概要
ヴァゴン(Vagon、型式番号:EMS-09)は、富野由悠季原作・長谷川裕一作画の漫画『機動戦士クロスボーン・ガンダム』に登場する、木星帝国製のモビルスーツ(MS)。
木星帝国のモビルスーツ群の基本形であるバタラ(EMS-06)の改修機のひとつであり、地上戦用の機体。vagonはスペイン語で「貨車、荷車」を指す(英語のwagonに相当)。
両肩部と両脚先に、車輪を半円形に分割して装着した特異な外見を持つ。
バタラの段階から存在した膝下の収納ギミックによって脚を縮めることで、肩と脚のパーツをドッキングし、巨大な2つの車輪を形成する。
これを駆動させることで、歩行能力の脆弱な木星MSの弱点を補い、地表での高速機動を実現している。
また、車輪形態によって全高が低くなり、スラスター噴射を行うことなく高速移動が可能な特性から、狭い基地施設内で運用された機体もあった。
武装は手持ち火器としてビーム・ライフルまたはマシンガンを使用。また、高速回転するスパイク付きの車輪そのものも、敵を轢き潰す武器となる。
将来的な地球侵攻にそなえ、有重力下の地上戦への対応をコンセプトに開発されたが、実際には木星総統クラックス・ドゥガチは核による地球殲滅を目論んでいたため、地球上での戦いに投入されることはなかった。
劇中での活躍
ゾンド・ゲーを囮に、地表を木星帝国拠点に向かって隠れ進んだ宇宙海賊クロスボーン・バンガード部隊を迎撃した。
機動力を活かした突撃で意表を突き、ヨナ機のバタラを撃破したが、キンケドゥ・ナウ、ザビーネ・シャル、トビア・アロナクスらには対応され突破されている。
また、その後戦線投入されたエレファンテの味方機を巻き込むことも厭わないビット攻撃によって、複数の機体が破壊されている。