概要
イギリス軍の制式装備しているブルパップ方式のアサルトライフル。
L85が採用されるまではL1A1を使用していた。
1985年にイギリスの陸・海・空軍全てに採用されるという華々しいデビューを飾る。
なお、カナダやオーストラリアといったL1Al(C1)を採用した英連邦国の殆どはこの銃を採用せず、数少ない採用国はジンバブエとジャマイカのみ。
……が、いざ使ってみれば、よくジャムる(排莢不良)、マガジンが勝手に落ちる、他のアサルトライフルと比べて重い、光学照準器SUSATのレティクルデザインが悪く狙いにくい、等の多くの欠陥が露見していき、軍用小銃としてはあり得ないほどのポンコツ銃であった。(マガジンの質が悪かった点もある)すぐさま改良してL85A1となるがトラブルは収まらず、そこで(当時ロイヤル・オードナンスに買収されていた)H&K社に改良を依頼し、L85A2を完成させ、作動不良は減少して他国のアサルトライフルと同程度となった。
ちなみにA2への改修費用は一艇あたりでG36の新品が買えるほど。
(ただし、後にG36は命中精度の低下する問題が挙がった為、結果的にこの選択は間違ってないともいえる。)
ちなみにサイズの割に重いものの、ブルバップという構造の恩恵で一番重い部品である機関部を抱え込む持ち方となるため、RISが付く等によりフロントヘビーとなったM4カービン等と比べると扱いやすいバランスとなっている。
イギリス陸軍特殊部隊「SAS」はC7やC8(L119A1)、L100A1やHK53、G36C等と装備を交換し、特殊部隊支援グループ(SFSG)においてもL119A1やHK53、G3KA4が使用されている。
ロイヤルマリーン(英国海兵隊)においてもL85は使い続けているもののL129A1やL119A1等の使用も行っている。
A2改修後の小改良で(民生の猟銃等と同様とはいえ)独自規格となっていた19mm幅のダブテイルレールをNATO規格のSTANAG 2324(20mm幅のピカティニー・レール)へ変更、MAGPULのプラスチック製マガジンEMAGの採用、ダニエルディフェンス社製のRISハンドガードへの変更、光学照準器のACOGへの変更等の細かい改良も進められている。
ちなみにマガジンはNATO規格のSTANAG 4179で作られているのだが、MAGUPULはなぜかSA80用のEMAGを販売している。
(もちろんSTANAG 4179互換なので他の銃でも使用可能である)
2016年9月にはH&Kにより更なる改良を施したL85A3のプロトタイプが登場、アッパーレシーバーの再設計、ハンドガードにアクセサリースロットであるHKeyスロットを採用する等の改修が行なわれる。
が………2020年8月にはM-LOKスロットに変更され、セーフティボタンへのカバーの追加、M320グレネードランチャーの取り付け用の穴の閉鎖がされたハンドガードが搭載されたL85A3が公開された。
(アクセサリースロットはどうやら汎用性に乏しいH&K独自規格のHKeyが問題であった模様。同じ理由でHK433等もM-LOKに変更されている。グレネードランチャーは更新せずに従来のL123A2を継続使用する模様)
なお、SA80シリーズは1994年に製造を終了しているが、改良を続けることで2025年ごろまで使用する予定。
データ
全長 | 785mm |
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銃身長 | 518mm |
重量 | 4,720g |
口径 | 5.56mmNATO弾 |
装弾数 | 30+1発] |
銃剣突撃について
各国の軍隊では、銃剣を装着しての訓練は消えつつあり、銃剣自体が制式装備から消えた国もあり、銃自体の銃剣取り付け機構のみが細々と生き残っているだけである中、イギリス関係の諸外国がワリと平穏な21世紀にして既に20回を越える銃剣突撃をした例が報告されている(勲章が授与された事も幾度か)。
過度なイジリは厳禁
散々な評価をなされているL85だがジャムばかりなのはオリジナルとA1のみであり、A2以降は普通に使える銃になっている。
外見のかっこよさからファンも多い上、近年ではちゃんとした改良も行われており、もう既に終わったことを知らずにジャムジャム言ったり、ブルパップ方式特有の欠陥を指摘するのは最新の知識を頭に入れられていない銃知識が遅れてるにわかとして見られかねない為、過度なイジリは控えよう。
関連イラスト
関連タグ
AG36:L85A2用にL123A1として採用されたアドオングレネードランチャー
える(うぽって!!) L85A1(ドールズフロントライン) ラブ★ワン ライク♥ツー
ジムカスタム 「機動戦士ガンダム0083」に登場したMS。劇中で使用したマシンガン「ジム・ライフル」はL85がモデル。