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概要
スキゾイドパーソナリティ障害または統合失調質パーソナリティ障害、シゾイドパーソナリティ障害(schizoid personality disorder)とは、広義における精神疾患のうち、パーソナリティ障害の一つ。略称はSPD、SzPD、ScPD等。
英語の発音としては「スキゾイド」の方が近い。
医学事典『MSDマニュアル』は、SPDの特徴として「社会的関係から距離を取ることと全般的な無関心、また対人関係での感情表現の少なさの広汎なパターン」を挙げている。主な症状例としては以下が載っている。
- 他者からの孤立
- 感情表現の少なさ
- 症状の持続
SPDは統合失調症や「統合失調型パーソナリティ障害(STPD)」と類似しており、合併症と化している場合もあるが、厳密には区別される。かつて日本ではSPDは分裂病質人格障害、統合失調質人格障害(パーソナリティ障害)と呼ばれることが多かった。
精神科医の益田裕介が言うには、SPDは
「慢性期の統合失調症に近い印象」
がある。他の精神科医の松崎朝樹によると、SPDは
「幻聴も妄想もないけど統合失調症の陰性症状だけの人格」
であり、主な特徴として「社会的孤立」、「引きこもり」、「感情表現の乏しさ」という3点がある。
SPD患者は極端なまでに周りへの興味・関心が薄く、人との交流を避け、口数も少なく、他人行儀でよそよそしい。また、人と深く関わる事で相手と自分が変わることを一番恐れ、必要以上に関わる事を避ける。
目に見えない内面的、精神的なものごとに価値を見出し、鋭い感性を持っているとも言われる。
他人への関心や干渉は少なく冷静だが、冷酷で攻撃的なサイコパスとは全く別の存在である。また、他人の心情を読み取れないわけではなく、むしろ他人の言動やそこから受ける影響には敏感である。
つまり、人よりも敏感であるがため、情緒の波を抑えるため、精神の均衡を保つため、他者との無闇な交流への関心を持たないようにしている、という解釈がなされている。
他人の言動に敏感で交流を避けるという点ではいわゆるHSPや回避性パーソナリティ障害とも似ているが、それらとは異なり孤独を恐れない。ぼっち飯や孤独も何故それが悲しいのか?と思ってしまうようである。他人との交流を好まず、恋愛や複数人での遊びにもあまり関心がない。
自分一人で完結する趣味(例えば、1人プレイのゲームや特定のアイテムのコレクションなど)や仕事などの活動に没頭する、等とも言われるが、『MSDマニュアル』によるとSPDの特徴の一つは「楽しみを得る活動がほとんどない」ことだとされている。
あくまで周りに関心や興味が無い、極端に薄いだけで、ニートや引きこもりといった社会とのつながりが希薄な存在と必ずしもイコールではない。重症でなければ社会生活にさほど問題が出ず、少ないながらも友人知人を持つ人もいる。
「(団体競技など)全員で一致団結して物事を達成する」ような、他者と(深い)関係を持つことを強制される機会では苦痛を感じるという人が多い。
なお、周囲への関心が低く、感情も平坦なため、例えば「他人の不幸を喜んだり、他人の失敗を(スポーツなどの勝敗に関わる合理的な思想を超えて)強く望んだりする」ような場合は、SPDとはまた異なる性格傾向であるといえる。
診断
「精神障害の診断と統計マニュアル」によると、次のうち4つ以上を満たす事でSPDと診断される。
- 家族を含めて、親密な関係を持ちたいと思わない。あるいはそれを楽しいと感じない。
- 一貫して孤立した行動を好む。
- 他人と性体験をもつことに対する興味が無い。もしあったとしても少ししかない。
- 喜びを感じられるような活動が無い。もしあったとしても、少ししかない。
- 第一度親族以外には、親しい友人、信頼できる友人がいない。
- 賞賛にも批判に対しても無関心にみえる。
- 非常に淡白で超然とした態度、あるいは平坦な感情。
これらに加え、統合失調症や統合失調型パーソナリティなどの症状であったり、広汎性発達障害(とくに自閉症など)による傾向ではないと区別されることが診断の要点となる。
相違点を挙げるとSPDは特に能力に偏りがなく、逆に発達障害は大半の場合は能力に偏り、発達障害でも孤独型には思考だけなら若干似ているが基本的に我が儘で自尊心が強い受動型や尊大型とは思考が真逆である。
統合失調症の症状の特徴として、感情の動きが鈍くなり、表現に乏しくなるというものがある。また、生活への意欲が低下し、何事にも無関心になり孤独になってしまうという特徴もある。上記の診断基準として挙げられている症状の特徴からも、統合失調症と似た傾向があることがわかる。
『MSDマニュアル』では、より詳細な特徴として
> シゾイドパーソナリティ障害の患者は、他者と意味のある関係をもつことに困難を抱えています。
> シゾイドパーソナリティ障害患者の最大半数がうつ病を少なくとも1回経験しています。患者はしばしば他のパーソナリティ障害ももっています。
> まれに、このような患者が安心して自分の内面をさらけだす場合、患者は(特に社会的交流において)苦痛を感じていることを認めます。
と記述されている。
原因
> シゾイドパーソナリティ障害の発症には遺伝子が一定の役割を果たしていると考えられています。この障害は、統合失調症や統合失調型パーソナリティ障害の家族がいる人でより多くみられる場合があります。
> 小児期に養育者が感情的に冷たい、ネグレクトする、そしてよそよそしい人物であったことが、シゾイドパーソナリティ障害の発症に関わっている可能性があります。そのような養育者をもつことで、他者との人間関係とは満足の得られるものではないという子どもの感じ方が助長される可能性があります。
(『MSDマニュアル』)
一説によれば、幼児期に保護者が無関心であった、十分な愛情を受けられなかった、虐待・ネグレクトを受けていたというような場合に、「あきらめ」の一種としてこのような性格・行動傾向に移行し、SPDの発症に至るとも考えられている。
実力主義の環境もSPDが発症しやすく、学業や球技・格闘技において優れた実力を発揮する子供の場合は親が過干渉で(特に同世代の)他者との交流を断たれやすい。
治療
> シゾイドパーソナリティ障害の一般的治療は、すべてのパーソナリティ障害に対するものと同じです。
> シゾイドパーソナリティ障害の患者はよそよそしく、無関心なため、医師が患者と協力的で互いを尊重し合う関係を築くことが困難になります。
> 社会的技能を身に付けることに焦点を当てた認知行動療法が患者を変化させるのに有用な場合があります。例えば、患者は社会的手がかり(言葉によるものと、顔の表情や身振りなどの言葉によらないもの)にどうやって認識するのかを学ぶことができます。
(『MSDマニュアル』)
SPDがうつ病などの精神疾患と併発していて、それらの治療のため訪れた精神科やカウンセリングによって発覚することもある。
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