概要
ワノ国編で登場したキャラクター。その正体はジェルマ66のレイドスーツで変身したサンジである。
レイドスーツを開発したのはサンジの実の親であるヴィンスモーク・ジャッジで、WCI編にてヴィンスモーク・ニジがモンキー・D・ルフィの服の中に忍び込ませる形で渡された。
サンジは当初「おれはこんな科学の力を借りて、強くなりてえとは思わねえ!」とレイドスーツの使用に否定的であったのだが、百獣海賊団の真打ちページワンとの戦いへ赴くに当たって「意地を曲げれば救える命もあるかもしれない。」と考えた事から、正体を隠して戦う為に使用した。
ちなみに本来の名前は「ステルスブラック」。
サンジの兄弟達がパーソナルカラーに合わせた髪色をしていることを見ると、仮に母の抵抗がなく、ジャッジの思惑通りに生まれて来ていればサンジは黒髪になっていたかもしれない。
おそばマスクという珍妙なネーミングはサンジ自身がつけたもので、ウソップやフランキーたちからは不評だった(詳しい経緯は後述)。
ちなみにマントに書かれた数字は白、裏地とスカーフは赤、スーツのボタンやラインは濃い黄色と能力の割に色は結構派手。
機能
足の裏に仕込んだ浮遊装置でサンジの空中歩行(=月歩)では不可能だった空中浮遊を、踵の加速装置で今までにないロケットスタートを可能にしている他、マントは盾として百獣海賊団の幹部の攻撃すらも耐えきる防御力を発揮する。アニメ版ではマントで防御する際に誰もが持っている心の壁のようなバリアを発生させていた。
そして「ステルスブラック」の名の通り、全身に映像を投影することで擬似的に透明化できるのが最大の特長である。
ちなみにサンジの夢のひとつは「透明人間になれる能力(≒スケスケの実)」だったため、スケスケの実の能力者ということでその夢を奪ったアブサロムを八つ当たりで恨んだことがある(ただその使い道はほぼ女湯ののぞきをするためだったが……)。
最終的には「おれはもう透明になんかなれなくたって構わねェ」と未練を捨て「自力でのぞく」と宣言したサンジだったが、そんな彼の野望(?)がジェルマ66の科学力で現実になった。しかも悪魔の実の能力ではないため泳ぎが得意という長所とも共存できている。
使用状況
- vsページワン
「バレなきゃいいんだろ?おれの正体が」
サンジがおこした騒動による報復のため、花の都にページワンとドレークが現れる。ページワンはサンジをあぶり出すため都中の蕎麦屋を襲撃。サンジは無関係な人たちを襲うページワンに怒り、彼に奇襲を仕掛ける。
しかしながら、潜伏作戦において敵方の幹部に自身の正体が知られることは避ける必要があったこととすぐさま倒して敵の戦力を減らすことを考えたサンジはレイドスーツの着用を決意。これまで培った身体能力に加え、ジェルマの科学力による「空中飛行」「瞬間移動」「透過能力」などの新たな能力の追加で戦術が一層強化され、ページワンを圧倒した。
「幸せ♡パーンチ♡♡」
ページワンをねじ伏せた後は、仲間たちと共にその場から撤退。翌日にはこの一連の騒動により「サン五郎」として指名手配されてしまい、しばらくは顔が割れている錦えもんたち同様に潜伏して活動することに。
奇しくもジェルマの科学で念願だった「透過能力」を手にしたサンジは頭の中は「覗き」のことでいっぱいとなり、作戦会議もそこそこに、ナミやロビン、しのぶが出かけた都の湯屋に潜入。偶然にも同じタイミングで、“真打ち”バジル・ホーキンスとドレークが軍勢を率いて湯屋を包囲し、足に逆さ三日月の入れ墨を入れた者たちや顔を知っているナミを“反逆者”として連行しようとする。このとき、ナミが取り乱したことで起こしたとあるハプニングにより絶頂に達したサンジは大量の鼻血を噴出しながら透過を解除してしまい、真打ち二人に発見されてしまうが、彼らの攻撃をなんとかいなしながら、仲間の3人を救出して隠れ家へと戻った。
…因みに敵である二人もローと同じく漫画のファンであり、戦闘中は原作通りのステルスブラックの姿と能力の数々に興奮(逆に悪役のくせに女性を守る姿にはダメ出し)し、本来の目的を忘れたように執拗にサンジを狙っていた。
※サンジはこの後、覗きの一件でナミたちからたっぷりお灸を据えられ、過去最高に顔面が腫れ上がるほど、ボコボコにされている
「おい!!モモ!!さっきの名乗りシビレたぜ!!!」
黒炭オロチ、カイドウに捕まり、ステージに磔にされたモモの助。ステージ上では大看板であるキングとクイーンが護衛に当たっていたが、サンジが透過能力でモモの助を解放。そのまましのぶへと投げ渡した。
その後自身はキングから強烈な一撃を受けてしまうが、レイドスーツの耐久性により無事だった。
アニメ998話では戦闘シーンや空中チェイスが追加された。ワノ国編の美麗な作画が合わさり、一見の価値あり。
技
- 流星おそばキック
アニメオリジナル技。はるか上空から流星のごときスピードで相手に突っ込む蹴り。辺りに小規模のクレーターを残すほどの威力だったがこれでもページワンへの決定打にはならなかった。キングに対しても使用したが、片手で受け止められてしまった。
元ネタは恐らくウルトラマンジャックの流星キック
科学の目覚め
サンジはジェルマを嫌いながらも「レイドスーツによる強化は仲間たちの役に立つ」と割り切り、要所要所で着用してきた。
しかし大看板クイーンと交戦し始めたとき、サンジはゾロに3回目のレイドスーツを着てから自身の体に違和感を感じていることを打ち明ける。その後も交戦を続けていたが体の違和感は徐々に大きくなっていき、ついに戦いを見ていたチョッパーたちにもはっきりとわかる変化が表れる。
「まさか…あいつらと同じ力が目覚めたんじゃねェよな…」
「いやだ!!あんな怪物になるのは…!!!」
なんとサンジの中に眠っていたジェルマの血統因子、外骨格が発現してしまったのである。
その後、サンジはスーツの着用で自身に目覚めてしまった科学を受け入れつつ、感情を失うことを避けるためにレイドスーツを破壊。ジェルマ66のステルスブラック…改めおそばマスクは二度と現れない幻の戦士になった。
余談
トラファルガー・ローによれば、世界経済新聞に掲載されていた絵物語『海の戦士ソラ』に登場する悪の軍団メンバー「ステルス・ブラック」に酷似しているらしいが、このレイドスーツとの関連性は今のところ不明。
だがローが絵物語のまま「悪の軍団ジェルマ66のNo.3、ステルスブラック」と呼んだのを嫌がり、咄嗟にこの名前を名乗った。
ワノ国で「そば屋サン五郎」として屋台を経営していたのが由来だろうが、味方からは大不評で、ウソップやフランキーたちからは
「最悪だー!!!改名してくれー!!」「命名権をおれ達にくれー!!」
と言われたほど(※下記の名付けの候補参照)。
なお、立体物では結局「おそばマスク」名義で販売されることになったことから、公式としては当分改名するつもりはない模様。
また、サンジは初めて着用した後、フランキーとウソップにデザインの変更を頼もうとしていた。サンジがどのようなデザインを希望していたか不明だが、変更前にサンジ自身の手で破壊されたため、デザインが変更されることはなかった。
名付けの候補
コミックス94巻のSBSにて、「もしウソップやフランキー、他の一味メンバーが本気で名前をつけたら、どんな名前になったのか気になります」という旨の質問が届いているが、その殆んどがサニー号の名前を決めていた頃を思い出させるほどの厨二病レベルのセンスだった。
ルフィ:「黒!マスク!たてがみ」
ゾロ:「アホ」
ナミ:「まんと」
ウソップ:「イナズマスカイザー」
ロビン:「不吉仮面」
チョッパー:「それゆけサンジ」
フランキー:「ブラックローリングデストロイヤー」
ブルック:「うらやまC女湯男」
…であり、ウソップやフランキー以外のメンバーに至っては、いずれもサンジ及びウソップのツッコミが飛び交いそうなレベルの代物(ゾロに至ってはただの悪口)である。
関連タグ
ヴィンスモーク ジェルマ66 スケスケの実 アブサロム そげキング