第1作に限定したイラストには「空モモ」、第2作に限定したイラストには「海モモ」のタグがつけられる。
概要
『ポケットモンスター(無印)』(以下、アニポケ)の脚本・構成を担当した脚本家、故・首藤剛志が原案を務め、また同じくアニポケ総監督の湯山邦彦が同様に総監督を務めた、両名にとってアニポケに並び称される代表作。
企画と制作は葦プロダクション(葦プロ)。首藤が葦プロの企画室の一員であった時の作品であるため、原作権は首藤に帰属せず葦プロに置かれている。(ざっくり言うとメーカーが自社員の発明を社員個人のものとせず、自社の特許にしているのと、ほぼ同じ扱い)
その事もあり首藤氏没後も葦プロの意向(許可)さえ整っていれば動かせる作品で、ゆえにコラボの敷居も(それなりに)低いが、一方で首藤の望む扱われ方から逸脱された作品の使用例も見られる事がある。
主人公の名前が『モモ』なのは犬、猿、雉(鳥)のお供を連れた桃太郎に由来する。
当初は『モモ』が正式名称だったが商標の関係で使えなくなったため、本作のプロデューサーである読売広告社の大野実氏の発案により、『ミルクのようなふんわりとしたイメージで』ということで、頭に『ミンキー』をつけて『ミンキーモモ』となった。因みに海外輸出版の題名は「Gigi」(ジジまたはギギ)である。
シリーズを通して、夢の国からやってきた12歳の王女ミンキーモモが地上に夢と希望を取り戻すため、職業プロフェッショナルの技能を身につけた18歳の大人に変身する魔法を駆使し活躍する。
王道的な筋立てでありながら、従来の魔法少女のイメージを鮮やかに覆したスラップスティックな作風とキャラクターの魅力、そして魔女っ子ものらしかぬ重いテーマ性を持ったストーリーが大きな反響を呼んだ。
第1作では、空中に浮かぶ夢と魔法の国フェナリナーサから地球にやってきた王女ミンキーモモの物語(通称『空モモ』)が描かれ、1991年に放映された第2作では、フェナリナーサのモモの名前を継いだ海の底の夢の国マリンナーサのミンキーモモの物語(通称『海モモ』)が描かれた。
第1作の10年後が第2作目であるため世界観は双方でつながっており、フェナリナーサのモモとマリンナーサのモモが顔を合わせるというエピソードも描かれた。
第1作では打ち切り決定のおかげで衝撃の結末を迎え物議を醸した前期最終回(46話。但し、その46話の製作中に放送延長が決定された)、悲痛な雰囲気のまま物悲しく幕を閉じる第2作の最終回など、見た目のファンタジー性とは裏腹に、内包されたテーマはとことん現実的で果てしなく重い。夢を得ること、持ち続けることの難しさ、夢と希望の大切さを描いた不朽の名作である。
評価について
幼年層からオタク層まで幅広い視聴者層の人気を集めた作品である。
ただし、オタク層およびオールドファンからの人気に対しては首藤・湯山(そして当時の主演である小山)ともども「好きになってくれるのは仕方ないが、自分たちのための作品のように思われるのは迷惑」(ミンキーモモはあくまでも女の子のための作品)であるとして、この層(当時のオタク層ならびにオールドファン)の人気がヒートアップしていく(あまつさえ、これによって本来の視聴層である女児たちがコンテンツから置いてきぼりにされる)ことに関しては危惧と不本意(より、あからさまに言えば不快)を表明しているので要注意。
続編やコンテンツ利用の可能性と留意点
ミンキーモモ3部作のトリを飾る3つ目の「ミンキーモモ」(通称『陸モモ』)の企画が水面下で進行中とのことであったが、首藤剛志氏が2010年10月29日にくも膜下出血により急逝。この事により首藤の作風を正しく落とし込んだ「オリジン」としての「ミンキーモモ」は製制作の見込みは断たれた。(首藤の想いを汲み取って「ミンキーモモ」を作りえる可能性のある人と、その旗下で首藤の作風を理解して制作できる会社は、かろうじてまだ存在しているが……)
もっとも上述のように「ミンキーモモ」の原作権は葦プロにあるため、現状ペンティングこそされているものの「葦プロのミンキーモモ」としての制作企画自体は残されている。
ただし、同時に「オールドファンや大きいお友達のため「だけ」の『ミンキーモモ』の制作(コンテンツ展開)」自体は原案者・首藤氏が生前より最も口を酸っぱくして難色を示していた事のひとつである。
ミンキーモモに限らず、近年のオールドコンテンツの利用に見られるような「たまたまウケた悪ふざけの要素だけを(特にそれこそが作品の特徴と勘違いして)抜き出し作品として活かす」ようなやり方などは、本作コンテンツに対して泉下の首藤氏の望んだことではない事だけは間違いなく、ファンとしてはその部分にはきちんと留意し、わきまえて作品に臨む必要がある。
シリーズ一覧
1982年 | 魔法のプリンセス ミンキーモモ (空モモ) | テレビアニメ(全63話) |
1985年 | 魔法のプリンセス ミンキーモモ 夢の中の輪舞 | OVA |
1991年 | 魔法のプリンセス ミンキーモモ 夢を抱きしめて (海モモ) | テレビアニメ(全62話+未放映3話) |
1993年 | MINKY MOMO IN 夢にかける橋 | OVA |
1994年 | MINKY MOMO IN 旅だちの駅 | OVA |
その他の作品
2004年 | みらくるドリーム・ミンキーモモ(陸モモ) | 製作予定だったアニメを原作とした漫画 |
2010年 | ミンキーモモ・鏡の国のプリンセス(鏡モモ) | 原案者がノータッチで、広井王子氏が脚本を書いたミュージカルで現時点での最終作。 |
関連イラスト
関連タグ
ハマーン・カーン:いわゆる外の人ネタ。ゆえの風評被害も。失礼ね!(怒)
則巻アラレ:こちらは中の人ネタ。むしろ「こっちの方がそっくりさんどぉえーす!!」とも。
愛天使伝説ウェディングピーチ:同監督作品。原作者と制作会社は異なるが同監督のためかキャラプロンプトが些少ながら継承されており、一部のファンより嫁モモ/戦(闘)モモと呼ばれる事がある。
スーパーロボット大戦X-Ω:同社系列ではダンクーガやゴーショーグンなども登場しているスパロボだが、何とミンキーモモがスパロボに参戦することになった(第1作の31話に合身ロボット・ミンキナーサが登場したためで、たった一週間のみのイベントであるが)。関連タグにもあるハマーン・カーンとの邂逅が…あった…。