その名称は「頭蓋骨(skull)」と「泣き叫ぶ(cry)」から来ている。「結晶(crystal)」との関連を指摘する意見もある。
概要
『wizardry』シリーズに出現するモンスター。
そしてシナリオ#4『ワードナの逆襲』でLv7召喚モンスターとして登場して以降は暫く音沙汰が無かったが外伝Ⅲから復活。
PC版の頃はモンスターの描き分けが容量上難しかったため他の数種類のモンスターと同じく頭蓋骨の姿で登場。
そしてFC版で末弥純が様々なモンスターのイラストを新調してゆくなかで、スクライルは赤い髑髏の姿で空中を飛び回るアンデッドとして登場した。
怨念で紅く染まった人骨とも、水晶で象られた髑髏に怨霊が宿ったものともいわれ、怪奇小説『泣き叫ぶどくろ(The Screaming Skull)』を元ネタとする説もあるが定かではない。
各登場作品でのスクライル
初登場のKODでは攻撃の威力も弱くHPも低いがレベルドレインを持っている為、パーティー崩壊の危険はないものの経験値を台無しにされる鬱陶しい系のモンスターであった。
最下層に出現するサイデルの供として随行することもある。
KODの元祖AppleⅡ版では、SCRYLL の供に EVIL EYE というアンデッドがついていたが、他機種への移植に際し DOOMTOAD という大蛙のアンデッドに変更された。
FC版ではドゥームトードとは別個にイビルアイが復活、スクライルの供に返り咲いている。
スクライルが呪文を使えないのに対し、イビルアイとドゥームトードは魔術師系呪文を使用。さらにブレス能力も持っているので、ある意味スクライル以上の難敵ともいえる。
イビルアイは必ず二体のグループで出現するので、あるいはスクライルの眼窩に嵌るべき眼球なのだろうか?
#4ではB4の魔法陣で召喚できるが、Lv7の面々が戦力としては全体的に中途半端な中で、スクライルはいくらかマシという程度。
外伝Ⅲで久しぶりに登場した時には何故か異様にパワーアップ。
ドレインに加えて麻痺や石化を付与する通常攻撃をするわ、ティルトウェイトをはじめとした強力な魔術師呪文を乱発してくるわ、稀にだが確率でHP残量関係なしに即死させるブレスを吐いてくるわと放置してると危険極まりない存在に。
加えて、インキュバスを供として引き連れている。
熟練した戦士なら一回の攻撃で仕留められるだろうが呪文無効化率もほぼ半分に上がっている為、ヴァンパイアロードやサイデルといった上位モンスターと一緒に出てくると対処に苦慮することになる。
外伝Ⅳからはブレス攻撃を中心とした状態異常を駆使する中堅アンデッドとして定着。ややおとなしくなった。
SS版リルガミンサーガ限定のボーナスダンジョンではKOD版に準拠した能力で出現。
『DIMGUIL』でも同名のモンスターが出現するが、デザインは完全に別物になっている(そもそも髑髏じゃない)。不確定グラフィックだけは確かにスクライルなのだが…
泣きさけぶどくろ
以下の作品に登場する髑髏は夫に謀殺された妻の怨霊であり、夫を追い詰めて復讐を遂げる。
小説『泣きさけぶどくろ(The Screaming Skull)』
1908年、イタリア系アメリカ人作家フランシス・マリオン・クロフォード(Francis Marion Crawford)によって書かれた短編。
東京創元社『怪奇小説傑作集2』(1969年)に宇野利泰による邦訳版が収録されている。
退職した元船長チャールズ・ブラドッグの独白の体で進行し、最後にブラドッグの怪死事件を報じる新聞記事が引用されている。
映画『The Screaming Skull』
1958年のアメリカ映画。俳優でもあったアレックス・ニコルの監督デビュー作で、本人も庭師のミッキー役で出演している。
日本語未翻訳。
クロフォードの小説を基にしているが、物語の展開や登場人物はほぼオリジナルのもの。
漫画『鉛』
ホーム社漫画文庫『水木しげる 貸本名作選 恐怖』に収録されている。