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ACOG(Advanced Combat Optical Gunsight:高度戦闘光学照準器)は、アメリカのトリジコン社が、開発・製造している銃火器用の光学照準器のシリーズ。銃や用途などに応じて多数のバリエーションが存在する。

アメリカ軍などへ納入されている。


概要

拡大機能を持つレンズが組み込まれた、いわゆるスコープの一種。

倍率は用途やモデルによって異なるものの、主に1.5~8倍の間でラインナップされている。いずれのモデルも固定倍率式。

基本モデル(TA01 TA31)で4倍程度であるが、同程度の他の照準用スコープと比べてかなり小型化を実現した。


レティクルは、山型「^」のサイトポストがあるものや、十字のクロスヘアを持つものなど複数。何れも、それぞれの銃と弾薬のドロップ(距離に応じた修正)が簡単に行えるよう数字入りのパターンが描かれている。


サイトポストやクロスヘアは、電源を用いることなく常に発光しており、拡大機能付きの照準器でありながら照準の見出しは非常に簡単である。

また、適切な訓練を行うことで、短距離戦闘でもダットサイトと同様に使用できるとされる。ただし、ACOGを覗き込むほうの目が光点だけを、逆の目で目標物を見るように(つまりACOGが映す光点だけを意識し像は見ないようにする)しなければならず、利き目などを把握した上で充分な訓練を重ねる必要があるほか、生理学的な理由で不可能な人もいる。


軍用モデル及び同型マウントを使用するモデルでは、マウントとの接続部はM16(AR-15)のキャリングハンドル部の溝に合うようになっており、マウントを介さず直接キャリングハンドルへと取り付けれるようになっている。


機構

一般的な射撃用のスコープの場合、最も基本的な構造のものでも拡大機能を担うレンズ2群とそれによって反転した像を再反転させる機能を担う1群の合計3群のレンズ群が内蔵され、全長が比較的長くなる傾向にある。(実際はボケや歪みの補正の為に更に多くなる)

ACOGは、このうち像を再反転させる役割をレンズの代わりにプリズムに担わせて全長を短縮し、高い光学性能を持ちながらも歩兵用装備として現実的なサイズまで小型化させている。

ただし、その代償に光学的な制約からアイリリーフ(接眼レンズから眼までの距離)がかなり短く、例えばTA01やTA31など4倍率のモデルの場合で1~4cm程度となってしまう。このため搭載位置や射撃姿勢、ゴーグル等の種類には注意が必要である。


発光機能は、外光があるときは光ファイバーで集光して発光させ、夜間や暗所ではトリチウムを使用した夜光材を光源としており、本体にはバッテリーやLEDといったものは存在しない。故に電池切れや故障などのトラブルに強く、強力な電磁波が存在する環境などでも問題なく使用できる。(TA02等一部モデルには電池式LEDもある)


近接戦闘で使いやすいようダットサイトを上部に搭載したコンボモデルや、ダットサイトが装着できるよう基台がついたモデルもある。


主なモデル


・TA01

1987年に登場した最初期モデル。倍率は4倍。SOPMODキットのBlock1に含まれている。後のモデルと違い光ファイバー採光が無い。また軍向けのTA01 NSNにはバックアップアイアンサイトが含まれている。


・TA31

TA01の後継モデル。TA01に光ファイバー採光を採用している。アメリカ軍の多くのM4カービンM16A4に搭載されており、ミリフォトでも露出が多い。アメリカ軍採用モデルはシェブロン(山)型レティクルのTA31F型。海兵隊は後にレティクルを馬蹄型に変更している(TA31D型)。

A31RCO-M4やTA31RCO-A4と銃身長に応じたモデルが用意されていたが、TA31RCO M150CPでは5.56mm弾を使用する銃すべてに対応したモデルとなっている。


・TA11

倍率3.5倍モデル。海兵隊の分隊支援火器(M249M27IAR)に採用されている。海兵隊向けにはダットサイト付きのモデルが納入されている。

TA31と比べてアイリリーフが長い。


・TA44

倍率1.5倍モデル。


・TA02

LED発光の倍率4倍モデル。


スキャンダル

ACOGを含むトリジコン製品には、経営者の信念からキリスト教聖書の一節を示す文字列が刻印されていた。

2010年頃、中東に派遣された部隊やキリスト教徒以外の兵士、ACOGの供与を受けたイラク軍やアフガニスタン軍の兵士らの間で問題となった。


この刻印は、いかなる宗教への改宗の強要を禁じたアメリカ軍の規則に明らかに反するもので、特に中東でACOGが用いられる作戦の殆どが「イスラム原理主義」を自称するイスラム過激派の掃討作戦であったため、キリスト教の経典が刻まれた武器(照準器)で異教徒を殺傷するという十字軍の再来の如き構図となったため、各地で抗議集会が開かれた。


これに対してメーカーは、アメリカ軍に既存の刻印を削除するキットを納入したほか、新規製造のものには刻印を入れない方針とした。

(外部リンク:AFP)


因みに刻印されていた聖書の節は、「光」に関連した項目である。製品の特長(電池なしで発光する)を僅かな隙間に入れて表現していたのだ。


関連項目

M4カービン EOTech スコープ

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