概要
茅田砂胡による長編ファンタジー小説。挿絵は沖麻実也が担当している。
C★NOVELSより刊行。全18巻。外伝3巻。
文庫版は中公文庫より刊行されている。全4部18巻。外伝は1巻のみ文庫化されている。
本作は、大陸書房の倒産により未完のまま打ち切られた『デルフィニアの姫将軍』と『グランディスの白騎士』が元となっており、この2作品は現在C★NOVELSより『王女グリンダ』として再版されている。
『王女グリンダ』は『デルフィニア戦記』の第二部に相当するストーリーであるが、一部設定が異なる。
また、2013年に発売された『茅田砂胡 全仕事1993-2013』に、デルフィニア戦記のその後のストーリーが書き下ろされた。
作者が手掛けるクロスオーバー作品のうちのひとつであり、別作品のキャラクターが何人か登場している。
あらすじ
陰謀によって王位を追われ、命を狙われる立場となった、デルフィニアの若き国王ウォルは、ある目的で王都に向かう途中「異世界から落ちてきた」という謎の少女リィと出会う。やがて友人となった2人は、かつての忠臣たちとともに奪われた玉座を取り戻す事を誓い合う。
王位の奪還、隣国との争い、謎の暗殺集団との戦いなどを通して、ウォルとリィを中心とした多くの魅力的な人物が活躍する姿を描き出した軍記系ファンタジー。
主な登場人物
常識では考えられない身体能力を持ち、年齢にそぐわないほど頭の回転が速い。出生などはすべて謎で、本人によると『別の世界から落ちてきた』という。
アベルドルン大陸で目覚めた直後に、殺されかかっているウォルと出会い、とっさに加勢する。
恵まれた体格を持つ黒髪黒眼の青年。物語開始時24歳。
先代デルフィニア国王と厩番の娘との間に生まれた庶子。辺境スーシャの山奥でフェルナン伯爵の子息として育てられたが、先王が死に、直系の王子王女が次々と不慮の死を遂げたため王位に就くこととなる。
おおらかで多くの人に好まれる人柄だが、計算の上か素で言っているのか判断しづらい発言も多い。「大陸随一の剣士」と言われるほどに剣の腕が立つ。
ウォルの幼馴染でタウ山脈の自由民。
デルフィニアの王宮で働く女官。美しい銀髪と紫の瞳の持ち主だが、訳アリ。
ウォルの2歳年下の従弟。国内随一の力をもつサヴォア公爵にして「ティレドン騎士団」の団長。
西の国境に程近いビルグナに砦を置く「ラモナ騎士団」の団長。バルロの親友。
ドラ伯爵家の当主。ウォルの養父フェルナン伯爵の親友。優れた武勇のため、「伯爵」ではなく「将軍」と称される事が多い。
ドラ伯爵家の一人娘。乗馬や剣術の腕前に優れ、動きやすさから男装していることが多い。
ウォルの養父。デルフィニア北部のスーシャの領主。ウォルの国王就任に当たって後見人となった。
暗殺集団・ファロットの行者。
暗殺集団・ファロットの族長。
下級貴族の娘。あるきっかけからウォルやリィと知り合う。
リィが『俺の相棒』と称する人物。
表記揺れ
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