概要
原作ライトノベル
著者:三屋咲ゆう
挿絵:okiura
コミックアライブコミカライズ版
作画:にんげん
非常にわかりにくいが、タイトルは「学戦都市」。「学園都市」ではない点に注意。
作品独自の造語と独特のルビ振りが特徴。
また、それら独特の言い回しも含めた用語辞典が1巻の巻末に、登場キャラクターの簡単な解説が4巻に掲載され、全巻の冒頭には物語の主要な舞台である人工浮島の簡略な地図のようなものが掲載されているのも特徴。
第1巻刊行時、同時に第1巻が刊行された「バロックナイト」、「蒼柩のラピスラズリ」と共に、発売から1週間経たないうちから売り切れ続出+大量増刷が決定するという珍事が発生する。
大都市圏へ集中的に在庫が割り振られた結果、地方の書店には影も形すらないという事態となり、地方の読者は重版が店頭に並ぶまでは通販に頼らざるを得ない状況となった。
TVアニメ版
分割2クールで放送。アニメーション制作はA-1Pictures。
第1期は2015年秋アニメとして、第2期は2016年春アニメとして放送された。
テレビでの放送局はTOKYOMX、群馬テレビ、とちぎテレビ、中部日本放送(CBC)、朝日放送(ABC)、アニマックス、BS11。また、バンダイチャンネルやニコニコ動画、U-NEXTなどのネット媒体で配信も行われた。
ゲーム版
学戦都市アスタリスクフェスタ 鳳華絢爛
2015年8月22日に配信されたニコニコ生放送『TVアニメ「学戦都市アスタリスク」ファーストミーティング』にて発表された。PlayStation Vita用ソフトとして、2016年1月28日にバンダイナムコエンターテインメントから発売された。
主題歌は「Brilliant Star」(作詞・歌 - 西沢幸奏 / 作曲 - Meis Clauson / 編曲 - WEST GROUND)。
学戦都市アスタリスクフェスタ 煌めきのステラ
2016年7月21日にバンダイナムコエンターテインメントからApp StoreとGoogle Playにて配信開始された。2017年7月13日をもってサービス終了。
あらすじ
二十世紀に地球を襲った未曾有の大災害・落星雨(インベルティア)。この大災害により世界中の多くの都市が壊滅した。しかし、この隕石から発見された未知の元素である万応素(マナ)は人間の科学技術を格段に発展させ、さらに《星脈世代》(ジェネステラ)と呼ばれる特異な力を持った新人類を生み出すこととなった。世界最大の総合バトルエンターテイメント《星武祭》(フェスタ)の舞台、 六つの学園に囲まれた通称アスタリスクと呼ばれる水上学園都市“六花”。 星導館学園高等部へ転入してきた特待転入生・天霧綾斗は己が願いを叶えるために、この都市で戦う事を誓う。熱き魂が疾走する学園バトルエンタメここに開演!
登場人物
星導館学園
校章は不撓の象徴たる赤い蓮の花「赤蓮」。主人公達が所属する学園。中等部、高等部、大学部を持ち、前期の成績は総合五位。初期は上位の常連で、かつては三冠制覇の経験もあるものの近年は低迷。傾向的には《鳳凰星武祭》に強く、学園としてもタッグ育成に力を入れている。また、学有純星煌式武装の保有数はトップ。生徒の自主性を重んじる自由な校風で、校則も緩やか。伝統的に《魔女》や《魔術師》の学生が多い。
CV:田丸篤志
本作品の主人公。星導館学園高等部へ転入してきた特待生。屈託がなく善良であるが、やや間の抜けたところがあり、恋愛関係には初心で鈍感。家は代々続く古流武術の道場「天霧辰明流」の生まれで、自身も幼い頃から天霧辰明流剣術を学んでいた。突出した剣才を誇り、腕は超一流。生まれながらに莫大な星辰力を持つが、とある理由から現在その力は封じられている。《星武祭》に興味はなかったが、五年前に失踪した姉が一時期星導館学園へ在籍していたと聞き、転入を決めた。ユリス曰く「底の読めぬ男」、「どこかふわふわした心優しい青年」。
後についた二つ名は《叢雲》。
使用武装は純星煌式武装(オーガルクス)である《黒炉の魔剣(セル=ベレスタ)》。
CV:加隈亜衣
本作品のヒロインの一人。綾斗が学園で初めて出会った同級生。リーゼルタニア王室リースフェルト家の息女であり、リーゼルタニア王女の称号を持つ。全名はユリス=アレクシア・マリー・フロレンツィア・レナーテ。星導館学園の《冒頭の十二人(ページ・ワン)》で序列は五位。《華焔の魔女(グリューエンローゼ)》の二つ名を持つ。《魔女》としての実力はアスタリスクでもトップクラス。焔を自在に操ることができ、主に花に見立てた技を使う。プライドが高く気が強い。短気な面もあるが、基本的には単純で優しい。義理堅く、他人に対して借りを作ることを嫌う。アスタリスクでの目標は、三つの《星武祭》を全て制覇すること。
CV:井澤詩織
本作品のヒロインの一人。小学校時代に天霧家の隣に住んでいた綾斗の幼なじみ。現在はユリスや綾斗と同じクラス。低血圧で寝起きが悪い。そのためよく寝坊して遅刻している。また、極度の方向音痴。口数は少なく無表情。ただし感情が希薄なわけではなく、それが表に出ないだけである。身長は低く、小学生と間違われてしまうこともしばしば。父親はややマッドサイエンティスト気味の落星工学の科学者で、アスタリスクにやってきたのは自分の銃をアピールして欲しいという父親の強い要望があったためである。銃器の扱いに関してはエキスパートだが、戦闘にはあまり興味がなく、公式序列戦にも参加していない。いわゆる大艦巨砲主義者であり、大型兵装を好む。
CV:東山奈央
本作品のヒロインの一人。星導館学園の生徒会長。星導館学園を支援する統合企業財体幹部の令嬢でもある。いつも笑顔を絶やさず、誰に対しても物腰柔らく丁寧に接する。しかしその穏やかな雰囲気とは裏腹に、本性は計算高く、本人曰く“腹黒い”。星導館学園の《冒頭の十二人(ページ・ワン)》で序列は二位。星導館学園の学有純星煌式武装《パン=ドラ》との適合率が高く、眠るたびに自らの死を経験しなければならないというその苛烈な代償も含めて、うまく制御している。《千見の盟主(パルカ・モルタ)》の二つ名を持つ。
CV:小澤亜李
本作品のヒロインの一人。星導館学園中等部一年生。《疾風刃雷》の二つ名を持ち、弱冠十三歳にして星導館学園序列一位の座につく。気弱で引っ込み思案、泣き虫で押しに弱い。健気な良い子。門下生一万を超える刀藤流宗家の末っ子であり、剣術に関しては天賦の才を持つ。なおかつ努力する天才で、常に修練をかかさない。そのため純粋な剣術だけであれば綾斗をも上回る。綺凛を強盗から守ろうとして力を振るい、結果投獄されてしまった父を助けるためアスタリスクにやってきた。
CV:星野貴紀
《轟遠の烈斧(コルネフォロス)》の二つ名を持つ、星導館学園の《冒頭の十二人(ページ・ワン)》。序列は九位。自信家で粗暴、単純で熱しやすい性格。二メートル近い長身と恵まれた体格、そして圧倒的な怪力を武器にのし上がってきた。戦闘力は高いが、やや猪突猛進気味。そのため相性が悪い相手にはあっさりと負けてしまうことも。特に《魔女》や《魔術師》を苦手としている。ユリスには挑むたびに負けている。
CV:内田雄馬
男子寮で綾斗と同室となる男子生徒。軽佻浮薄な性格で、何事にもノリが良い。「身も心も軽く生きる」がモットー。事情通であり、星導館はもとより他学園の事情についても精通している。様々な情報を綾斗に教えることも。一見すると不真面目だが、必要なことはあっさりこなす。
谷津崎匡子
CV:甲斐田裕子
綾斗たちのクラスを担当する女性教師。レヴォルフ出身という異色の経歴を持つ、元ヤンキー。かつては《獅鷲星武祭》を制したこともある実力者。常に釘バットを持ち歩いている。
当時の二つ名は《釘絶の魔女(マキャベラス)》。
アルルカント・アカデミー
校章は叡智の象徴たるミネルバの使い「昏梟」。落星工学の研究に特化した学園で、六学園中唯一「研究院」という部門を持つ。前期の成績は総合二位。アルルカントは世界でもトップクラスの落星工学技術を有し、学生もその恩恵を最大限に享受している。そのため学生が操る煌式武装の性能は、平均値で見ても他学園を凌駕している。積極的に煌式武装の開発研究を行っており、未知の最新技術が星武祭でお披露目されることも珍しくない。創立当初は下位クラスに甘んじることが多かったが、近年では上位陣に食い込む躍進を見せている。徹底した成果主義を奉じる校風で、学生は研究クラスと実践クラスの二つに大別され、さらに実践クラスには《魔女》と《魔術師》を対象とした特待献身生という制度が存在する。その扱いは実験体に近いものであり、通常の形でアルルカントへ入学する《魔女》や《魔術師》は少ない。
CV:赤崎千夏
アルルカントで落星工学の研究にいそしむ天才。お調子者の性格ではあるが、観察力は鋭く天才らしく計算高く行動することも。《彫刻派》と呼ばれる学内派閥のトップで、カミラとは親友。
CV:田村睦心
エルネスタ同様に落星工学研究において突出した才を持っている。煌式武装の研究開発を専門分野としており《獅子派》を束ねる存在。エルネスタとは仲が良い。煌式武装はその汎用性にこそ意義があるという信念を持ち、使い手を選ぶような偏った武器武装を嫌っている。性格は真面目で一本気であり、《超人派》の人体実験じみた研究方法を嫌悪している。
アルディ(AR-D)
CV:羽多野渉
"Absolute Refusal" Defended type。"Absolute Refusal"は開発コードであり、二つ名のようなもの。エルネスタが創り出した世界初の感情を有する自律式擬形体。明確な自我を持ち、その性格は豪快かつ自信過剰。やや間が抜けている。リムシィとのタッグでは前衛担当。
リムシィ(RM-C)
CV:佳村はるか
"Ruinous Might" Cannon type。"Ruinous Might"は開発コードであり、二つ名のようなもの。
アルディと同じくエルネスタが創り出した感情を有する自律式擬形体。明確な自我を持ち、その性格は沈着冷静。丁寧な口調で長文系の毒舌を操る。アルディとのタッグでは後衛担当。
ヒルダ・ジェーン・ローランズ
CV:小林ゆう
アルルカント・アカデミーの研究院に所属する女生徒。《超人派(テノーリオ)》会長。アルルカント・アカデミー創立以来の天才と呼ばれ、《大博士(マグナム・オーパス)》の異名を持つ。
《星脈世代》は人類の進化した姿であり、中でも《魔女》や《魔術師》といった能力者はその最たるものであるという思想の持ち主。後天的に《星脈世代》を作り出し、《魔女》や《魔術師》の能力を付与するという「ハーキュリーズ計画」の総責任者。およそ倫理観と呼ばれるものは彼女の中に欠片も存在せず、ひたすらに人体実験を繰り返してきたが、四年前にリーゼルタニアの研究所で被献体(オーフェリア)が暴走し、脱走。研究所は壊滅し、その責任を取る形で《超人派》は大きく勢力を減退させることとなった。性格は残忍且つ狡猾。自分に関することに関しては計算高く慎重だが、無関心な他人に対してはあっさりしている。同じ科学者としてエルネスタは多少評価しているが、カミラは歯牙にもかけていない。
レヴォルフ黒学院
校章は覇道の象徴たる二本の剣「双剣」。個人戦において圧倒的な強さを誇り、《王竜星武祭》を制した回数は群を抜いている。中等部と高等部、大学部を持ち、前期の成績は総合四位。非常に好戦的な校風で、六学園で唯一積極的に他学園の生徒との決闘を推奨している。そのためか、都市内での騒動にはレヴォルフの学生が絡んでいることが多い。校則はないに等しく、個人主義者の巣窟。金銭で買収される者や犯罪に手をそめる者が後を絶たない。手段を選ばず勝ちだけを追求する学生が多いのも特徴。その分チームワークや協力といったものとは無縁で、過去《鳳凰星武祭》は二回、《獅鷲星武祭》は一回しか制したことがない。
CV:内山夕実
レヴォルフ黒学院高等部二年。序列三位。《吸血暴姫(ラミレクシア)》の二つ名を持つ。レヴォルフの学有純星煌式武装《覇潰の血鎌(グラヴィシーズ)》の使い手。能力は重力制御。非常に強力な能力だが、すこぶる燃費が悪い。体系的な格闘術を学んでいるわけではないものの、天性の身体能力とセンスから体術にも優れる。性格はがさつで粗暴、直情径行だが、根は優しく、プリシラのことをなによりも大切に思っており、頭が上がらない。
CV:長妻樹里
レヴォルフ黒学院高等部一年。序列外。イレーネの妹。性格は明るく真面目、優しく芯の強いしっかり者。レヴォルフらしからぬ優等生だが、適応力は高く意外にしたたか。イレーネのことをなによりも大切に思っている。姉の身の回りの世話をすべて担っており、特に料理のスキルが高い。非常に珍しい再生能力者(リジェネレイティブ)であり、アルルカントに特待献身生として売られそうになったところをディルクに助けられた。能力を活かして姉へ血液供給を行っている。
CV:杉田智和
悪魔的な頭脳を持つ青年。非《星脈世代》にも関わらずレヴォルフ黒学院の生徒会長の座についている。序列外。序列に入っていないが《悪辣の王(タイラント)》の二つ名を付けられるほどに嫌われ、憎まれている。
樫丸ころな
CV:豊田萌絵
レヴォルフ黒学園生徒会長秘書。高等部一年。序列外。一応《星脈世代》ではあるものの、戦闘能力は皆無。書類の手違いでレヴォルフへ入学してしまい、途方にくれていたところをディルクに拾われる。性格は前向きで健気。成績は下の上、かなりのドジっ子。実は極めて特異な能力を持った《魔女》だが、限定的な状況下でのみ発現する能力であるため検査もすり抜け、国家登録もされていない。また、本人にその自覚もない。
モーリッツ・ネスラー
CV:加藤将之
レヴォルフ黒学院所属。序列十二位の《冒頭の十二人》。二つ名は《螺旋の魔術師》。風をドリル状に旋回させ、あらゆるものを刳り貫く能力の持ち主。
ゲルト・シーレ
CV:松田健一郎
レヴォルフ黒学院所属。モーリッツの舎弟。ライフル型煌式武装を扱う。
オーフェリア・ランドルーフェン
CV:坂本真綾
レヴォルフ黒学院序列一位。リーゼルタニア出身。《孤毒の魔女(エレンシュキーガル)》の二つ名を持つ。瘴気を自在に操り、入学から現在まで無敗を誇る。過去二回《王竜星武祭》を制覇している。
ほぼ無尽蔵の星辰力を誇るが、その反面能力を完全に押さえ込むことができず、常に周囲へ毒素をまき散らかしている。かつてリ−ゼルタニアの孤児院で育ち、ユリスとは親友だった。ユリスの持つハンカチには、オーフェリアの刺繍が入っている。孤児院の借金のかたとしてとある研究所(フラウエンロープ系列)に引き取られ、ヒルダによって人体実験の被検体とされる。結果、後天的に《星脈世代》となり《魔女》の才能をも賦与されたものの、その能力が暴走したことによって研究所は壊滅(この結果、アルルカント内では《超人派》の勢力が大きく減退した)。オーフェリアも瀕死の状態だったが、ソルネージュの特殊部隊によって保護された。運命論者。
界龍第七学院
校章は帝王の象徴たる四神の長「黄龍」。六学園中最大の規模を誇る。特に大学部や中等部などの区分けはなく、才能さえあれば年齢を問わず受け入れている。特にどの《星武祭》に強いといった特色はないが、逆にどの《星武祭》でも安定的な成績を残しているとも言える。総合成績で一度も下位クラスに甘んじたことがない唯一の学園。官僚主義と放任主義が絡み合う混沌とした校風で、あらゆる面でオリエンタルな雰囲気が濃い。星仙術と呼ばれる独自の万応素感応能力普遍化技術を持ち、武術においても他学園よりレベルが高い。
CV:南央美
界龍第七学院の序列一位。界龍の生徒会長。年齢は九歳だが、アスタリスク屈指の戦闘力を持ち、“最強”を冠する一人。界龍の伝説と謳われる《万有天羅》の二つ名を受け継いでいる。
CV:松田颯水
界龍第七学院序列九位。沈華の双子の兄。二つ名は《幻映創起》。星仙術のエキスパートであり、無いものを有るように見せる幻術を得意とする。沈華より慎重ではあるが、ひねくれた性格の悪さは兄妹ともに同じである。
CV:松田利冴
界龍第七学院序列十位。沈雲の双子の妹。二つ名は《幻映霧散》。星仙術のエキスパートであり、有るものを無いように見せる幻術を得意とする。沈雲より積極的ではあるが、ひねくれた性格の悪さは兄妹ともに同じである。
趙虎峰
CV:木村珠莉
界龍第七学院序列五位。男性。拳士。二つ名は《天苛武葬》。木派を束ねる拳士であり、小柄で女性的な外見に反してその実力は高い。星仙術の才能を欠片も持っていないため、水派の道士に対してはややコンプレックスがある。星露の秘書的な仕事を任されることが多いが、その真面目な性格から気苦労が絶えないでいる。シルヴィアの熱烈なファン。
宋然
CV:徳本英一郎
界龍第七学院序列二十位。木派に属する拳士。
羅坤展
CV:最上嗣生
界龍第七学院序列二十三位。木派に属し、棍を扱う。
クインヴェール女学園
校章は冀望の象徴たる名もなき女神「偶像」。六学園中唯一の女学園にして、最小の学園。成績も最下位常連。明るくきらびやかな校風で、入学条件に戦闘能力や学力にプラスして「容姿」を要求しており、所属する学生は皆トップアイドル級の美貌を誇る。実際にアイドル活動を行っている学生も多く、下位常連という成績にも関わらずファンは多い。制服は学生が自由にアレンジすることができる。前期の成績は総合六位。ただしクインヴェールは総合成績を度外視した戦略をとっている。
CV:千菅春香
本作品のヒロインの一人。彼女のみ学校が異なっており、他のヒロインよりも綾斗と接触した時期が遅れている。
クインヴェール女学園の生徒会長にして序列一位。明るく優しく、まっすぐな性格。稀代の歌姫にして世界最高のトップアイドルと呼ばれている。二つ名は《戦律の魔女(シグルドリーヴァ)》。歌唱によってあらゆる事象をコントロールすることができる。前回の《王竜星武祭》準優勝者。
聖ガラードワース学園
校章は秩序の象徴たる太陽の輪「光輪」。創立以来常に上位の成績を維持し、総合優勝の回数も六学園中トップ。前期の成績は総合一位。チーム戦である《獅鷲星武祭》に強く、学園としてもチームワークを重視して育成を行っている。規律と忠誠を絶対とした厳格な校風で、決闘についても原則的には禁じている(序列は定期的に行われる模擬戦の結果で決定する)。そのためレヴォルフ黒学院とは折り合いが悪い。また、ガラードワースにおいて《冒頭の十二人》は「銀翼騎士団(ライフローデス)」、その構成員は正騎士と呼ばれている。
CV:櫻井孝宏
聖ガラードワースの生徒会長にして、同学園の序列一位。淡い金色の髪を持った美男子で、物腰が柔らかくいつも穏やかな笑みを絶やさない。性格は温和で冷静、ただしレヴォルフが絡むようなことには苛烈な面を見せることもある。常に社交的な態度を崩さず、本心を見せることはない。剣士としての腕は超一流。四色の魔剣の一振り《白濾の魔剣》を持つ。二つ名は《聖騎士(ペンドラゴン)》。
レティシア・ブランシャール
CV:大西沙織
聖ガラードワース学園序列二位。生徒会副会長。《光翼の魔女(グロリアーラ)》の二つ名を持つ。気が強く正義感に満ち溢れた性格で、弱者に優しく、強権を振りかざすものには容赦がない。ノブレス・オブリージュがモットー。名門貴族であるブランシャール家の一人娘。クローディアとは幼少時より因縁があり、ライバルを自認している。
エリオット・フォースター
CV:高橋李依
聖ガラードワース学園中等部二年。序列十二位。二つ名は《輝剣(クラウ・ソラス)》。
綺凛と比類しうる剣才の持ち主。ガラードワースにおいては決闘が厳しく制限されているため、末席とはいえ中等部の学生が《冒頭の十二人》になるのは異例のこと。
ドロテオ・レムス
CV:滝 知史
聖ガラードワース学園大学部所属。序列十一位。男性。二つ名は《鎧装の魔術師(ブライトウェン)》。
その能力は小さな板を組み合わせることにより、様々な形の「鎧」を創り出すことができる。馬の形をした鎧に騎乗してのランスチャージを得意としている。
その他の登場人物
CV:中原麻衣
天霧綾斗の姉。綾斗と同じく天霧辰明流を学んでおり、道場を継ぐことが確実視されていた。しかしながら突如失踪し、綾斗の星導館学園転入のきっかけとなった。
CV:森永千才
ユリスが支援している孤児院の女の子。《星脈世代》ではあるが、まだ子どもなので戦闘能力は低い。ユリスに憧れており、自分もいつかアスタリスクで活躍してみんなの助けになりたいと思っている。
CV:緑川光
《星武祭》運営委員長兼エグゼクティブプロデューサー。運営の全権を任されている最高責任者。星導館学園出身で「銀河」に所属しているものの、実質的には《星武祭》専任なので本部における役職はない。《鳳凰星武祭》制覇者。
用語
水上学園都市“六花”
北関東多重クレーター湖上に浮かぶ水上学園都市。ほぼ正六角形で、それぞれの角から稜堡のように六つの学園が外側へ競り出している。その都市の形状から、正式名称よりも「アスタリスク」と呼ばれることのほうが多い。
世界最大の総合バトルエンターテインメント《星武祭》の舞台であり、住民の半数近くが学生かつ《星脈世代》。中央区と外縁居住区に分かれており、中央区はさらに商業エリアと行政エリアに分かれる。名目上は日本の一都市にすぎないものの、複数の統合企業財体が直轄統治しているため完全に治外法権状態。そのため入国手続きなども独自のルールで行われている。北関東多重クレーター湖には複数の海上空港が整備されており、世界各国から直接訪れることが可能。ただしアスタリスク内には空港は存在しないので、海上空港から船か飛行船で入ることになる。島内の交通はモノレールと地下鉄が中心。
落星雨(インベルティア)
二十世紀に地球を襲った未曾有の大災害。三日三晩に渡って世界中に隕石が降り注ぎ、多くの都市が壊滅した。この結果、既存国家の力は著しく低下し、統合企業財体と呼ばれる新たな経済主体が取って代わることになる。
またこの隕石群からは未知の元素である万応素が検出され、科学技術の発展を促すと共に《星脈世代》と呼ばれる特異な力を持った新人類を生み出した。
《落星雨》はいずれの観測機関もその予兆を捉えることがなく、また通常の隕石と比べて破壊規模が小さすぎることから、ただの隕石ではないのではという説が主流。
統合企業財体(Integrated Enterprise Foundation)
《落星雨》後、混乱の極みにあった世界経済を乗り越えるために無数の企業が融合して誕生した新しい経済主体。疲弊した国家を遥かに凌ぐ力を持つ。
かつては八つ、現在は六つの統合企業財体が存在し、実質的に世界をコントロールしている。アスタリスクにおいては各学園の運営母体でもある。
星導館学園の運営母体は「銀河」。
聖ガラードワース学園の運営母体は「EP(エリオット=パウンド)」。
界龍第七学院の運営母体は「界龍」。
アルルカントの運営母体は「ソルネージュ」。
レヴォルフの運営母体は「フラウエンロープ」。
クインヴェールの運営母体は「W&W(ウォーレン・アンド・ウォーレン)」。
星武祭(フェスタ)
統合企業財体が主催し、アスタリスクで行われている学生同士の武闘大会。三年を一区切りとし、初年の夏に行われるタッグ戦は《鳳凰星武祭(フェニクス)》、ニ年目の秋に行われるチーム戦は《獅鷲星武祭(グリプス)》、三年目の冬に行われる個人戦は《王竜星武祭(リンドブルス)》と呼ばれている。ルールは星武憲章に定められた通り、校章の破壊によって勝敗を決する。エンターテインメントであるため、明らかな残虐行為や殺傷を目的とした攻撃は処罰の対象となる。
世界中にライブ放送され、世界最大の興行規模を誇る。統合企業財体の元では経済的な成功/発展が最重要視されるため、《星武祭》は常に多数派の消費者が望む方向へ運用されてきた(参加者が学生に限定されているのも、それが多数派の意見だからである。見目良い少年少女が戦う姿を視聴者は望んでいる)。倫理的な面からの批判も存在するが、統合企業財体の下ではそういった意識は希薄化しているため一定以上の力を持つことはない。
また各学園の校風が極端な理由も、ある程度演出によるものである。
決闘
アスタリスクでは《星武祭》以外でも学生同士の私闘が認められており、俗に決闘と呼ばれている。お互いに所属を名乗り、闘いに参加する意思を明示すれば校章が合意と見なし認証される。勝敗の決定に関しては《星武祭》に準じ、その戦闘データは校章を経由してアスタリスクの中枢に集積される。もしも星武憲章に違反するような行為があった場合、厳しく処罰される。そのため校章を身に着けていない場合は決闘に参加することはできない。
ただし実際には決闘以外の偶発的な戦闘(つまり喧嘩)や乱闘も頻繁に発生している。これらは警備隊による取締りの対象であり、上記の通り憲章違反なので、捕まった場合は相応の罰則が適応される。
序列
各学園は星武憲章によって定められた情報開示義務により、実力者上位七十二名の氏名を公表している。『在名祭祀書(ネームド・カルツ)』と呼ばれるそれは、いわば各学園トップランカーの名簿表であり、彼(女)らは自らの序列と二つ名を名乗ることが許される。序列の変動に関しては各学園独自のルールもあるが、原則として月に一度行われる公式序列戦によってなされる。例えば序列外の学生と序列三十位の学生が闘ったとして、序列外の学生が勝利した場合、その学生は新しく三十位に序列される(元三十位の学生は序列外となる)。この変動は決闘での勝敗にも適用される。他学園の学生同士の決闘では序列の変動はないが、有力者同士の場合は学園の面子や評判などに関係してくる。報道機関等がかぎつけてくることも多々ある。
序列入りすれば学園からは特待生待遇になり、資金面や居住空間など様々な面で優遇される。特に最初のページに名前が載った生徒は「冒頭の十二人(ページ・ワン)」と呼ばれ、全学生にとっての憧れである。また星武祭は世界中に映像中継されているため、世界中にファンが存在する。
アスタリスクに集まる学生の大半は序列を上げ、星武祭において活躍することを目標としている。序列上位の学生は卒業後の栄光がほぼ保障されている上、《星武祭》で優勝した学生には主催である統合企業財体があらゆる望みを叶えることを約束している。
運営委員会
六つの統合企業財体から選出されたメンバーによって構成される委員会。《星武祭》の管理運営を一任されており、実質的な最終意思決定機関。現在の委員長はマディアス・メサ。
星武憲章(ステラ・カルタ)
アスタリスクの全ての学生に適応される厳格なルール。これに違反した者は厳罰に処され、場合によっては退学もありえる。またその関与が認められた場合、その学生が所属する学園にも罰が及ぶこともある。過去に何回か改訂を重ねている。重要な項目は以下。
一つ、アスタリスクにおける学生同士の闘争は、互いの校章を破壊することを目的とする場合のみこれを許可する。
一つ、アスタリスクにおける学生が《星武祭》へ参加できる期間は、十三歳から二十二歳までの十年間とする。
一つ、アスタリスクにおける学生が《星武祭》へ参加できる回数は、三回を上限とする。
万応素(マナ)
《落星雨》によって地球にもたらされた未知の元素。現在では世界中に拡散し、どこにでも存在する。特定の条件を満たした生物の意志に反応し、周囲の元素を巻き込みながらあらゆる事象・物質へと変化する。
星脈世代(ジェネステラ)
万応素の影響を受けて誕生した新人類。既存の人類を遙かに凌ぐ身体能力と、星辰力と呼ばれるオーラを持つ。中でも生身で万応素とリンクできる異能者は、女性ならば《魔女(ストレガ)》、男性ならば《魔術師(ダンテ)》と呼ばれている。
一般社会においては潜在的な差別意識が存在し、そのためにアスタリスクへやって来る学生も少なくない(その差別意識は《星武祭》への批判が多数派にならない理由の一つでもある)。
星辰力(プラーナ)
星脈世代が持つ特殊なオーラ。《魔女》や《魔術師》は能力を使用するごとに星辰力を消費する。これを使い果たすと意識が消失するが、基本的には時間とともに回復する。星辰力のコントロールは《星脈世代》の基本技術であり、星辰力を集中させることによって攻撃力や防御力を増加させることができる。特に防御面ではその効果が著しい。武器を使った戦闘が日常茶飯事でありながら、アスタリスクの学生達が致命的なケガを負うことが少ない理由はここにある。
星仙術
界龍第七学園が開発し発達させた万応素のコントロール技術のこと。星仙術を扱う能力者は道士と呼ばれる。《魔女》や《魔術師》の能力は個人の才能に依拠するが、星仙術はそれを技術としてある程度まで汎用化させることが目的。ただし根本的に《魔女》や《魔術師》の才能がないものには習得することが出来ない。
端的に言えば星仙術は万応素の反応を体系的に分類し、系統的な技術として習得できるようにしたもの。《魔女》や《魔術師》は通常一つの能力に特化するが、道士は鍛錬によって広く複数の能力を使いこなすことが出来る。
落星工学
万応素や《落星雨》で落ちてきた隕石に関する学問。万応素の働きについては未知の部分が多いものの、隕石に多く含まれていたレアメタルを利用したマナダイトの研究は進んでおり、広く実用化されている。
マナダイト
万応素が結晶化した特殊な鉱石。一定の負荷を与えることにより特定の元素パターンを記憶・固定化する性質を持つ。元来地球上には存在せず、《落星雨》によって落ちてきた隕石から採掘される。煌式武装の起動体として使用されるほか、落星工学によって生み出された工業製品の多くに用いられている。
ウルム=マナダイト
極めて純度の高いマナダイトの総称。通常のマナダイトに比べ希少であり、これをコアに用いた煌式武装は純星煌式武装と呼ばれる。色や形も様々で、同じものは二つとない。意思を持つとされる。
煌式武装(ルークス)
マナダイトをコアに利用した武具の総称。マナダイトに元素パターンを記憶させることにより、発動体からその素体を具現化することができる。周囲の万応素を集約することにより光状の刃や弾丸などを生成する。また、動力自体も万応素から抽出している。
純星煌式武装(オーガルクス)
ウルム=マナダイトをコアに利用した武器の総称。特殊な能力を秘めるものが多いが、その反面様々な「代償」を必要とする。さらに武器自体に意思のようなものが宿っており、使い手との相性によっては触れることさえできない。相性は適合率として測定される。
その多くは統合企業財体が所有しており、各学園へ管理を委任し、適合率の高い学生に貸し出す形でアスタリスクへ提供されている。
医療院
アスタリスクの中央区にそびえる大病院。「"死にたて"だったら連れ戻してやる」が院長のモットー。実際に医療系の《魔女》や《魔術師》などが在籍し、アスタリスクにおいて死亡率が異常なほど低く抑えられているのはここがあればこそ。当然、落星工学を用いた最先端医療も導入されている。ただし能力者による治療はよほどの大ケガではない限り受けられない。なお、治癒能力者は星武憲章により各学園への所属が禁止されている(公平性維持のため)。
ABC(Asterisk Broadcasting Company)
運営委員会から公式配信の認可を与えられている放送ネットワーク。アスタリスク関連の専門放送局であり、各国の放送局は全てここから映像を受け取る形で放送している。W&W系列の放送局ではあるものの、長年の間に他の統合企業財体の影響力を受け、現在では立場的には中立に近い(それでも女子アナなどはクインヴェール出身者が大半を占める)。
クインヴェールの翼
2014年8月から『別冊少年マガジン』で連載されている外伝コミカライズストーリー。
六学園の1つ『クインヴェール女学園』と、その学園で1つのチームを結成した少女達の物語であり、現在は3巻まで刊行されている。
2016年4月に小説版1巻が発売された。
関連イラスト
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落第騎士の英雄譚(主人公が剣使い、メインヒロインが炎属性の姫様など共通点が多い。そして、極めつけとして第1期と放送時期も被っていた)