン)が獣戦士ザ・ゾバルダに改造され登場、38話ではベルダ星から連れてきた獣戦士ザ・ゼラギルを使いフラッシュマンの内の4人を洗脳して操り、残ったジンを襲わせる非道ぶりも見せた。
22話ではケフレンに「あの時の獲物ですな」と自身の獲物の質の高さを自慢をするようなシーンもあり、性格は残忍だが、親分肌で自分に忠誠を誓う部下に対する責任感は強く、約束を守る義理堅い面もある。こうした性格のため、エイリアンハンター四人衆も命がけでラボーに挑む(結果的にこの行動は彼らの尊厳を失わしめることになるが)など絶対的な忠誠を誓っていた(のみならず、視聴者からも嫌われなかった)。単なる気まぐれと思われるが、地球から持ち帰った絵本「幸福な王子」をシベールにプレゼントしたこともあった。
基本的にはシリアスなキャラクターだが、半ばギャグ回である26話ではピンクラフラッシュに胡椒をかけられた後にクラーゲンを呼び出した際にくしゃみをしてしまったというコミカルな面が描かれた。
最初は大博士リー・ケフレンに従っていたが、本来ケフレンとの仲は悪く、メスの乗っ取りを目論んでいた。そのため、彼とデウスのみが知るケフレン出生の秘密を巡って対立を深め、42話でそのことをほのめかし、43話で逆上したケフレンによって部下たちが獣戦士ザ・ギータンに狙われた末、部下の一人ケラオがギータンに食われたことでメスから離反する。
時村博士に命じて作らせた新たな遺伝子シンセサイザーを使ってデウスを追いつめ、最終的には自身の手でデウスを倒す。直後にレッドフラッシュとの一騎打ちを展開し、激闘の末に敗北するが、サラに全てを打ち明け、ケフレンへの報復として自身の宇宙船ごとラボーに特攻し死亡した。
余談
- 演じた中田譲治氏は、2年後に「超獣戦隊ライブマン」の敵・武装頭脳軍ボルトの首領である大教授ビアスとして再登場している。
- 栗本薫は「わが心のフラッシュマン」にカウラーを主人公とした小編を書いている。この作品でのカウラーは辺境伯が顔を見知っているほどの高貴な出自であるという描写がなされた。
キャラクターデザイン元としてのサー・カウラー
「ロードス島戦記」に登場するカシュー王のデザインは本作と同じく出渕裕氏であり、カウラーの姿が元になっている。CVは「英雄騎士伝」では中田氏が担当している。
元々、ロードス島戦記そのものが当時莫大な人気を誇り、スレイヤーズ・ゴブリンスレイヤー・マリーのアトリエ・オーバーロード・ダンジョン飯など、現在の日本ライトノベル界における中世ファンタジー物のキャラクター・設定の原案、下地となっている。(元ネタのさらに元ネタといった具合に)
その中でもカシュー王の人気は群を抜き、デルフィニア戦記のジル、サンサーラ・ナーガ2」に登場する中年の竜使い、スレイヤーズの千の偽名、マリーのアトリエのシュワルベ・ザッツなど、カシュ―王が元ネタ、あるいは発生源というキャラクターが完全に定着。
サー・カウラーはこれらの元ネタとして君臨する結果になった。