概要
小説『デルフィニア戦記』に登場する組織。金銭と引き換えに暗殺を請け負っている。
大陸各地に実行部隊が拠点とする「里」が存在し、スケニア王国のファロット伯爵家に全体を掌握する司令部がある。
「里」の者は一部を除いて、自分たち以外の「里」の存在も、また自分たちが「ファロット」の一員であることも知らされていない。里は「宗師」と呼ばれるリーダーを頂点に、暗殺や潜入の際に使う薬草類を育て調合する者や、暗殺の実行役である「行者」と呼ばれる者たち、いずれ行者となるべく訓練中の子供達などで構成される。
彼らは、宗師(ひいては上層部)から下される「命令」を絶対のものとし、仕事を成功させ、褒められることを至高の喜びとするよう洗脳されている。また、「里」の廃棄を命じられたり、死ねと命令されれば、疑問を持たずに自ら命を絶つ。自分の意思を持たない人形のような存在である。
子供達は、幼い頃は男女関係なく身体能力を高める訓練や暗殺技術の基礎を遊びのように教えられている。また、男児であっても、外見や体格が女子として通る子供は、女子の名を与えられて女性の言葉遣いや仕草を体に叩き込み、小間使いや侍女として潜入・暗殺する術を教わる場合もある(作中ではシェラとレティシアがこれに当たる)。
一方、『ファロット伯爵』直属の行者は、里育ちの行者とは比べ物にならない技量を持ち、組織や仕事に関して「里」の者よりも多くの情報を開示されている。
司令塔たる伯爵家当主の代替わりは血筋によるものではなく、ある条件のもとに行われる。
上層部の一部の人間は「聖霊」と呼ばれる人魂を使役する能力を持ち、それを利用して組織を運営している。