概要
猫霊族(ねこれいぞく)の少女。一人称は「私」で、猫霊族だからか「にゃあ」と言うことや語尾に「にゃ」が付くこともある。
猫の耳と尻尾、緑色の瞳が特徴で、スタイルに関してもタニア程ではないが発育がそこそこに良く、大きなものも兼ね備えておりそれを見たソラとルナは自分のコンプレックスのある小柄な身体と見比べて落ち込んでいた。
キャラクター像
穏やかながらも明るい人柄と人懐っこい性格をしている。
健啖家であることに加え、魚が大好物。それだけに、海産物のないホライズンで魚が食べられない事を知って落胆した。猫と近い特性をしているのか、お風呂が苦手である他、後述の理由により幽霊は悲鳴を挙げるほどに大の苦手。
その一方で、旅をする最中で最強種である自分を捕まようとし、打算目的で擦り寄ってきた人間達の姿を目の当たりにして人間不信に陥りかけたが、レインが見返りなしの善意で助けた上に自分をひとりの女の子として普通に接してくれた事でそれを払拭することが出来た。それだけにレインを馬鹿にする者や彼を虐げた勇者パーティーに対しては怒りを顕にしている。
思い込んだら一直線な所があり、ある依頼を遂行する際にダブルブッキングしたオーグとクロイツがレインを馬鹿にした際には、彼らに負けないようにと完遂しようとするも、肝心の方法が分からないという一幕があった。
戦闘能力
極限まで身体能力が進化した猫霊族なだけあって、力と素早さ、身のこなしはかなり高水準となっており、突進さえも攻城兵器となりうる。
動体視力にも優れており、高い身体能力と併用することで攻撃を尽く回避できる。
初登場時の時点では空腹の状態であるにも関わらず、高く飛び上がってからの踵落としだけでDランクの魔物キラータイガーを仕留めている。勇者パーティーとの戦いでもデタラメに拳をぶつけるだけで戦士アッガスを圧倒し、更には力の半分を開放した時はアッガスを戦慄させて一撃で戦闘不能にしている。本気を出した時は戦略級兵器に匹敵し、魔族にも明確にダメージを与えた。
アクロバティックな動きからの連続攻撃を難なくこなし、壁や天井を自ら駆け抜け、戦闘開始してすぐに敵より先に攻撃を当てる切り込み隊長的な立ち回りも出来る他、鋼鉄すら砕くアッガスの一撃さえも蚊を払うように弾いた。
そして、カナデの主人であるレインもまた契約の恩恵を受けて身体能力が強化されており、二人がかりで素早く重い連続攻撃を繰り出すことも可能である。
しかし猫霊族の弱点もそのままであるため、魔法が使えない他、初級の攻撃魔法でもダメージを受ける程に魔法に弱い・簡単に麻痺や毒にもかかる位に状態異常魔法に対する耐性も低い。とは言え、上級魔法が直撃しても『痛い』だけで済まして戦闘を続行するなど(そもそも魔法も自前の身体能力で躱す形で対処できる)、麻痺魔法を食らった状態でもCランクの冒険者の攻撃を拳で弾くなど、魔法の相性は悪くとも最悪とまでには至らない。
だが、最大の強みである物理攻撃の効かない幽霊は最悪の組み合わせである。
活躍
レインと出会う前
山奥での生活に退屈して旅に出たが、それが災いして人間たちに狙われた上に、何日も飲まず食わずが続いて死にかけた所にあわや魔物に襲われそうになった所をビーストテイマーの青年レインに助けられた(といっても、レインは応戦するも短剣が壊れてしまい、カナデが最後の力を振り絞って撃破した)。この縁でレインと契約、レインにとっては初めての仲間となった。
レインと出会った後
薬草採取や道案内でレインの規格外な能力に驚愕してしまう中、漆黒の牙に襲われた商人を見つけたカナデはレインと一緒に撃退する。漆黒の牙のアジトにたどり着き、カナデは街に戻って他の冒険者や兵士に事情を話して連れてきたが、現れた複数のキングリザードを相手にした(ちなみに冒険者たちはレインがテイムした蜂で予め気絶させた漆黒の牙の団員を連れて行く形で避難した)。
宿で(空きがないからという理由で)レインと一緒の部屋で寝る中、レインから「出会ったばかりでまだ全然知らない相手のことをどうして信用できるって言えるんだ?」と問いかけられ、それに対してカナデは(前述の事情から)誰でも信頼できる訳ではないと踏まえた上で「レインだから信用できる」と彼への信頼を見せた。
レインと出会ってから一週間後、ホライズンの南の橋・ストライドブリッジの通行者が襲撃される事件を解決する為に向かったが、そこで張本人である竜族の少女・タニアと遭遇。レインとの二人がかりでも彼女の身体能力と竜族の能力に苦戦するが、レインの作戦の時間稼ぎとしてタニアと対峙、見事勝負を決した(なお、戦う最中にうっかり作戦をばらしてしまったが)。
タニアが仲間になり、そろそろレインの装備を整えようとするそのタイミングでレインが元いた勇者パーティーの面々と遭遇。(魔王を倒すのに必要とはいえ)彼らの恥も外聞もない態度にタニアと一緒に怒りを顕にして謝罪を要求するも、結局勇者パーティーに逆上された挙句に(アリオスのある言葉が原因とはいえ)両者のパーティーが衝突する事となった。対峙する相手であるアッガスを赤子のようにあしらい、「半分くらい力を出して」アッガスを撃退。タニアはリーンとミナを、レインはアリオスを下した事で勇者パーティーに勝利、彼らが形だけの土下座をしたことでこの場を収めた(尤も、反省してないアリオスの態度にタニア共々怒りを顕にしたが)。
カナデ達はアリオスの代わりに魔王を倒すのに必要な装備品「真実の盾」のある迷いの森に向かったが、構造と幻覚を見せる結界に悪戦苦闘してしまい、結界を発した木をへし折ろうとするも精霊族のソラの妨害によって撤退せざるを得なかった。レインは単身ソラの説得に向かったが、レインが傷つく姿に見かねたカナデとタニアはソラに説得した事で攻撃を収め、「真実の盾」を入手する事ができた。
ソラがシャドウナイトに妹であるルナを迷いの森の結界を解くための人質にされた事を知ると、シャドウナイトの討伐とルナの救出を引き受け、レインと共にシャドウナイトに戦いを挑んだ。レインのブーストによる一撃でシャドウナイトを撃破し、ルナもタニアによって救助された。
人物関係
仲間達
前述の通り、カナデの主人。本編序盤ではキラータイガーに襲われている所を助けてもらった事をきっかけに彼と契約を果たし、仲間として同行している。
レインとは「主従」にして「かけがえのない仲間」であるが、男性としてちゃんと意識している。
竜族の最強種。
ストライドブリッジの番犬である彼女と戦い、後に仲間となった。
タニアがレインに抱き着いた際には嫉妬して彼女にレインから離れるように強く言ったが、レインの過去を聴いた事でタニアと一緒に励まし、そのタニアが慢心でレインを怪我させた事に落ち込んだ時には心配していた。
敵対者
勇者パーティー
勇者パーティーのリーダー格である勇者にして、レインをパーティーから追放した張本人。
レインと出会って間もない頃に彼が勇者パーティーから理不尽な仕打ちを受けた挙句、追放されたことを聞いているため、勇者パーティーには敵対心を持っており、実際にアリオス率いる勇者一行と対面した際には、アリオスの依頼には(本心では反対したかったが)「レインが決めた事だから仕方ない」と拒否しなかったが「レインに(した酷い仕打ちの事を)ちゃんと謝って」と自分のことのように怒りをあらわにした。
レインを追放した勇者パーティーの一員で、対峙した相手。
当然ながら彼に対してもアリオス同様怒りを顕にしていた。
余談
本編の正式タイトル『勇者パーティーを追放されたビーストテイマー、最強種の猫耳少女と出会う』の『最強種の猫耳少女』とはカナデのことであるため、本作におけるメインヒロイン的な存在でもある。
因みにレインの視点で彼女を「生涯のパートナーとなる相手」と述べているが、果たして……?
物語全てがレインの回想録である可能性もこの事から浮上している。
関連タグ
関連キャラクター・人物
レオニダス一世(Fate):物理攻撃を得意とし、それが効かない幽霊が大の苦手という共通点を持つ。
カービィ:食欲旺盛で、思い込んだら一直線という共通点を持つ。しかし、その食欲はカナデも真っ青になるレベルであるが。
ペコリーヌ:食欲旺盛なメインヒロイン繋がり。他にも髪色が近く、長い髪と大きな胸を兼ね備えているという共通点もある。
カエデ・タマモ:書籍化及びコミカライズした他作品に登場するキャラクター。カナデのように『悪徳な勇者によって理不尽に追放された主人公が出会い、彼の心を救い大切な存在となったメインヒロイン』『長い髪の獣人』といった共通点を持つ。